2015年9月27日(日) 慶應義塾大学 対 専修大学
10:45 Kick Off @富士通スタジアム川崎
天候 曇り
1Q 2Q 3Q 4Q 計
慶應 21 20 7 10 58
専修 0 12 0 7 19
得点経過
1Q 1:14 慶應 #34(RB2年國府谷) 4yd Run
TFP成功(K#11 3年手塚) <K7-0S>
3:04 慶應 #34(RB國府谷) 3yd Run
TFP成功(K#96 4年島崎) <K14-0S>
8:22 慶應 #6(RB4年田中) 9yd Run
TFP成功(K#11 手塚) <K21-0S>
2Q 1:33 専修 #10→#1 13yd Pass
TFP失敗(K#83) <K21-7S>
3:28 慶應 #4(QB4年江守)→#19(WR3年田邊) 5yd Pass
TFP成功(K#96 島崎) <K28-6S>
7:59 専修 #10→#88 1yd Pass
TFP失敗(2 point conv.) <K28-12S>
10:30 慶應 #4(QB江守)→#22(WR3年井上) 29yd Pass
TFP失敗(K#11 手塚) <K34-12S>
12:00 慶應 #5(QB2年小田)→#81(WR4年八木) 33yd Pass
TFP成功(K#11 手塚) <K41-12S>
3Q 3:12 慶應 #5(QB小田)→#86(WR2年柴田) 6yd Pass
TFP成功(K#11 手塚) <K48-12S>
4Q 5:58 慶應 K#96(島崎) 32yd FG成功 <K51-12S>
9:41 慶應 #10(QB4年麻和)→#13(WR2年岡本) 5yd Pass
TFP成功(K#11 手塚) <K58-12S>
11:54 専修 #25 7yd Run
TFP成功(K#83) <K58-19S>
STARTING MEMBER
Offense
RT#78 小野島 洋輝(3年)
RG#51 清野 武尊(4年)
C#59 浅原 宏太郎(3年)
LG#57 清水 憲久(4年)
LT#71 高瀬 智正(4年)
QB#5 小田 裕太(2年)
TE#48 黒田 翔太(3年)
WR#9 寺園 貴文(4年)
WR#17 姜 勝大(4年)
WR#81 八木 雄平(4年)
RB#29 李 卓(3年)
K#11 手塚 太陽(3年)
Defense
DL#72 犬飼 和真(2年)
DL#90 金子 陽亮(4年)
DL#93 岸 佑亮(2年)
DL#97 長塚 大(3年)
LB#4 工藤 勇輝(2年)
LB#41 須永 竜平(3年)
LB#42 井本 健一朗(2年)
DB#5 志茂 雅史(4年)
DB#13 杉山 慶(3年)
DB#22 松崎 泰光(4年)
DB#25 藤井 弦一郎(3年)
P#77 簗瀬 武史(2年)
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【戦評】
9月27日に慶応大のリーグ第3戦、専修大との一戦が富士通スタジアム川崎で
行われ、慶大は58―19で専大に勝ち、開幕から3連勝とした。慶大は#34
RB國府谷の連続TDランなどで第1クオーターに21点のリードを奪うと、
スタートQB#5小田をはじめとして、4人のQBがパス攻撃で専大守備を圧倒
した。ディフェンスは専大のラン攻撃で前進を許す場面もあったが、#18LB
中野のQBサックなどで要所を締めた。第3節を終了して全勝は日大、法大、慶
大、早大の4チームのまま。
【試合経過】
専修のキックオフで試合開始。慶応は最初のドライブでRB國府谷が4ヤードの
TDランを決めて先制する。続く守備が専修の攻撃をあっさりパントに追い込む
と、#9WR寺園が好リターンでゴール前に迫る。ここも國府谷が押し込んで7
点を追加。さらに1TDを加えて、1Qで21―0と大量リードを奪う。守備は
#93DL岸を中心に専大オフェンスに対抗するが、2Qに入るとロングパスと
オプションで前進を許し、2TDを献上。前半を41―12で折り返す。
後半に入っても慶応オフェンスの勢いは止まらない。小田が#86WR柴田にT
Dパスを決めると、4Qには#4江守、#12米内に続いて4人目のQBとして
出場した#10麻和がTDパスを決めて、合計58点を奪った。ディフェンスは
後半に入るとうまくアジャストして、#22DB松崎を軸に無得点に抑えていた
が、ツーミニッツのラストドライブでゴール前に迫られ、試合終了直前にTDを
許す後味の悪い幕切れとなった。慶応は最終スコア58―19で開幕3連勝とし
た。
■ランを生かすための布石
この日は前節の中央戦から一転して、プレーコールの6割近くをパスが占めた。
エースの小田は16回投11回成功で、207ヤード、2TD。4年生の江守も
10回投げて全てのパスを成功させるなど、上々の出来だった。しかし、私が言
うまでもなく選手たちは分かっていると思うが、自分たちの力を過信しないでほ
しい。パスがメインの攻撃では、法政や日大の守備にはおそらく全く通用しない。
なぜなら、両チームの守備は、慶応よりはるかに精度の高い味方のパス攻撃を相
手に、日々練習しているからだ。今年は#29李を中心としたランで勝負できな
ければ勝機はないとしつこく言っておきたい。
試合後、スタントHCに話を聞くことができなかったのであくまでも私の推測だ
が、この試合パスで攻めたのは、3強との対戦への布石の意味もあるだろう。つ
まり、慶応はパスもあるぞということを意図的に印象づけた感じがある。ここま
で明治、中央に対しては怒濤のランで押し切ったオフェンスだが、法政、日大、
早稲田の守備フロントはさらに数段レベルが上がる。ランを軸に攻めながらも、
効果的なパスによりチェンジアップできなければ、手詰まりになるだろう。そう
いう意味で、ランを効果的に出すための自分たちの武器を増やすことと、相手に
パスを印象づけてランに山を張らせないための布石を打つこと。専修戦のパス攻
撃には二つの意味があったと理解している。
ちなみにWR陣は質、量ともに豊富で、1対1でも十分に対抗できる戦力が整っ
ている。副将の#81八木、#19田邊あたりが、勝負どころでメインターゲッ
トになってくるだろう。
■期待されるLBのソロタックル
守備はこの試合のためにどれほど準備していたのかは分からないが、全体的には
不安材料の方が多く目についた。まず、最大の課題は専修のオプション攻撃で何
度もロングゲインを許してしまったことだ。ビデオを見ないと細かい原因は分か
らないが、画的には止まっているけどLBが1対1でキャリアを仕留められなかっ
た印象がある。昨年の法政戦、オプション攻撃に対して、LBのライト君がこと
ごとく1対1の状況をソロタックルで止めていた。今年のチームでは彼ほど信頼
できるタックラーは残念ながらまだいない。フットボールの基本でもあるが、最
後はきっちりタックルできるかどうかに尽きる。もう一度タックルを鍛え直して、
3強との対決に臨んでほしい。
もう1点気になったのが、簡単にロングパスを決められてしまったCB陣だ。特
にやられ方もよくなかった。エースCBの#13杉山は安定していたが、それ以
外の選手には不安が残った。確かに専修のバックフィールドはスピードがあり、
相手QBの調子も良かったが、このままでは法政と日大のパスには全く対抗でき
ないだろう。
いい話題もあった。DLは負傷から戻ってきた岸が中央に入ることにより、安定
感がぐっと増していた。LBでは1年生ながら随時試合に出場している#18中野
の動きがいい。特にQBサックで見せたパスラッシュのスピードは、慶応守備の新
たな武器になりつつある。まだまだ課題の多い守備だが、ぜひチーム内の競争も
含めて、さらに高いレベルを目指してほしい。
ここまで慶応はもちろん、法政、日大、早稲田の3強も順調に全勝で勝ち進んで
いる。特に現時点のチームの総合力としては、法政が頭一つ抜けていて、最も甲
子園ボウルに近いと見ている。慶応はその法政と第5節で対戦する。目の前の日
体大戦はもちろん、法政をどれだけ意識して準備ができているか。決戦の時は近
づいている。(共同通信社 松元竜太郎・ 平成17年度会員)
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