2022年度高校早慶戦 ゲームレポート 2022.05.13

慶應義塾高等学校アメリカンフットボール部

日時:2022年4月29日(金) 11時30分キックオフ
場所:駒澤陸上競技場
対戦校:早稲田大学高等学院
試合結果・スタッツ:別紙参照

伝統の早大学院との定期戦が行われた。コロナ禍ということもあり駒澤陸上競技場での開催は2019年以来となったが、対戦自体は2020年度の秋季関東大会、昨年度の早慶戦と無観客試合でも繰り返し対戦してきた因縁のライバルである。

第1Q

早大学院のキックオフで試合開始。リターナーのボールミスもあり、カバーチームに早い段階でのタックルを許してしまう。自陣23ヤード地点より慶應高校の攻撃開始。QB#98工藤のスクランブルに加え、OL#55岩戸によって生み出されるスペースへのRB#92石井のランプレーによってドライブを続けるが最後はパス攻撃が繋がらない。パントを蹴って攻守交代。
ディフェンスの初シリーズ、初めの2プレーを難なく止めて3rd down & longの状況を作ったものの、OLBの外からQBにスクランブルを許してしまう。次の2プレーをしっかり止めてまた同じ状況を作った後、今度はDL#52山田のプレッシャーもありパス失敗。パントをもらって攻守交代。
第2シリーズでは初シリーズの最終プレーにも出ていたQB#12佐藤が登場。俊足を活かした佐藤自らのランと、TBとして出場しているQB#1辻のランプレーでいい流れを作ったかに思えた。しかしその後、敵陣に入った2プレー目でハンドオフのミスが起きてしまい相手にファンブルリカバーを許し攻守交代。
次のディフェンスは所々DLの間を抜けられるなど苦しんだが、4th down &11での早大学院オフェンスのパスプレーをDB#17山下のナイスカバーで止めた。

第2Q

慶應オフェンスは、この日通して6本目のパスがようやく成功。QB#98工藤からTE#99尾形へ繋がり1st down更新。このプレーは30yard前進するビッグプレーとなり流れを引き寄せた。敵陣に入ってからも着実にドライブし、再びTE#99尾形へのパスが通り30yard近く前進。一気にゴール前まで進み最後はWR#11境へのパスが通り先制。その後のTFPも成功させて7-0とした。
次のディフェンスでは早大学院オフェンスの4th downでのボールミスのおかげで、敵陣から再度攻撃開始。今年度からOLでも起用されることとなった#52山田やOL#79丹羽など3年生OLたちが奮闘したが、決めきれず最後はフィールドゴールで3点を獲得し、10-0で前半を折り返した。

自身の体を活かした力強い走りを見せてくれた#98QB工藤(3年)

第3Q

慶應のキックオフで試合再開。OL#77田中のナイスタックルによって早大学院は自陣13ヤード地点からの攻撃となる。これをLB#97国井の堅実なプレーなどにより3プレーで止め切り、加えて次のプレーで相手の膝がパントを蹴る前に地面についたことで、敵陣ゴール前残り7ヤードから慶應オフェンスとなった。このシリーズでは4プレーを使い切ってタッチダウンを取りに行ったが、早大学院のハイプレッシャーディフェンスもありパスが繋がらずそのまま攻守交代。
ただ次の早大学院オフェンスが2プレー目でファンブルし、それをLB#54渡辺がリカバーしもう一度攻守交代。2度目のチャンスをもらった慶應オフェンスはQB#1辻へのランプレーによってタッチダウン。TFPも決め、17-0と差を広げた。
その次のディフェンスは難なく止めてオフェンスに。このシリーズでもOLがラインを押し上げ、RB#92石井が走る。この流れを続けてタッチダウン。続くTFPではスナップが乱れるもホルダーのWR#18三木の判断によりWR#14成川へとパスを繋ぎ2点獲得。点差を25-0としここで第3Qが終了。

第4Q

ここから膠着し互いに3プレーずつで攻撃失敗を挟んで、早稲田の攻撃。ここはDL#53櫻井がOLを翻弄し、またも3プレーで止めた。これにより敵陣深い位置でのパントを強いたが、慶應のリターナーの捕球ミスがありフィールド中央から攻撃再開。
次の慶應オフェンス初プレーではタックルを受けたRBがファンブル。なんとか抑えたが、2プレー目でもOLのスナップミスが起きた。流石に3連続のボールミスを見逃してはくれず、相手にリカバーされ攻守交代。
ここで流れを渡してしまい20ヤードのパスなどを決められたが、早大学院がまたもファンブル、慶應ディフェンスが確保し攻守交代。
最後は雨も強くなる中でお互いに決め手を欠き、1シリーズずつ行い無得点に終わったところで試合終了。最終スコアは25-0で慶應高校の勝利となった。

Cを圧倒しQBにプレッシャーをかけ続けた#53櫻井(2年)

総括として、結果を見れば快勝だが課題の残る試合だったと言える。オフェンスでは雨とはいえ、かなりのボールミスがあり決めきれないシリーズが多かった。ディフェンスではボールを奪うチャンスを多く逃しただけでなく、何よりタックルミスが絶えなかった。両方の要素を併せ持つキッキングではそれらの課題が全て出ていた、春シーズンを勝ち抜くためにも、全ての面で課題解決を急ぐ必要があるだろう。

スタッツ