新4年マネージャー 黒木 杏奈
平素より、大学Unicornsに多大なるご支援、ご声援をいただき、誠にありがとうございます。
今回の配信より、嵐が丘グラウンドでフットボールに打ち込んだ日々を過ごされたOB・OGの皆様と、現役部員の双方向のコミュニケーションの機会として、対談企画をスタートする運びとなりました。
第一回目の今回は、「主将対談」です。卒業10周年と5周年の主将に加え、現主将である佐藤の3名との対談模様をお届け致します。
今後月1回のペースでお届けする予定でおりますので、ぜひご期待ください。
今回対談にご参加いただきましたのは、芦名勇舗さん(H23年卒DL)と、金子陽亮さん(H28年卒DL)のお二人です。
(現役当時のお写真)
今年度主将の佐藤理貴(DL#9)と共に、お二方からは、現役当時を振り返るお話の数々や、現役部員への激励のお言葉・アドバイスを頂きました。アツい対談をぜひご一読ください。
***********
主将を決断した時の思い
芦名:実は主将をやりたくなかったんですよ。塾高時代も主将でしたが、その時の経験がすごく大変だったのと、シンプルに自分のプレーに集中したかった。僕が主将になることは半ば分かっていながらも、役職関係なくプレー技術を伸ばしたかった。
僕の代は投票で決める方式で主将に選ばれた。選ばれてからは、全力でやりましたね。
金子:僕の代は立候補制で、それから投票する形でした。立候補したのは2人しかいなくて、副将になった八木雄平(H28年卒WR)と僕だけだった。
立候補した最終的なきっかけは、一つ上の代の引退試合の早慶戦でした。実力伯仲した中で最終的に勝つことができた試合でした。個人としてはあまり納得がいく活躍をすることはできなかったものの、早慶戦での勝利は今までで一番嬉しかったものとして記憶に残っています。そのワクワクと嬉しさを感じたことで、自分が主将になった4年生のシーズンで甲子園ボウルやライスボウルで勝った時にどんな感覚になるんだろうという期待感を抱いたことが、主将になる最終的な決断となりました。
逆に、佐藤くんはどういうきっかけでしたか?
佐藤:僕の代も立候補制です。自ら立候補して主将をやろうと思っていたのですが、昨年度のリーグ戦の結果が昇降格に関係がなくなり、今年もBIG8で戦うことになった時に、来年度以降チームが勝って一番喜べるのがどの立場かを考えた時、自分が主将となって先々のチームのベースとなるものを作れたらすごく嬉しいんじゃないかなと思ったのが一つです。
あともう一つ、200人という大きな組織を一人でまとめる機会はなかなかないだろうし、金子さんがおっしゃるように主将をやったらこの上ないワクワク感や、楽しさがあるだろうなと思って立候補しました。
芦名:突然なんだけど、大学4年生に見えないよね(笑)。
金子:貫禄ありますよね。
佐藤:あまり嬉しくないですけど……(笑)。
芦名:最初OBの方かと思った(笑)。
佐藤:まだ21です(笑)。
主将としてのチーム運営について
芦名:大学の主将はすごく難しい。
どうしてかと言うと、主将としてのシーズンが1回限りということ。本来は、チーム発足から最終戦までに、チームにどんな波があるのかを経験して、反省と改善を繰り返すと思うんですよ。早慶戦終わったらどういう雰囲気になるのか、夏合宿終わったらチームがどういう状況になるのかって。社会人なら、それを何回も経験して試行錯誤してチームを作っていく。でも学生スポーツにおいては4年生は1回じゃないですか。どうしてもぶっつけ本番の1年になる。ここが難しい点ですね。
僕の時は、自分が1〜3年生の時にチームが優勝できなかったのはなぜなのかを自分なりに分析して、何が課題なのか、どうしたら勝てるのかを小冊子にまとめて、チーム全員に配って、どういうチームを作っていくのかという僕の考えを言葉で理解してもらって浸透させることから始めました。
それがよかったのか、春シーズンはすごく良くて早慶戦にも勝てた。でもたしか春シーズン最後の同志社大学との定期戦で、あまり良くない試合をして、その時に試合に出場した下級生が「4年生のせいだ!」みたいな不満を爆発させたんです。
試合をしたくても夏合宿に入るため、次の試合まで数ヶ月。その期間、秋シーズン前の過ごし方が難しかったですね。
僕から佐藤くんにアドバイスするとすれば、今から夏合宿前後まで想定しておくのと、試合に出ている4年生以外をどうマネジメントしていくか考えておくこと。
金子:めちゃめちゃわかります。Unicornsはこの70年あまり日本一になったことがないから、関学とか日大と違って「何をやれば日本一になれるのか」、その答えがないじゃないですか。
限られた1年間という時間で何をすべきか、今年の佐藤くんの代でいったら何をすればTOP8に上がれるのかという明確なビジョンと道筋は主将が決めるべきで、しかもそれをきちんとチームに対して共有して浸透させないといけないというのが一番大事なことなのかなとやってみて思いますね。
あとはやっぱり部員が多いよね。今は200人くらい?
佐藤:はい、1年生を入れると200人くらいになります。
金子:部員がとにかく多いから、主将1人が他199人を見るっていうのは不可能。全部員を同じ方向に向けることはとても労力も時間も必要だし大変だと思います。
だからこそ、自分とまったく同じような価値観や考え方を持っている人間で、それを伝播できる人をどれだけ増やせるかというところは、新チーム始動の時にかなり大事になってくると思いますね。
そのためにはまずは副将。僕は副将と2人でチーム全体を見ていました。あとは、オフェンス、ディフェンス、キッキングにそれぞれリーダーを1人ずつ。それぞれが自分の受け持つ部分における役割を明確化していました。まずは副将と主務と連携を取り合うことと、他にも下級生の学年別のリーダー的存在の部員たちと、しっかり一枚岩になるということをとても意識していました。
佐藤:お二人の時とは違うかもしれないのですが、今はリーダーという存在がすごく下級生に多く、下級生がキッキングリーダーを務めているようなことも多いです。その下級生たちに幹部である自分たちが同じ方向を向かせながら、リーダー自身がそのポジションにいい風を吹かせるという流れを作ることを意識しています。
下級生とうまく連携をとるのは本当におっしゃる通りなのかなと思いました。
芦名:今思えば、そうやって意見を言ってくれる後輩に責任を与えるということをやればよかったと思いますね。下級生がチームに対して何か思うことがあるなら、その思いを汲み取りチームを変える責任までその下級生に与えてあげればよかったな、と。
下級生からもらった意見を上級生が解決するのではなく、下級生にも責任を与えた方が本人もチームも絶対成長すると思うし、まさに金子がさっき言っていたように、1人が199人見られるわけじゃないからこそ、チームに熱い想いがある人にもっと役割を与えればよかったなと今は思いますね。やっぱり課題を見つけ出せる人はすごく優秀だと思います。
今は、チームを引っ張るのは4年生なの?それとも学年関係なく引っ張る人が引っ張るの?僕らの代は、4年生が引っ張るべき、という空気だったけど。
佐藤:もちろん4年が引っ張るのは一番大事だと思いますが、かといって4年が全部リーダーやればいいというわけではないのかなとも思っています。やる気とか実力のある後輩が、下級生のうちからリーダーになることで様々な経験を積ませて、その先のチームのためになるような育成をすることはすごく大事と思っています。
ただし、引っ張らない4年生が出てくることだけは絶対に避けたいので、個別にアプローチしています。
芦名:引っ張らない4年生は良くない(笑)!
金子:もしいるならこのUNICORNS NETを通じて響かせましょう(笑)!
僕も4年生で何もしない人たちの底上げにはとても悩みました。時期を決めて、ここまではアプローチするけれども、そこから先はアプローチしないと決めていましたね。
シーズンを通しての思い
芦名:体力的に本当に疲れ続けていた印象かな。夏合宿でも本当に疲れ切って帰ってきて、そのままシーズンインする感じ。
練習するのはすごく大事だけど、疲れている状態で試合に出るのはやっぱりよくないから、しっかり休むことは大事だと思う。体力面の調整はちゃんとした方がいいね。
シーズン終了時は、すごく涙が出て、嬉しいとか、悲しいとかじゃなくて、やっと終わったという感覚でしたね。背負っているものが大きいという意識はなかったけれども、本当にいろんなことを考え続けて気を張り続けていたんだと思います。
金子:ハード面のところでいくと、本当に芦名さんと同じですね。疲れ切っていました。
ソフト面では本当にあっという間だった印象で、夏頃までにはチームの土台ができてないと秋に戦えないので、本当に夏までのチーム作りはすごく大事だなと思います。
シーズンが終わった時は、目標を達成できなかったことの残念さはあったけれど、主将として背負っていたものから解放されて安堵と疲れがどっと出てきた感覚だったかな。
佐藤:僕個人の話ですが、シーズン中の怪我とかすごく気をつけなきゃいけないなと思っています。
金子:本当に怪我はそうですね。コンディショニングは本当に大事だと思います。
当時のチームで大切にしていたこと
芦名:僕の代のチームスローガンは、「YES, I DO.」で、変に頭で考えるのではなく、とにかく最初は“YES”の姿勢で挑戦すること。
そして試合では誰も助けてくれないから、自分がやる、という意味でこのスローガンにしたかな。
あと当時の部員には僕自身が常に「真面目・我慢・素直」と言っていて、真面目じゃないとフットボールやる資格がないし、我慢強くないと貢献ができないし、素直じゃないと適切なアドバイスを受けることができないから、これはすごく大事だと思っています。
金子:僕らの代は「主体性・継続・挑戦」という言葉を言っていて、主体性はどれだけチームのメンバーがチームの目標に向かって何ができるかを考えて行動に移せることができるかだと思っているので、「自分ごと化」できるかが大事だと言い続けていました。
200人全員がチームのことを考えて行動に移すことができたら本当に強くなると思います。オフシーズン期間に代で実施した果てしないミーティングは印象に残っていますね。
それでも最後に決断するのは主将なので、その決め事に責任を持つということは主将の役目ですし、そういう経験ってなかなかできないので、佐藤くんにそこは頑張ってもらいたいなと思います。
佐藤:僕たちも、「I DO」をスローガンにしており、共通の思いを感じましたる。
決められたことをやりきることや、目標に向かって行動することが今のチームに必要で、まずやるということを考えています。
あと部員に言っているのは「自主性と主体性」です。これは先ほど金子さんのお話にもあった自分たちがどんなチームにしたいかを自分たちから探して行動に移すところまでやって欲しくて、1年間言い続けていきたいと思っています。
現役に向けて
芦名:「勝つこと。」
これを最優先にしてほしいなと思います。これから人生において勝負しないといけない瞬間というのは何度も来ると思います。真っ向勝負で、勝つべきところで勝つ。そんな経験をしてほしいなと思います。
チームとしても勝つことは最も称えられることだと思いますし、最も目指すべきテーマでなくてはならないと思っているので、「勝つ」ということに何よりも執着してほしいなと思います!勝ちにこだわって、これからも頑張ってください!
金子:大学生の時間は有限なので、とにかくやりきってほしいと思います。
僕が主将だった時に、一つ上の主将に教えてもらった言葉があります。京セラを創業した稲盛和夫さんの言葉なんだけど「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という言葉がすごく好きで、すごく大事だなと思います。
佐藤くんにも、限られた時間の中でこの言葉を少し頭においてやっていってほしいなと思います!頑張ってください!
***********
主将としての3名の対談でしたが、振り返るともっと詳しくお話を伺いたい内容がたくさんあり、1時間という限られた時間の中で多くの刺激を受けました。
チーム内に持ち帰り、お二人から吸収したことを活かして「勝つこと」にこだわり、「やりきる」ことを意識してシーズンに向けて精進してまいります。
現主将 佐藤(DL#9)のコメント
今回は対談の機会を設けていただきありがとうございました。
自分にとっての一番の発見は、今年のスローガンとお二方の代のスローガンに共通している部分があったことです。それはつまり、Unicornsが代々標榜している、克服しなければならない部分は、今も昔も変わっていないということであると思います。日々の練習や再生プロジェクトを通して、それらを克服したチームになれるように、日々チームに向き合っていこうと改めて思いました。
主将として試行錯誤しながらこの一年間頑張っていきたいと思います。
***********
最後にはなりますが、芦名さん、金子さん、お忙しい中本当に有難うございました。
今後も定期的に本企画を配信して参ります。
次回も是非ご期待ください。
今後とも大学Unicornsへのご支援・ご声援を何卒宜しくお願い致します。