【結果】2023リーグ戦TOP8第6節 vs東京大学

大きな成長をみせ東大に圧勝!!
来季TOP8確保し、シーズン終了

試合結果

2023年11月12日(日) 慶應義塾大学 対 東京大学

11:00 Kick Off @横浜スタジアム

天候 雨のち曇り

1Q 2Q 3Q 4Q
慶應 17 7 7 14 45
東京 0 7 7 6 20

▼試合詳細は下記リンクをご覧ください▼
http://www.keio-unicorns.com/magazine_photo/2023/20231117-1.pdf

ゲームレポート

広報部会 山田健太(H7卒)
Unicornsのリーグ最終戦は、TOP8残留を賭けた東大との1戦。
配信解説者の説明によると2011年が最後の対戦で、その際は敗戦を喫しているとのこと。東大はフレックスボーンからオプション特化のオフェンスで、プレーチョイスの90%がランプレー。
対するUnicornsは、ワイドスプレッドからパス90%のオフェンス。
両チームとも、オフェンスの得点力不足(両チームとも2試合の完封負けを記録)が目立ち、そして非常に対象的なプレーコールをしていることが特徴。

試合経過

Unicornsのリターンで試合スタート。
ショートパスでリズムよくゲインを重ね敵陣20yまであっさりと進めるが、ここで手詰まりとなりFGチャレンジ。37yくらいと、入れ頃外し頃の距離。
玉川(29番・3年)がど真ん中に蹴り込み3点先制。結果として、このFG成功が勝利を呼べた気がする。
正直、FGの成功率が高い訳ではなく、そもそもとしてFGチャレンジの機会も少なく、入れて欲しい距離とはいえ、観ていて不安はあったし、想像でしかないが、チームとてそうであったのではないか。ここを冷静に玉川が決めてくれ、待望の先制点。

プレッシャーの中、先制FGを成功させるDB/K#29玉川雄基(3年・都立駒場)<写真提供:岡見清隆>

両校、得点力不足に悩んでいる中、ファーストシリーズを得点で終わることで、精神的な優位というか、「やれる!」という前向きな姿勢、そして良い意味でのリラックスが生まれたような気がするし、それが続くシリーズにも現れたのではないか。
ディフェンスはしっかりと止め、2シリーズ目のオフェンスに。
QB水嶋(0番・3年)がファーストシリーズに続き、リズムよくオフェンスを率いる。
WR久保(10番・3年)に美しいロングパスをヒットさせ、残り1yを自らのQBキープで持ち込みTD。(10‐0)

正確無比なパスにより、序盤から東大ディフェンスを翻弄するQB/H#0水嶋魁(3年・海陽学園)<写真提供:平山紗奈>

続くディフェンスもしっかり抑え、パントを蹴らせたところでビッグプレー。
リターナにも入る久保から、丹羽(28番・3年)へリバース。
チーム1のアスリートと言われ、CB、WRのリャンメンをこなしているが、リターナーでも魅せる。一気にサイドラインを駆け抜けTD!(17-0)

相手ブロッカーを寄せ付けない圧倒的なスピードでリターンTDを奪うDB/WR/P#7丹羽航大(3年・慶應義塾)<写真提供:岡見清隆>

2Qに入り、水嶋から、今度はWRに入る丹羽への46yTDパスを決め、24-0と大差をつける展開に。

強靭なディフェンスを誇り、オフェンスもリズムを取り戻したUnicorns。
もう楽勝と誰もが思った展開だが、ここから我慢の時間帯が続く。

東大の多彩なブロッキングからのオプションにじりじりと押し込まれ、2Qに1本TDを返され24-7で前半終了。

3Qは東大のオフェンスでスタート。
油断した訳ではないだろうが、ダイブ、QBキープが多かった中でピッチを受けたRBが74yの独走TDを決め、あっという間に2ポゼッションに詰め寄られる。(24-14)

オフェンスも今までよりはドライブ出来ているが追加点に及ばず、続くディフェンスもずるずると押し込まれる。

10点差あるとは言え、まだ3Qの中盤。
嫌なムードが漂いまくる中、チームを変えたのは主将のDL鎌田(52番・4年)
現在、サック、ロスタックルでリーグトップを誇る鎌田が、QBをロスタックルしファンブルを誘いターンオーバー。
強烈なQBサックからファンブルを誘い、これもターンオーバーさせと、最終戦に相応しい「仕上がった最強DL」、そして「主将」としての結果を出した。

完全無欠!最強のパワーで全てを薙ぎ倒す我らが主将DL#52鎌田泰成(4年・慶應義塾)<写真提供:岡見清隆>

主将鎌田による2ターンオーバーで東大の息の根は止まり、ファイナルスコア45-20。

日大戦が無くなったことから、今シーズンの全日程が終了。
リーグ5位と来シーズンのTOP8残留が確定した。

試合のみどころ

まず、オフェンスが見違えるような輝きを魅せてくれたこと。
やはり経験は大事だなと感じるが、水嶋の安定感が違った。
成長もあるだろうが、やはり練習で出来ることが試合で出来るようになったという側面の方が強く感じる。そしてこの試合、オフェンスラインが頑張っていた。
落ち着いた水嶋のプレーは、オフェンスラインが普段より時間をしっかり稼げたことが大きいと思う。
この試合で引退となる副将でOL告野(72番・4年)、OLで握力90kgという噂の工藤(66番・4年)を称えたい。水嶋がリズム良く投げることで、アスリート揃いのレシーバー陣も輝きを取り戻した。
試合経過で触れなかったが、WR水野(7番・3年)が2TDパスキャッチ、丹羽、久保、黒澤(9番・3年)と活躍すべき選手たちが、みな良い動きをしていた。
最後に登場したQB山岡(18番・2年)も紹介しておきたい。

勝負ありの段階での起用であったが、実に良い動きで将来を期待させてくれた。
パス、崩れた形からのパス、そして自らのランと、全てにおいて良いパフォーマンスで、自らのTDも記録。

大学試合初出場ながら、自らの足でTDを奪ったQB#18山岡葵竜(2年・佼成学園)<写真提供:岡見清隆>

今シーズンを戦い抜いた水嶋、怪我で棒に振ってしまったがスタメンQBを張っていた松本(16番・3年)に続き、もう1枚、戦えるQBが育ちつつあり嬉しい限り。

ディフェンスは、鎌田の活躍が凄かったが、LB松尾(8番・4年)も相変わらず凄かった。

今年の強固なディフェンスをリーダーとして牽引し続けた男LB#8松尾修輔(4年・都立富士)<写真提供:岡見清隆>

インサイドのプレーが多かったということもあるが、本当に、ほぼ全てのプレーに絡みディフェンスを支えていた。

キッキングは、リターナーが充実しており、リターンTDを決めた丹羽、ここまで幾度となくビッグリターンを決めている久保だけではなく、DBで活躍している横手(6番・2年)も紹介しておきたい。
DBでも活躍しているが、リターナーとしても、キックオフ、パントの両方で起用され、久保ほどのビッグリターンはないものの、常に高いアベレージを出しているし、積極的にリターンする姿勢も素晴らしい。

パントでは、リーグ全体を通してミスが多かったが、キックオフカバー、パントカバー、キックオフリターン、パントリターンなどは完成度高く、この試合では先制FGを決めるなど、キッキングを重視したチーム方針が実を結び、その面でも良いゲーム、良いシーズンだったなと思う。

最後に

1シーズン、試合を見続け、レポートを書いてきたので、今シーズンの総括も書かせて頂こうとは思っているので、今回は簡潔に。2勝4敗で5位。
これに満足している選手はいないと思うが、本当によく頑張ったと思う。
勝敗は大事だが、高い目線を失わず、努力し続け、何かを得ていくことはもっと大事で、それがシーズンを通じて感じられたし、最終戦で大きく実を結んだと思う。
そういう意味で実りのあるシーズンだったなと感じた。部員のみんなへ
4年生が少なく、そもそも部員数も少ない中、良い成長を見せてくれてありがとう!
褒め称える言葉が見つからないが、先の見えない苦しい時期を耐え、そして、シーズンが始まり苦しいリーグ戦を耐え忍び、最後に大きな成長で終わる。
これはこれで見事な1年だったと思う。
みんなお疲れ様!!
4年生、お疲れ様!!
鎌田、お疲れ様!!!!