【結果】2023春季関東大会決勝 vs佼成学園高校

塾高ユニコーンズ 関東大会決勝
佼成学園に7-50で完敗、7年ぶりの勝利ならず、秋季大会での捲土重来に期待!

青木 路彦(H7年卒)

梅雨の合間の猛暑日となった6/18(日)、駒沢第二競技場で春の関東大会決勝が行われました。塾高ユニコーンズは7年ぶりの勝利をかけて佼成学園と対戦しましたが、同校の底力を見せつけられ、7-50の点差で完敗しました。

佼成学園は、2枚看板の好RB、宮本君(#6)と稲葉君(#14)を擁し、またQBも昨年レベルではないとの下馬評はあるもののラン、パス共に安定したパフォーマンスを見せる3年石川君(#16)と2年仲田君(#17)の2枚体制、またディフェンスラインは、昨秋の関東決勝、全国決勝で下級生ながらMVPを取得した副将3年DL下関君(#90)と2年DL高野君(#97)を中心とした強力な布陣で、穴が見いだせない関東のトップチームです。

やはりこれまでの対戦相手に比べると一枚も二枚も上手でライン戦から苦戦を強いられました。それでも2Q初めまでは7-7の同点で凌ぎ、勝機も見える互角の雰囲気ではあったのですが、その後は基礎体力に勝る同校が猛暑の中で底力を発揮、ペースを奪われていきます。慶應オフェンスは、ランプレーを出しつつ、佼成ディフェンスでは比較的経験浅い、LB、DBの切れ間にパスを通していくゲームプランではなかったかと思います。

しかし活躍が期待されたオフェンスリーダーWR青木君(#15)は体調不良で2Q途中から戦線離脱、また県大会決勝で負傷し、この試合から復帰したディフェンスリーダーLB山下敬君(#5)も1シリーズ目で再び故障、さらにこれまではほとんどなかったファンブルやインターセプトなど合計8回のターンオーバーがありました。また試合を通じて慶應側には故障者が続出し、ペースをつかめず点差を広げられていき、基礎体力やコンディショング面でも色々な反省点があったのでないかと感じる試合でした。

とはいえ、春大会では6年ぶりの決勝進出、また昨秋に続く関東大会準優勝という戦績は素晴らしい結果ですし、2年生を含めて春シーズンでチームは大きく成長、選手層も非常に厚くなったことは間違いありません。

選手たちにはこの結果に誇りを持ち、一方で改善点、修正点はチーム内でよく話し合い、秋大会では更なる高みを目指し、念願の関東優勝、クリスマスボウル出場にむけて、努力を重ねていってほしいと思います。選手、スタッフのみなさん、春シーズン、本当にお疲れ様でした!!

そして夏休み期間に充実した練習、準備を行って、秋シーズンでの捲土重来を心から願っています。

以下にスコア、スターティングメンバーとゲームレポートをご報告します。

試合結果

2023年6月18日(日) 慶應義塾高校 対 佼成学園高校
13:00 Kick Off @駒沢第二球技場

1Q 2Q 3Q 4Q
慶應 7 0 0 0 7
佼成 7 17 7 19 50

〈スターティングメンバー〉

Offense

  • OL#58 田口君 2年
  • OL#63 林君 3年
  • OL#66 海老谷君 3年
  • OL#71 渡利君 3年
  • OL#75 乙部君 3年
  • TE#9 大比良君 3年
  • RB#2 村木君 3年
  • WR#1 永松君 3年
  • WR#15 青木君 3年
  • WR#31 富安君 2年
  • QB#11 滝澤君 3年
  • P#71 渡利君 3年

Defense

  • DL#60 高柳君 3年
  • DL#70 山田君 3年
  • DL#72 曽我君 3年
  • LB#5 山下(敬)君 2年
  • LB#6 高崎君 2年
  • LB#33 安田君 2年
  • LB#35 柳原君 3年
  • DB#13 西田君 2年
  • DB#17 山下(遥) 3年
  • DB#22 吉村君 3年
  • DB#25 新井田君 3年
  • K#7 川崎君 3年

ゲームレポート

試合前のコイントスで選択権を得た佼成学園は、前半攻撃を選び、慶應K川崎君(#7)のキックオフで試合開始。佼成リターナーには宮本君と稲葉君の2枚RBを置いており、初回の宮本君リターンは35ヤード付近で止めましたが、カバーチームにオフサイドの反則あり、佼成陣40ヤード付近からの攻撃。宮本君、稲葉君と2連続ランプレーを3、4ヤードで押さえ、サードダウンの攻撃はTEへのミドルパスが選択されましたが、これは失敗、最初のシリーズをパントに追い込みます。

続く慶應のファーストシリーズは、相手の好パントもあり自陣10ヤード付近からのスタート、QB滝澤君(#11)一投目のパスは失敗しましたが、セカンドダウンでTE大比良君(#9)へのスイングパス、サードダウンはRB村木君(#2)のランでフレッシュ獲得、このまま勢いに乗っていきたいところでしたが、奮起した佼成DLがQB滝澤君に激しいラッシュをかけて大きく後退、セカンドダウンのドローも難なくDLに止められ、サードダウンのパスも失敗、こちらもパントに追い込まれます。

そして自陣10ヤード付近の厳しいポジションからのパントは、飛距離が伸びず、2シリーズ目の佼成オフェンスはゴール前29ヤード付近からとなりました。QB石川君のロールアウトからTEへのショートパスが成功、セカンドダウンは宮本君のランでフレッシュ更新し、3プレー目の稲葉君のランで先制TD、キックも決まって0-7とリードされました。

ベスト11のセレモニーに臨む塾高ユニコーンズ

そして慶應のキックオフリターン、リターナー村木君は気持ちが逸ったか、サイドラインを割るキックをキャッチしてボールデッド自陣10ヤード付近からの2シリーズ目の開始に。しかし2年RB後藤君(#23)は、QB佐藤君(#12)から受けたオプションピッチをうまく運んで40ヤード超のロングゲイン、一気に敵陣まで攻め入ります。

敵陣45ヤード付近からのファーストダウンはパスでゲインを狙うも、ここは佼成DLのラッシュでQBサック、RB村木君のランもDL陣に止められてサードダウンは、ランフェイクから3年WR永松君(#1)へのミドルパスが決まってフレッシュ獲得、敵陣20ヤードからの2年RB後藤君の3連続でランプレーで、最後はゴールラインまで運んでTD、キックも決まって7-7とすぐに同点に追いつきました。

唯一のTDランを記録したRB後藤君とWR富安君、期待の2年コンビ

次の佼成オフェンスは佼成陣30ヤード付近からのスタート、いきなり宮本君のロングランで慶應陣18ヤード付近まで攻め込みます。ここで2Qに入りますが、佼成にフォルスタートの反則あり5ヤードの罰退となり、ファーストダウン15からの稲葉君のランプレーをこの日スターターに抜擢された2年LB安田君(#33)がナイスロスタックル!!セカンドダウンのQBキープも5ヤードに抑え、サードダウンのRB宮本君のランは3年DL曽我君のナイスタックルほとんどゲインさせず、このシリーズはFG3点で凌いで7-10となりました。

続く慶應、なんとかここでTDを奪い、逆転に持ち込みたい大事な攻撃シリーズは、自陣28ヤード付近からのスタート。いきなりQB滝澤君(#11)のスクランブルでフレッシュ獲得、その後2年RB深澤君(#27)の2連続ランで前進し、サードダウンでまたも3年WR永松君(#1)がミドルパスをキャッチ、敵陣まで攻め込みますが、佼成DBの強烈タックルに遭って痛恨のファンブル、攻守交替となります。これで勢いにのった佼成はTE、RB、WRへの長短パスを成功させ、徐々に敵陣深くに攻め込み、最後は宮本君の18ヤードランでTD、キックも決まって7-17と引き離されました。

決勝戦でスタメンに抜擢されたLB安田君と売り出し中のDL加藤君の2年コンビ

この時点で前半残り時時間は1分40秒、慶應は一本返して後半に臨みたいところでしたが、1プレー目でQB佐藤君が投じたロングパスは佼成DBがインター、再び攻守交替となります。そして自陣45ヤード付近からの佼成2プレー目、エースRB宮本君を左オープンにモーションからパスターゲットとしてリリースさせ、思わず上がってしまった慶應DB陣の裏にTDパスを通し、残り1分30秒を切ったところで非常に痛い追加点許してしまい、キックも決まって7-24で前半終了、折り返しとなりました。

後半は慶應リターンで再開。後半1シリーズ目から追い上げていきたいところですが、リターンチームではキックボールをファンブルし、なんとかリカバーはしたものの、自陣9ヤードという厳しいポジショニングからのスタートに。ここからランパスプレーを織り交ぜ、2年WR富安君のスーパーキャッチもあり敵陣まで前進、ゴールラインを目指しますが、次のプレーでパスをキャッチしたWRが再びファンブル、反撃が失速する痛い攻守交替となりました。

その後の佼成攻撃はQB2年仲田君、RB宮本君、稲葉君のランでじわじわを前進、最後はFBに入った2年迫田君(#0)の15ヤードランでTD、キックも決まって7-31となります。このころになると慶應側の疲弊感が明らかにみられ、オフェンス、ディフェンスともに足がつるなどの故障者が続出、そんな中で3年DB山下遥君(#17)がひとり気を吐いた目の覚めるインターセプト!! すでに4Qに入っていましたが、これから粘りを見せたい慶應オフェンスはQB滝澤君から2年WR富安君(#31)、若杉君(#14)、3年WR川崎君(#7)への連続パスでゴール前20ヤードまで進み、最後は後藤君のランでTD!! かと思われましたが、慶應にホールディングの反則、結局得点を奪えず攻守交代。

その後の佼成オフェンスは2プレー目で宮本君が約80ヤードを走るロングゲインでまたもTDかと思いきや、今度は佼成に反則あり。次の攻撃はゴール前30ヤード付近からのファーストダウンとなり、佼成のパスでTD、キックも決まって7-38と突き放されます。その後の慶應オフェンスは3シリーズ連続でインター、インターTDも決められ、ファイナルスコアは7-50で試合終了となりました。

表彰式に臨むキャプテン佐藤君、バイス海老谷君

慶應の弱点、悪いところがすべて出てしまったような決勝戦の試合運び、結果となりましたが、2年生を含めた多くの選手が成長、活躍し、経験値をあげることのできた春シーズンだったと思います。

OB各位におかれてもご声援、ありがとうございました。秋シーズンでは一回りも二回りも成長した塾高ユニコーンズをクリスマスボウルでの勝利まで応援し続けたいと思います。

どうぞみなさまの引き続きの熱い声援を宜しくお願い致します。頑張れ、塾高ユニコーンズ!!

敢闘賞を受賞したRB村木君

試合終了後の大勢の観客に挨拶する模様