【結果】2025リーグ戦TOP8第6節 vs法政大学

攻守に力負けで法政に完敗

試合結果

10月26日(日) 慶應義塾大学 対 法政大学
14:00 Kick Off @アミノバイタルフィールド
天候:雨

1Q 2Q 3Q 4Q
慶應義塾 0 0 0 0 0
法政 7 7 0 7 21

→法政戦公式記録(連盟HPより)

ゲームレポート

広報部会 松元竜太郎(H17年卒)

総獲得ヤードは法政の436に対して、慶應は93。タイムオブポゼッションも30分対18分と、昨季関東王者の法政に対して、見せ場をつくることができず敗戦となった。だが、アメフトには攻守以外にもう一つの要素、「蹴」がある。オフェンスがドライブできない中、皮肉なことに#32DB/P加藤(2年・本郷)のパントが際立つ試合展開となった。

前半、オフェンスはファーストダウンを2回しか更新することができず、5回の攻撃シリーズがすべてパントとなった。オフェンスが進めなければ陣取り合戦では押し込まれてしまうものだが、加藤のパントがそれを許さない。流れるようなフォームで左足から放たれたボールは、高弾道のきれいな弧を描き、リターナーが捕球することができないサイドライン際に次々と落とされていく。

#32DB/P加藤(2年・本郷)

最終的に加藤は6回のパントを蹴って、アベレージが46ヤード、最長は71ヤード。しかも相手に1ヤードのリターンも許さなかった。パントカバーチームだけを見ればパーフェクトゲームである。パントのアベレージ、最長距離ともに関東でトップを記録している加藤はまだ2年生。高校まではラグビーをしていたそうなので、まだまだフットボールの伸びしろはあるだろう。さらに成長を続けて、歴史に名を残すようなパンターとなってほしい。

攻守についても振り返ってみたい。
オフェンスはランが18回で27ヤード。ランナーの走路が開かれる場面はなく、ほぼノーチャンスだった。パスの方も、#8QB山岡(4年・佼成学園)が終始、法政守備フロントの圧力を受けながらプレーするかたちになった。被サックは4回、パスディフェンスは5回。特に法政のスピード溢れるLB陣のブリッツや、オープンプレーへの素早い反応でプレーを破壊されてしまった印象が強い。

#8QB山岡(4年・佼成学園)

パスは14回の試投で5回の成功という結果になったが、この数字以上に山岡は奮闘していた。スクランブル発進の判断も良かったし、迫りくるプレッシャーに臆することなくぎりぎりまでターゲットを探して投げていた。残念だったのは、サードダウンなどの勝負どころで、レシーバーが捕ってあげていればというパスが3本ほどあったことだ。レシーバーのミスとまでは言えないが、高いレベルになればなるほど、このあたりの球際の強さが勝敗を分けることになる。

#22SB猪ノ原(4年・慶應義塾)

唯一の得点のチャンスとなったのが、後半最初の攻撃シリーズ。ファーストプレーでQB山岡が#3WR田村(4年・慶応義塾)へのロングパスを通すと、11プレー、5分以上の時間をかけて敵陣のレッドゾーンまで侵入した。特にフォースダウンでギャンブルを成功させたスクリーンは、法政守備がプレッシャーをかけてくることを予想してのプレーコールが素晴らしかった。また、続くプレーで山岡からバックワードパスを受けた#19WR佐藤(2年・慶応義塾)がダブルパスを試みようとしたが、相手守備の寄りが早く、投げることができない。ここで佐藤はとっさにQB山岡にピッチ。山岡のパスは失敗に終わったが、佐藤の臨機応変な対応はなかなかできることではないし、プレーが崩れた中での最良の判断だったと思う。だが、最終的にこのシリーズはインターセプトを喫して得点することはできず、試合を通して無得点となった。

最後にディフェンス。
前節の早稲田戦で第3クオーターまで素晴らしいパフォーマンスを見せたディフェンスは、この試合も全体を通して粘っていた。だが、QBサック0回という数字に表れている通り、守備フロントがプレッシャーをかけきれなかったことで、試合をコントロールされてしまった印象だ。法政はとにかくフィールドを広く使っていた。ジェットモーションも駆使して選手を動かしながら、タレント豊かなバックフィールドにボールを供給し続け、守備の的をしぼらせなかった。法政のレシーバー陣は、球際も強かった。

この結果、第6節を終えて慶應は1勝5敗となった。次節は11月9日(日)に横浜スタジアムで立教との対戦となる。リーグ戦は最後の試合となるが、選手たちには意地を見せてほしい。

#17DB山下(2年・慶應義塾)

#13LB赤木(4年・鎌倉学園)・#6LB横手(4年・慶應義塾)・#78OL/DL作田(4年・慶應義塾)