【清水利彦コラム】頑張れ、アイオワ州立大! 2021.09.09

清水利彦(S52年卒)
shimizu.toshihiko2@gmail.com

NFLは9月9日が開幕日ですが、カレッジフットボールは少し早く8月28日木曜日から一部の試合が始まっています。序盤から3位クレムソン大と5位ジョージア大の激突があり、ジョージア大が10-3で勝利しています。

今季のカレッジのプレシーズン・ランキングは、次のようになっていました。
(AP 8月31日現在)

1位 アラバマ大
2位 オクラホマ大
3位 クレムソン大
4位 オハイオ州立大
5位 ジョージア大
6位 テキサスA&M大
7位 アイオワ州立大
8位 シンシナチ大
9位 ノートルダム大
10位 ノースカロライナ大

「またアラバマ大かよ、面白くないなあ」と感じた人は私だけではないと思います。
なにしろ過去13年間、毎年全米トップ10入りを果たし、そのうち6回全米王座に着いています。「初めて優勝する」とか「久々に優勝する」ことにこそ感動が生まれると、信じている私にとって実につまらない結果が続いています。(アラバマ大が16年間優勝から離れている期間はアラバマ大を応援していました)

5位までの顔ぶれも例年とほぼ変わらずです。しかし、新鮮さのあるランク入り大学はないのかと思ってみたところ、「7位 アイオワ州立大」を見つけて、「おおっ!」と思いました。

全く気が付いていなかったのですが、アイオワ州立大は昨年も強かったのですね。8勝3敗の好成績でフィエスタボウルに招待され、オレゴン大に34-17と快勝して、最終ランク9位に入っています。実はアイオワ州立大が最終ランクでトップ10入りしたのは、同校123年の歴史で初めての快挙だったのです。
去年の勢いを今年も維持できるだろうという予想の元に、プレシーズンで堂々7位にランク入りしたのだと受け止めています。

ちょっとアイオワ州立大の歴史を調べてみました。名門アイオワ大と混同されている方もおられると思います。
アイオワ大はBIG10リーグに1899年から加盟している古豪で、通算635勝535敗34分、勝率.542。ローズボウルに6回出場しており2勝4敗。最終ランクTOP10入りが13回あります。

一方1895年創部のアイオワ州立大は、途中2年の休部期があり、今年で124年目です。
1959年まで学校名が「アイオワ州立農業カレッジ」でしたので、歴史的には企業経営者や弁護士等を多く輩出するアイオワ大からいささか見下されてきた感があることは否めません。今では学生数3万3千名を誇る総合大学となっています。
アイオワ州立大は通算527勝651敗45分、勝率.445と大きく負け越しています。創成期にミズーリ・バレー・リーグというマイナーな組織で優勝経験があるようですが、1928年にBIG6というリーグ(のちのBIG8、現在のBIG12)に加盟してからは、同じリーグにオクラホマ大という強豪がいるため、94年間一度も優勝をしていません。年間10勝以上したことも一度もありません。ずっとリーグの「お荷物」だったのです。
2000年にInsight Bowlというマイナーなボウルゲームで勝利しましたが、これが1928年BIG6加盟以来73年目にして、そして創部以来104年目にして初めてのボウルゲームでの勝利でした。
近年、次第に実力をつけてきており、2000年以降、21年間で12回ボウルゲームに出ています。昨年はリーグ戦でオクラホマ大に37-30で勝利という大金星を挙げましたが、リーグ優勝決定戦でオクラホマと再戦して惜しくも21-27で敗れ、初優勝を逃しています。

今年もオクラホマ大は強そうなので、簡単には勝てないと思いますが、95年目でリーグ初優勝の感動を味わってほしいですね。今シーズン初戦、アイオワ州立大は格下のノーザン・アイオワ大と地元で対戦し16-10と大苦戦の末勝っています。今週11日には宿敵アイオワ大をホームに迎えますので、今季の試金石となるでしょう。
頑張れ、アイオワ州立大!!

 

「清水利彦のアメフト名言・迷言集」
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