薄氷で中央大に勝利、
全日本選手権出場決定!
試合結果
2024年11月9日(土) 慶應義塾大学 対 中央大学
14:00 Kick Off @アミノバイタルフィールド
天候 晴
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
計 |
慶應義塾 |
9 |
12 |
3 |
7 |
31 |
中央 |
0 |
7 |
7 |
14 |
28 |
▼試合詳細は下記リンクをご覧ください▼
第7節中央大学戦 試合結果詳報
ゲームレポート
山田健太(H7年卒)
リーグ戦最終節となる中央大学戦。
結果としてプレーオフ進出となりましたが、試合当日は、中央大学に勝利しても翌日までプレーオフ進出の可否が分からないという歯がゆい中での1戦となりました。
結果としては、31対28と薄氷の勝利。
プレーオフ進出も確定し、関学との本気の1戦を迎えることとなりました。
ゲームを振り返ると、Unicorsの良さが少々と、今シーズンの克服できない問題点が多々発生となり、辛口に言えば、もう1段の成長した姿が見たかったし、あといくらかの日数で生まれ変わらなければ関学にボコボコにされてしまうだろうなと感じました。
試合はUnicornsのオフェンスでスタート。
エースQB#16松本(4年)からWR#9黒澤(4年)にクイックスクリーン。ランプレー代わりの5ydsを取る挨拶代わりのプレーだが、黒澤の走力が中央大ディフェンスを寄せ付けず、60ydsを独走し先制のTD。黒澤の切れ味、そして得点に結びつける能力は本当に素晴らしく、私も長くUnicornsを見ていますが、スロットレシーバーで歴代屈指のパフォーマンス。
スロットレシーバーとして歴代屈指の活躍を見せたWR#9黒澤(4年)【写真提供:岡見清隆】
今年のUnicornsらしいエースレシーバーの1発TDで、Unicornsらしさ、良さが出たシリーズ。
続くシリーズは、もう1枚のエースWR#7水野(4年)などでリズム良く攻め込むものの、最後はドライブしきれずFGにとどまる。今年の課題であるドライブを完結させることは最終戦でも出来ず。15対0で迎えた2Qの中大のラストシリーズ。
しっかりこの点差で前半を終えたいところだが、今年のディフェンスは踏ん張りきれない。こちらも課題のタックルミスが多く、パスラッシュもかからずでTDパスを通され15対7。
残り1分15秒、自陣45ydで迎えた前半ラストシリーズ。
QB松本から黒澤、WR#80藤崎(4年)と投げ分けあっという間にゴール前に。残り5秒で黒澤にTDパスをヒット。鮮やかな2ミニッツオフェンスで、再び「らしさ」をみせてくれ、21対7で前半終了。前半は、悪い意味の「らしさ」はありつつも、良い「らしさ」も多かったかなという印象。
後半は苦しみました。
ずるずるとドライブをされ、中大にTDを許し21対14に追い上げられる。
続くシリーズもずるずるドライブされたが、得意のファンブルフォースでターンオーバーを誘い凌ぐが、オフェンスがすぐにファンブルロスト。
負けゲームのような展開になるが、DB#28丹羽(4年)が今シーズン3個目となる、見事なインターセプトを奪いFGで追加点。24対14と10点差に。
中大のパントをDL#50田中凛奔(当日は#95・たなかりお・2年)がブロックし、そのまま敵陣1ydまで持ち込むビッグプレー。
QB#0水嶋(4年)がねじ込み31対14としたが、ディフェンスが振るわず2TDを返され、31対28。この2TDの奪われ方は、今シーズンのディフェンスの悪さを象徴していた。パスラッシュはかからず、DLは押し込まれ、LB、DB陣はタックルするものの外されるパターン。
中央大のパントをブロックし、敵陣1ydまで持ち込むビッグプレーを見せたDL#50田中凛奔(当日#95番、2年)【写真提供:岡見清隆】
わずか3点差に追撃され、ラスト2ミニッツ。
中大のオンサイドキックは失敗で一安心となるが、Unicornsオフェンスは残り時間を使い切れず中大に攻撃権を渡す。ランプレーでフレッシュを取れない弱みがでてしまった。
最後の攻撃はDB#29玉川(4年)がインターセプトし、薄氷の勝利。
重視しているキッキングでのビッグプレー。
2つのファンブルフォースに2つのインターセプト。
ここは、良い「らしさ」が出たものの、ディフェンスは後半で3TDを奪われる耐久力のなさ。そして、オフェンスは、後半はまともなドライブも華麗なる1発もなくで、攻守に渡り、悪い「らしさ」ばかりが目立ってしまっていた。
インターセプトを決めたDB#29 玉川(4年)【写真提供:岡見清隆】
そんな中で、紹介したい選手がDB#20小島(3年)。昨シーズンから起用され、今期は春も秋もほぼフル出場。手厚い選手層を誇るDBで、どんどん存在感が増してきています。少し線が細く感じる体格なのですが、それをカバーする鋭いタックルを持っていて、DBとしてのパスカバー、ランサポートはすでに1級品。
そして、目を見張るのはキッキングのカバーチームでの活躍。
この試合でも素晴らしいタックルを見せていましたが、リーグ戦を通じ、キッキングでナイスタックルを幾度となく決めています。ディフェンスの主軸選手が怪我で減っていく中、2シーズンに渡り元気に活躍し続けるタフさも良いです。
著しい成長を見せるDB#20小島(3年)【写真提供:岡見清隆】
この他の注目、成長株でいいますと、先にも紹介しましたパントブロックを決めたDL#50田中。
この試合はジャージが破れたかで95番をつけていまして、鋭いパスラッシュをかけたりパントブロックをしたりと、やや押されがちなDL陣の中で気を吐いていました。
#95はロースター表に乗っていないこともあり、なんか凄い新人が現れたなと思っていたら、今期の成長株の田中だったということなのですが、彼のスピードは光るものがありますので、フィジカルアップし、さらなる成長に期待したいですね。
そして遂に、絶対王者「関学」と公式戦で対戦。これは、私の知っているこの40年くらいのUnicornsの歴史ではないはずです。
関学に勝てるのか?
絶対に勝てるなんて口が避けても言えませんし、関学がオーバーパワーしていることも事実だと思いますが、関学に勝っている部分も今年のUnicornsは持ってます。
経験豊富なQBに、どのチームに行ってもエースを張れるWRが4枚も5枚も揃ったパッシングユニット。ディフェンスはファンブルフォースもインターセプトも量産できる技巧派もアスリート派も取り揃っています。
ラインズは正直に言って、攻守で苦しいでしょう。
でも、逆に勝負はそこです。
1週間やそこらで急に強くなる訳がないです。表現は悪いですが、「負け方」が大事です。
踏ん張り踏ん張り踏ん張り抜いて、少しでもLB、DBが動けるように。
踏ん張り踏ん張り踏ん張り抜いて、1秒でもQBに時間を作ってあげる。
最後はラインズが勝負を握るのは、今も昔も変わらない真理。
関学のライン達が「うざっ」と思うしつこさ、執念を見せつけ、Unicornsの良い「らしさ」を全部引き出し、全力チャレンジャーとして戦い、勝利をもぎ取ってきてください!
頑張れ Unicorns!!
中央大戦の応援に駆けつけたH7年卒OB