2年広報担当 重永航平
2025UNICORNS選手分析シリーズでは、今シーズンの戦力についてポジション別に紹介する。
第三弾はWR。機敏な動きで相手を振り切りボールをキャッチ、相手を置き去りにしてタッチダウン──。誰もが一度はあこがれたことのある大人気ポジションだが、たった一回のキャッチの成否で勝敗を決してしまうこともあるWRは常に大きなプレッシャーにさらされている。昨シーズンではパスオフェンスで席巻した慶應だったが、そのエースレシーバーのほとんどが引退してしまった。慶應の現役WRたちはその強さを保つ、いや越えなければならないという二重のプレッシャーを受けているといえるだろう。
今回は次世代の慶應のパスオフェンスを率いる新星たちについて、そのうちの一人である2年QB・滝沢徹にインタビューを行った。
重永:今回は本当にインタビュー受けてもらってありがとうございます。早速本題なのですが、慶應のWRについて話を伺いたいです。
滝沢:やはり、去年の主力が抜けてしまったというのが前提にあるとは思います。オフェンスリーダーの山岡葵竜さん(4年・佼成学園)はその辺も踏まえていろいろ考えてくれています。
重永:えっと、弱くなったということですかね?WRに絞って言えば。
滝沢:それが、そういうわけではないと思うんですよ。やっぱり慶應のWRってすごい層が厚くて。人数で言えば一番多いかな?去年の4年WRは圧巻でしたけど、まだまだ慶應には良いWRがいっぱいそろってると思いますね。
重永:今回のインタビューでは主にWRの注目選手の紹介をしたいんですけど、誰かいますか?
滝沢:やっぱり久保宙(4年・慶應義塾)は外せないですね。
重永:そうですねぇ。去年から先発WRとして大活躍でしたね。あとリターナーとしてもゲインをいっぱいしています。QB目線での特徴ってなんかあります?
滝沢:投げたら絶対に取ってくれる。この辺の信頼感はやっぱり段違いですね。試合経験も豊富だし。
重永:はい。自分から見ててもそう思いますね。あと、副将として日頃からしっかりチームを引っ張っていて、そういう意味でも本当に頼もしい先輩ですよね。
滝沢:本当にそうです。ハドルでも存在感があります。
重永:出場経験の豊富なWRといえば田村遼(4年・慶應義塾)もいますね。
滝沢:タムさんね。タムさんは本当にセンスの塊で。特にすごいのが腕力。
重永:あー。確かに本当に太いですよね。かっこいい体してる。
滝沢:そう、そのおかげもあって本当にブロックが強い。それがタムさんの一番の特徴かなぁ。
重永:確かに。ブロック力は本当にすごい。昨シーズンの関学戦でもパントリターンの時相手を完全に封じ込めているのをみて自分も感動しーー
滝沢:あ、あとタムさんの一番の特徴忘れてた。試合前のファッションチェック。これだけは絶対に欠かさない。安定感がある。
重永:あ、ファッションチェック(笑)確かにいつもの練習でもすごい気を使ってるイメージがあります。でもかっこいい姿でプレーするのは本当に大事ですからね。
重永:ほかの4年WRといえば飯塚奏太(4年・慶應義塾)、中野里勇己(4年・慶應義塾)さんがいますけど、どうですか?
滝沢:飯塚さんは、小柄なんだけど、ものすごいクイックネスがある。あれは才能だと思う。
重永:あれ、飯塚さんってそんな小柄だったっけ?
滝沢:まぁそうでもないか。じゃあ余計すごい。
滝沢:中野里さんはオフシーズンに大成長してて、特に長い手足とジャンプ力。すごい最高到達点が高い。

重永:オフシーズン確かにラントレとかものすごいスピードでしたね。これは今年大ブレークの可能性ありますね。
滝沢:あると思います。そういうトレーニング系で引っ張ってくれる先輩は素晴らしいです。
重永:自分もすごい士気を上げてもらいました。下級生で注目選手はいますか?
滝沢:青木健将(2年・慶應義塾)。あいつは高校の時から凄いうまい。やっぱりキャッチ力がある。

重永:手に吸い付くようなキャッチですよね。結構がっちりした体(181㎝/82kg)だけど、凄いしなやかな動きで。
滝沢:まさにそう。あとメンタルもすごい強い。あいつは幼稚舎フラッグからやってるし、なにより中学生の時メキシコに住んでて。メンタリティがメキシコ仕込み。
滝沢:あとは小林海斗(2年・慶應義塾)も注目に値すると思います。海斗は塾高バレー部からアメフトに転向してきて。動きにキレがある。身体能力が無茶苦茶高い。
重永:海斗は確かにすごい。バク宙とかも普通にしてるし。
滝沢:あとは海斗もメンタルが強い。未経験なのに謎の自信を持ってるというか。あれはシンガポール仕込み※なのかなー(笑)。でも自信はWRの必須スキルだから、それをもう持ってるっていうのはデカい。(※小林海斗はシンガポール出身)
重永:確かに海斗は怖いものが全くない感じがする。他に注目選手はいますか?
滝沢:んー。じゃ最後に一人。これは期待も込めてなんですけど、カブレラ。
重永:カブレラ、長谷川大喜のことですか?
滝沢:そうです。カブちゃんはアメリカの高校から来たから秋入学の秋入部でまだ日が浅いんですけど、実はフラッグ経験者で。カブレラっていうのはアメリカかぶれっていうところからこのあだなをつけらてるんですけど、ちゃんと良いアメリカらしさを持ってるというか。
重永:やっぱり、これも自信ですか?
滝沢:確かに自信かもしれないです。他にも切り替えの早さとかかな。
重永:やっぱりこうして聞いてみるとまだまだ慶應WRユニットは精鋭ぞろいですね。
滝沢:間違いないです。今日はインタビューありがとうございました。最後に言わせてほしいんですけど、ちょっと上から目線になっちゃったかなって反省してます。何様やねんみたいな。僕もまだまだこれからの人間なんですけど、今回は一応QBとしてWRのコメントをさせてもらいました。
重永:それが目的なので大丈夫ですよ!みんなも分かってくれるはずです。それではこれからも頑張ってください。貴重なお時間ありがとうございました。
滝沢:いえいえこちらこそ。またお願いします。
滝沢は肩のアイシングを外し、再び練習後の自主練に向かっていった。グラウンドにはキャッチ練習をするためズラリと並ぶ大勢のWRたちの姿が。高い向上心を持って日々切磋琢磨しあっている慶應のWRユニットなら“二重のプレッシャー”を跳ね除けてこれからもより一層強いオフェンスを構築できるだろう。