2015年9月5日(土) 慶應義塾大学 対 明治大学
14:00 Kick Off @アミノバイタルフィールド
天候 曇り
1Q 2Q 3Q 4Q 計
慶應 14 7 7 6 34
明治 3 0 0 7 10
得点経過
1Q 9:51 慶應 #5(QB2年小田)→#81(WR4年八木) 6yd Pass
TFP成功(K#11 3年手塚) <K7-0M>
10:29 明治 K#19 27yd FG成功 <K7-3M>
11:46 慶應 #5(QB小田) 41yd Run
TFP成功(K#11 手塚) <K14-3M>
2Q 6:12 慶應 #29(RB3年李) 37yd Run
TFP成功(K#11 手塚) <K21-3M>
3Q 2:00 慶應 #29(RB李) 10yd Run
TFP成功(K#11 手塚) <K28-3M>
4Q 3:02 慶應 #29(RB李) 1yd Run
TFP不成功(K#11 手塚) <K34-3M>
11:09 明治 #18 3yd Run
TFP成功(K#19) <K34-10M>
STARTING MEMBER
Offense
RT#78 小野島 洋輝(3年)
RG#51 清野 武尊(4年)
C#59 浅原 宏太郎(3年)
LG#57 清水 憲久(4年)
LT#71 高瀬 智正(4年)
QB#5 小田 裕太(2年)
TE#85 林 健太(4年)
WR#9 寺園 貴文(4年)
WR#17 姜 勝大(4年)
WR#81 八木 雄平(4年)
RB#29 李 卓(3年)
K#11 手塚 太陽(3年)
Defense
DL#60 河内 宥輝(3年)
DL#93 岸 佑亮(2年)
DL#90 金子 陽亮(4年)
DL#97 長塚 大(3年)
LB#4 工藤 勇輝(2年)
LB#5 志茂 雅史(4年)
LB#41 須永 竜平(3年)
DB#13 杉山 慶(3年)
DB#22 松崎 泰光(4年)
DB#25 藤井 弦一郎(3年)
DB#44 内藤 大地(3年)
P#77 簗瀬 武史(2年)
※チームおよび選手のスタッツ(公式記録)は関東連盟のホームページ
で閲覧できます。http://www.kcfa.jp/
リーグ戦星取り表で、見たい試合の勝ち負け(得点・失点)の
ところをクリックすれば、スタッツが出てきます。
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明治大戦ゲームレポート
H17松元竜太郎(共同通信勤務)
【戦評】
9月5日に関東TOP8の開幕戦となる慶応大と明治大の一戦がアミノバイタル
フィールドで行われ、慶大は34―10で明大に勝った。慶大は序盤から攻守で
明大を圧倒。新エースの#5QB小田も自らのランとパスで2TDを決めるなど、
上々のパフォーマンスを見せた。
【試合経過】
慶応のキックオフで試合開始。明治の最初の攻撃をパントに追い込むと、慶応は
2シリーズ目のオフェンスで、小田が#9WR寺園にロングパスを通して敵陣に
入る。最後は#81WR八木にTDパスが決まり7点を先制。続くキックオフで
ビッグリターンを許すが、レッドゾーン守備でDB陣が攻守を見せてFGの3失点
にとどめる。続くオフェンスでは#29RB李のランなどで前進すると、最後は
小田が41ヤードを自ら走りきりTD。リードを広げる。2Qに入っても李のT
Dランで追加点をあげて、21―3で前半を折り返す。
後半に入っても慶応オフェンスの勢いが止まらない。最初のドライブでテンポよ
く前進すると、最後は李がTDランを決める。明治はパス中心の攻撃に切り替え
るが、#90DL金子のプレッシャー、#4LB工藤、#41LB須永のインター
セプトなどで反撃の糸口をつかませない。4Qにも李がこの日3本目となるだめ
押しのTDランを決めて、最終スコア34―10で開幕戦を制した。
■希望をもたらすオフェンスラインの成長
後半開始早々の李の9ヤードTDラン。このプレーが今季の慶応OLの成長を象
徴していた。インサイドゾーンで#59C浅原を中心に明治DLをゴリゴリと押
し込む。最後は李がゴール手前からもう一伸びしてエンドゾーンに飛び込んだ。
OLのランブロックが全てと試合の見どころを書いたが、主将と副将を務める明治
の強力な両DTを押し込んでのTDは、ユニコーンズの今季に希望をもたらすも
のだった。
しかし、その実力はまだ確固たるものではないことも明らかになった。3Qの続
くオフェンスからしばらく慶応のランが沈黙した。明治のディフェンスが仕掛け
ている様子もなかったので不思議だったが、慶応OLのメンツが入れ替わってい
た。第1、第2ダウンでランが出ずに第3ダウンロングでパスを強いられる。想
定していた悪いオフェンスのパターンだった。ちょっとメンバーが交代しただけ
で、相手に主導権を奪われてしまう。デプスを含めて、まだOLには真の実力が
ないということだ。
昨年は法政戦をはじめとして、ランが出ずに第3ダウンロングという状況でも、
高木君が何度も何度もパスを決めて局面を打開した。しかし、繰り返しになるが
小田にそれを求めるべきではない。第3ダウンロングを作らないようにすること
がオフェンスにとって最も重要であり、その成否はOLのパフォーマンスが握っ
ている。
■テンポを生み出した新エースの小田
2年生ながら、新たにユニコーンズオフェンスの司令塔を託された小田の出来は
どうだっただろうか。彼の一番いいところは闘争心、攻める姿勢を全面に出して、
テンポよくドライブを展開できるところだ。おそらくスタントHCも彼の攻撃的
なパフォーマンスを評価して、エースに抜擢したのだろう。自ら走れることも魅
力だが、今後はミドルパスの精度に磨きをかけてほしい。
これから対戦するチームは、李をはじめとした慶応のランを止めるために前がか
りのディフェンスを展開してくることは明らかだ。その裏を突くようなミドルパ
スをどれだけ正確に決められるかで、小田の真価が問われてくる。明治のSFに
インターセプトされたLBの裏に投げ込んだシームのパスがあったが、まさにあ
のパスを強豪相手に今後どれだけ決められるか。#19田邊をはじめとしてスピー
ドのあるWRも多いので、どうしても昨年までのロングパスを使いたくなるとこ
ろだが、あえてロングパスは投げない方がいいと思う。あれは40ヤードのパス
を正確にポイントに落とせる高木君の技術があったからなし得た技だ。小田が率
いるオフェンスは、ランとショート、ミドルのパスで着実にドライブする。初戦
でしっかり結果は出したのだから、シーズンを通して自分たちの攻撃スタイルを
確立し、完成度を高めてほしい。
■待たれるDTの成長
ディフェンスは力を出せば2本以内には抑えられると予想していたが、ほぼ想定
していたとおりの実力だった。スター選手こそいないが、春から筒井守備コーディ
ネーターが取り組んできたデプスの構築が功を奏して、メンバーが入れ替わって
もほとんど力が落ちない。タフなリーグ戦を勝ち抜いていく上で頼もしいディフェ
ンスに仕上がってきている。
明治のWRに落球が相次いだため、課題のCBを評価するまでにはいたらなかっ
たが、DLについては課題が明確になった。DEについては、主将の金子を筆頭
に昨年から経験を積んでいる#97長塚、#94萩原、今春OLからコンバート
された#72犬飼ら人材が豊富にいて、それなりにプレッシャーも与えることが
できていた。しかし、中央からのDTによる圧力が少なかった。3強の強力なオ
フェンスを止めるためには、スタータに抜擢された#60河内をはじめとして、
DTのもう一段の成長が必要になってくる。
最後にTDを許したことは課題だが、守備は幸先のいいスタートを切ったと言え
るだろう。これから対戦するチームにはプレーメーカーが多く、常に一発TDの
驚異をひめている。昨年、屈辱の全シリーズTDを奪われた日大をはじめとして、
今季のユニコーンズディフェンスがどのようなプレーを見せるのか、秋が深まっ
ていくのを楽しみに待ちたい。(共同通信社 松元竜太郎・平成17年度会員)