【秋リーグ戦】VS日本体育大学

2015年10月10日(土)  慶應義塾大学 対 日本体育大学

15:25 Kick Off  @アミノバイタルフィールド 

天候 曇り

        1Q   2Q    3Q    4Q    

慶應     3    13     7     14     37

日体     8      3      6       8       25 

得点経過

1Q   6:12 日体 #25 1yd Run

               TFP成功(2 point conv.)       <K0-8N>

      9:36 慶應 K#11(3年手塚) 22yd FG成功  <K3-8N>

2Q   2:00  慶應 #29(RB3年李) 1yd Run

               TFP成功(K#11 手塚)       <K10-8N>

    8:47 慶應  #5(QB2年小田) 8yd Run

               TFP失敗(K#11 手塚)       <K16-8N>

    11:00  日体 K#12 55yd FG成功     <K16-11N>

3Q  6:24  日体 #16→#82 4yd Pass

               TFP失敗(2 point conv.)       <K16-17N>

    10:56  慶應 #6(RB4年田中英) 2yd Run

               TFP成功(K#96 4年島崎)       <K23-17N>

4Q    2:26 慶應 #5(QB小田)→#80(WR3年今沢) 19yd Pass    <K30-17N>

     6:53 日体 #10 5yd Run

        TFP成功(2 point conv.)       <K30-25N>

     8:13  慶應 #6(RB田中英) 25yd Run

        TFP成功(K#96 島崎)         <K37-25N>

STARTING MEMBER

Offense

RT#78   小野島 洋輝(3年)

RG#51   清野 武尊(4年)

C#59    浅原 宏太郎(3年)

LG#57   清水 憲久(4年)

LT#71    高瀬 智正(4年)

QB#5   小田 裕太(2年)

TE#85    林 健太(4年)

WR#9   寺園 貴文(4年)

WR#17     姜 勝大(4年)

WR#81   八木 雄平(4年)

RB#29    李 卓(3年)

K#11    手塚 太陽(3年)

Defense

DL#93  岸 佑亮(2年)

DL#94  萩原 周平(2年)

DL#97  長塚 大(3年)

DL#99  佐藤 寛哲(3年)

LB#4   工藤 勇輝(2年)

LB#41    須永 竜平(3年)

LB#42  井本 健一朗(2年)

DB#5   志茂 雅史(4年)

DB#13  杉山 慶(3年)

DB#22  松崎 泰光(4年)

DB#25  藤井 弦一郎(3年)

P#28    新宮 裕也(4年)

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関東TOP8

日大(4-0)75-14 中央(0-4)

法政(4-0)42-14 明治(0-4)

慶應(4-0)37-25 日体(0-4)

早大(4-0)55-0 専修 (0-4)

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日体大戦ゲームレポート

                                       H17松元竜太郎

【戦評】

10月10日に慶応大のリーグ第4戦、日体大との一戦がアミノバイタルフィー

ルドで 行われ、慶大は37―25で勝ち、開幕から4連勝とした。慶大は日体

大に8点を先制されるが、#29RB李のTDランなどで逆転に成功し、前半を

16―11で折り返す。後半に入っても#5小田、#4江守を中心とした攻撃で

得点を重ねる慶大に対して、日体大は2ポイントを成功させるなど追いすがる展

開が続く。守備はランでドライブされるものの、副将の#22DB松崎が要所で

2つのインターセプトを決めて逃げ切った。

第4節を終了して全勝は日大、法大、慶大、早大の4チームのまま。第5節から

はいよいよ全勝チーム同士が激突する。

【試合経過】

慶応のキックオフで試合開始。日体大の最初のドライブで、守備はランとパスを

織り交ぜた攻撃でじわじわ前進を許し、TDランを決められる。2ポイントも成

功して0―8。続く慶応のオフェンスはノーハドルからのマルチオフェンスであっ

という間にレッドゾーンに侵入するが、攻めきれずに#11K手塚のFGによる

3点止まり。2Qに入ると、好調のオフェンスが李、小田の連続TDランで16

―8と突き放し、守備も松崎がエンドゾーンでインターセプトを決めるなど、追

加点を許さない。しかし、前半終了間際に日体大が関東学生記録の56ヤードに

あと1ヤードと迫る55ヤードのFGを決めて、16―11で前半を折り返す。

後半に入っても、ディフェンスがランで前進を許し続けて、逆転のTDを決めら

れる。オフェンスは#6RB田中のTDランで再逆転に成功し、さらに小田から

#80今沢へのTDパスで30―17と突き放す。しかし、守備が日体大のラン

を止められない。4Qに再び1ポゼッション差となるTDランを決められて、3

0―25となる。続く慶応オフェンスは順調にドライブして田中がTDランを決

めると、松崎がこの日二本目のインターセプトで日体大の反撃を断ち、最終スコ

ア37―25で勝利し、開幕から4連勝とした。

■ランを出された理由

今季の慶応ディフェンスは、84ヤードに抑えた初戦の明治戦を除いて、ランで

150ヤード以上を稼がれる試合が続いている。この日も日体大のラン攻撃で1

73ヤードを許した。#93岸は楽しみな選手だが、それ以外のDT陣の選手層

の薄さ、LBの1対1でのタックリングなど原因はいろいろある。しかし、この

試合について言えば、相手のオフェンスラインが素晴らしかった。日体大のOL

は、5人中4人が2年生でほぼ高校未経験の選手たちだ。昨春はパスプロが持た

ないという理由で、5歩のタイミングのパス自体が存在しなかった。そんなユニッ

トを元鹿島&日本代表の井澤OLコーチが鍛え上げて、1年そこそこでサイズは

ないが質の高いコンビネーションブロックをする集団に変えた。力勝負で比較す

れば慶応の守備フロントより明らかに劣っているのだが、絶妙なタイミングのブ

ロックで、効果的なラン攻撃を続けた。相手のプレーに素直に敬意を表したい。

そして、日体大のOLのプレーは慶応オフェンスにも大きなヒントを与えてくれ

たはずだ。次節から対戦する法政、日大、早稲田のフロントは、慶応のOLより

も文句なく大きい。自分たちよりもサイズのあるDLを相手に、どうすれば李と

田中のランを出せるのか。この2週間をフルに使って突き詰めて考えてほしい。

■絶好調の#4QB江守

4年生のQB江守のパフォーマンスが素晴らしい。シーズン開幕を前にエースの

座は2年生の#5小田に譲ったが、ここまで途中出場ながら20回投19回成功

の95%と驚異的なパス成功率を誇っている。江守を起用した理由について、

「日体大戦前の練習のパス成功率が75%を超えていた」と、スタントHCは江

守が練習中から素晴らしいパフォーマンスだったことを明かす。

彼がこのまま好調を維持し続けてくれれば、3強との対決に向けて大きな戦力と

なる。今季の慶応オフェンスが持っている攻撃のカードは、大きく分けて3つだっ

た。①李と田中のラン、②小田のラン、③小田のプレーアクションパス。専修戦

と日体大戦では通常のパスもぽんぽん決まっていたが、3強の守備相手には同じ

ようにいかない。何度でも言うが、ここからは李卓のラン中心の攻撃が機能しな

ければユニコーンズの活路は開けない。そして、ランを出すために重要なのがプ

レーアクションパスに加えて、サイドスクリーンとアウトパターンのパスだ。つ

まり、ランを止めるために中に集まってくるLB、SF陣を、いかに外に広げら

れるかがポイントになってくる。

前述したとおり、小田はスラントやシームなど中に走り込んでくるWRに投げ込

むパスは得意だが、アウトやコーナーなどサイドライン際に落とすパスの精度は

低い。昨年、高木翼君が志水君や#86柴田に何度も決めていたパスと言い替え

ればピンと来るかもしれない。江守はこのタイプのパスが高木君ほどではないに

しろ、ある程度投げられる。④江守のパスが加わることにより、相手守備に的を

絞らせない攻撃の幅ができるのだ。法政戦の見どころでさらに詳しく解説しよう

と思うが、これから彼の出番はもっと増えるのではないかと予測している。

いよいよ10月24日の次節では、慶応と同じく全勝の優勝候補・法政と対戦す

る。来週はここまであえてふれてこなかった不安の残るキッキングも含めて、徹

底的に大一番の見どころをご紹介したい。まずはシーズン開幕前の前評判が低かっ

た中で、全勝で強豪との決戦までこぎづけてくれた現役選手、スタッフのみなさ

んにいちOBとして感謝したい。

(共同通信社 松元竜太郎・ 平成17年度会員)

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