【結果】全日本大学選手権 準々決勝 vs関西学院大学

関学に破れ 2024年シーズン終了

試合結果

2024年11月23日(土) 慶應義塾大学 対 関西学院大学
13:00 Kick Off @神戸ユニバー記念競技場
天候 晴時々曇り

1Q 2Q 3Q 4Q
慶應義塾 0 0 0 7 7
関西学院 7 6 7 0 20

▼試合詳細は下記リンクをご覧ください▼
全日本大学選手権準々決勝-試合結果詳細

ゲームレポート

山田健太(H7年卒)

関学と甲子園への出場を賭けた公式戦。
夢のような1戦でしたが、残念ながら、夢で終わってしまいました。

この試合、どうお伝えするのが正しいか難しいなと悩んではいますが、「想像以上に頑張った」「ありがとう!」が、私の率直な印象でして、そんなスタンスで書いていきます。

Unicornsは、この1年の集大成に近い仕上がりで試合に望め、チャレンジャーとしてしっかり戦い抜けました。対する関学は、むろんベストメンバーで望んでいるものの、ノリが悪い印象はあり、実力を全て出しきれていないようでした。この辺りは、Unicornsの良かったところで、準備を含め上回っていました。

ただ、ベストに近いパフォーマンスを出し、良い試合を演じてくれたことは事実ですが、それを持ってしても完敗であったことも、これまた厳然たる事実。

試合を振り返りましょう。

試合は関学のオフェンスでスタート。
テンポ良く攻められ、あっという間に先制TDを奪われます。あっさり奪われたTDで、大差での大敗も覚悟した瞬間でしたが、この後はディフェンスが大大奮起。今シーズン最高のディフェンスで試合を引き締めてくれます。

今シーズン、ここまでOLでの起用が多かった主将#75DL石塚(4年・慶應義塾高)が前半はDLでフル出場。(OLとしては前後半フル出場)
これに加え、成長著しいスピード派の#50DL田中(2年・慶應義塾高)と#57DL天野(2年・鎌倉学園)の2年生コンビが実に良い仕上がりで、関学オフェンスをしっかりとコントロール。押し返す場面、割り込む場面も多々ありと、課題であったDL陣が大いに頑張りました。

課題であったDL陣で大活躍だった成長著しい#57DL天野(2年・鎌倉学園)

2線目は、ハードタックルがウリで、守護神に育った#4LB倉田(3年・南山)に加え、この試合に抜擢された#52LB横川(4年・慶應義塾高)が大暴れ。
やはり、DLがしっかりと機能すれば2線目の動きが違います。倉田の再三に渡るソロタックル、粘り強いタックルは目を見晴るものがありましたし、横川は、ラストイヤーの最終戦で見事な活躍となり、本人も嬉しかったのではないでしょうか。

安定したDB陣と大成長のフロントが噛み合い、関学オフェンスをかなり苦しめ、なかなか天晴なディフェンスだったと思います。

ラストイヤーの最終戦で見事な活躍を見せた#52LB横川(4年・慶應義塾高)

対するオフェンス。
こちらは、関学と戦える武器であるパッシングに完全に振り切った戦い。純然たるランプレーのコールは、4、5回くらいでしょうか。「勝てるチャンスはパス」と腹のくくったプレーコールでしたし、私もそれで良かったと思います。関学がLB陣のブリッツをあまり使ってこなかったという面はあるものの、オフェンスラインが素晴らしかった。今シーズン、もっともQBに時間を与えることに成功。
関学相手に立派なことです。1年生ながら、この大一番にスターターとなった#72OL海老谷(1年・慶應義塾高)をはじめ、スターターを見れば、主将石塚を除けば全て下級生。課題のオフェンスラインも成長を感じますし、未来も明るいなと。#10RB山内(3年・慶應義塾高)も、キャリアーとしての機会は少なかったものの、献身的なブロックに徹し、パスプロテクションを支え続けてくれていました。
6人目のブロッカーとして見事な働きで影の功労者です。

関学のディフェンス陣がほぼ100%パスだと認識している中で、しっかりとプロテクションを遂行し、そして、幾度となくパスを成功させ続けたオフェンスも、今シーズン最高のパフォーマンスと言えるでしょう。

#1WR久保(3年・慶應義塾高)は、幾度となく際どいパスを捕球しフレッシュを重ねましたし、最後に意地を見せてくれた#80WR藤崎(4年・慶應義塾高)のTDパスキャッチは、#16エースQB松本(4年・慶應義塾高)との今シーズンの最後を飾るホットラインの集大成プレーとなり、実に見事で、そして気迫溢れたものでした。

第4QにTDパスをキャッチした#80WR藤崎志恩(4年・慶應義塾高)

このように、しっかりと成長を見せてくれたUnicornsですが、ベストパフォーマンスに限りなく近いであろう試合をしつつも、「良い試合」で終わったことは事実。
接戦でもないですし、勝てそうではなかったです。学生スポーツですので、日々、そして試合ごとにしっかりと成長していく姿を最後に見れたことは素晴らしかったですが、やはり地力差は感じました。

総合力で負けた。
決定力が違った。
そういうことでしょう。

試合前、Unicorsが関学に勝てるイメージをしてみたのですが、オフェンスがロングドライブで点を取り続けるイメージは難しく、やはり、自慢のレシーバー陣の1発が3発くらい出る。ディフェンスは3本くらいに粘りながら、2つのターンオーバーかなと。

オフェンスはドライブこそさせてくれましたが、自慢のレシーバー陣に1発のチャンスを与えてくれませんでした。ここは、さすがの関学です。ディフェンスは奮起し3TDに踏ん張れたものの、ターンオーバーは1回。
オフェンスが2つのターンオーバーを喫していますので、ターンオーバーレシオではマイナス1。たらればですが、1発TDが出て、ターンオーバーがプラスであれば勝機もあったのかもしれません。

個々人で互角に渡り合えた選手は多かったと思います。チームとしても著しく劣っているなんてことはありませんでした。

立派に戦ったUnicornsに、部員たちにエールを送りたい。
そんな気持ちです。

関西、そして関学を戦った多くの下級生たちは、先輩や関東のライバルだけでなく、関西や関学という新しいベンチマークを手に入れることが出来ました。
石塚率いる2024年チームの大きな功績です。この功績を、しっかりと下級生が受け止め、次はこの山を超えていけば良いだけです。

1年間チームを力強く牽引してきた主将#75DL石塚(4年・慶應義塾高)

遠くだった大きな山、霞んでいた大きな山でしたが、その麓までたどり着き、そのデカさを後輩に伝えることが出来た2024Unicorns。その夢を後輩に託しての引退です。

お疲れ様!!
ナイスシーズンでした!!