【清水利彦コラム】関西学生一部リーグの動向 2024.10.24

2024/10/17
昭和52年(1977年)卒 清水利彦
shimizu.toshihiko2@gmail.com

秋のフットボールシーズンもいよいよ大詰めとなりました。

ユニコーンズは現在、3勝2敗です。残る2試合(東大、中央)に勝利して、5勝2敗で終えることが出来るならば、慶應はTOP8リーグの「2位・3位・4位」のいずれかになります。3位までに入れば、全日本大学選手権に出場できます。

慶應が4勝3敗でも3位に残れるのは、「法政・早稲田が1位と2位。立教・慶應・東大が4勝3敗で並び、得失点差で慶應が上回る」というような極めて特殊なケースのみです。

ま、そんな皮算用をする前に、まず東大・中央を倒さねばなりませんね。

今年度から新たな形式で始まる全日本大学選手権では、11月23日(土曜・祝)に
 ★関東2位と関西3位が、味の素スタジアムで14時から準々決勝をおこなう
 ★関西2位と関東3位が、神戸ユニバー記念競技場で13時から準々決勝をおこなう
ことが決まっていますので、ユニコーンズが大学選手権に出場するならば、必ず関西のチームと対戦することになります。そこで今回は、「関西学生一部リーグの現在の動向」についてお伝えします。

※神戸ユニバー記念競技場というのは、関東の方々にはなじみがないと思いますが、球技&陸上競技兼用で、収容能力が4万5千人という立派なスタジアムです。神戸三宮駅から地下鉄西神線で西へ20分ほどの総合運動公園駅にあります。大阪駅からかなり遠いのがいささか難点ですかね。かつてはJリーグのヴィッセル神戸がホームスタジアムとして使用していましたが、今ではノエビアスタジアム神戸(収容3万人、球技専用。観客席は全て屋根付き)に移っています。

10月15日(第5節終了時点)で関西学生一部リーグ上位4校の状況は下記のようになっています。(5~8位は除外して掲載。<未>は未対戦)

 関学  立命  関大  近大 勝ち負け 残る対戦相手

関学

  -

未11/10

未10/26

44〇14

5勝0敗

関大、立命

立命館

未11/10

  -

13●24

59〇7

4勝1敗

京大、関学

関大

未10/26

24〇13

  -

31●35

4勝1敗

関学、京大

近大

14●44

7●59

35〇31

  -

3勝2敗

桃山、神戸

第2節で近大が関大を破った時は、「今年は例年の三強(関学・立命・関大)の図式が壊れるのか!」とたいそう驚きましたが、10月14日に関大が復活して立命に快勝したことで、再び混沌としてきました。上位4校のうち、3チームだけが選手権に出場できますので、1チームが外れくじを引くわけですが、どこになるのかまだ全くわかりません。

近大(近畿大学)の状況は、慶應とよく似ています。既に上位校との対戦を終えており、5勝2敗でリーグ戦を終えそうな気配です。上位3校が直接対決で星のつぶし合いをして、近大が3位となる可能性があります。

関西学生一部リーグの試合を観ていますと、上位4チームの実力レベルはかなり高いです。どのチームと対戦することになっても、慶應が非常に厳しい戦いを強いられることは覚悟せねばなりません。いずれにせよ、慶應が甲子園ボウル出場、あるいは日本一を目指すのであれば、関西上位校の戦力・戦法を今から十分に研究しておく必要がありますね。
頑張れ、ユニコーンズ!!!

なお、38年ぶりに関西学生一部リーグに昇格して話題になった阪大(大阪大学・国立)は、残念ながらここまで5連敗。残る神戸大戦、桃山学院大戦に生き残りを賭けます。京大・阪大・神戸大と国立大学3校が関西一部リーグに居るのはすごいことだと思っています。

私のような関西在住者にとって、オンライン放送「アメフトライブ by RTV」の存在が非常に有難いです。
アメフトライブ by rtv (amefootlive.jp)

ネットで登録申し込みをおこなえば、その日から「関東TOP8」「関西学生一部リーグ」「Xリーグ」の試合をオンラインで観戦できます。「見逃しアーカイブ」の機能があるので、試合当日に画面にかじり付く必要はなく、あとからゆっくり観戦できますし、ハーフタイム等は飛ばして観ますので時間の無駄がありません。プロのアナウンサーと解説者が付き、リプレイも見せてくれるので、地上波テレビ中継と遜色のない放送を楽しめます。
※一部の高校試合やフラッグの試合も放送を行う場合があります。

視聴料は1カ月1980円です。私は9月に視聴契約を申し込んでシーズン終了時点で解約しますので、負担はさほど大きくありません。ただし解約を忘れると自動更新になるので注意。11月に入ってから新規契約を申し込んだ場合でも、9月・10月の試合の「見逃しアーカイブ」が視聴可能です。

ユニコーンズの試合を観るだけでなく、関東・関西の実力レベルの違いなども全て観て感じることができますので、興味のある方は是非一度、一か月だけでも良いから登録してみることをお勧めします。

おまけ

全米カレッジで驚くべきことがいろいろ起こっています。(10月20日現在)

(1)アーミーとネイビーが揃って開幕から6連勝を飾りました!
アーミー23位、ネイビー25位と、両校ともAPランク入りしています。
アーミーの6連勝は1996年以来28年ぶり。ネイビーに至っては、開幕6連勝は1979年以来45年ぶりの快挙です。ネイビーは次の試合がノートルダム大戦ですので非常に厳しいですが、アーミーはまだまだ勝ち星を伸ばせそうです。毎年レギュラーシーズン最終節で両校は対戦しますが、今年は注目の激突となりそうです。

(2)BIG TENのインディアナ大学が開幕7連勝で、AP16位にランク入りしました!
インディアナ大学は「BIG TENのお荷物」とも言われており、過去30年間に勝ち越しが3回しかありません。7連勝は1967年(8連勝、ローズボウル出場)以来なんと57年ぶりのことです。まだミシガン大、オハイオ州立大との対戦を残しているので勝ち続けるのは容易ではありませんが、既に今期の話題をさらっています。

(3)昨年度13勝1敗と大躍進して、APランク6位だったフロリダ州立大が、今期は1勝6敗と絶不調。コーチ(マイク・ノーベル)が代わったわけでもないのに、こんなことが起こりうるんですね。

(4)10/12アラバマ大が負けて、テキサス大がAPランク1位となりましたが、喜んでいる間もなく10/19に5位のジョージア大がテキサス大を15-30で下しました。代わりにランク1位となったのはオレゴン大です。今年からPac12からBIG TENに移籍し、加盟初年度となります。これまでオレゴン大がAPランク1位となったのは、2012年11月以来12年ぶりです。この時は1位になった途端、スタンフォード大に14-17で敗れ、一週間で1位を明け渡していますが、今回はどうなるでしょうか。まだオレゴン大は全米王座の経験がありません。

 


「清水利彦のアメフト名言・迷言集」
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