2年広報担当 重永航平
2025UNICORNS選手分析シリーズでは今シーズンの戦力についてポジション別に紹介する。第四弾はOLだ。
記念すべきOL回では各選手の紹介と同時に慶應OLユニット全体の特徴についての説明を並行して進める。「OLは5人で1人」と言われることもあるように、OL5人はまさに阿吽の呼吸でタイミングを合わせて動くことが求められる。全員で協力してオフェンスのプレーの枠組みを作る重要なポジションだ。だからこそユニットの特徴と同時に説明するのが適している。
今年の慶應OLユニットの特徴として挙げられるのは個性的なメンバーがそろっていることだ。練習前にパート毎に行われるパートハドルでは朝の6時半にしてすでに爆笑、怒号が飛び交っている。一番活気のあるユニットであるともいえる。そんなエネルギーに溢れるユニットをまとめあげているのが、パートリーダーの大坪英泰(4政・佼成学園)だ。

強豪校出身の大坪は非常にストイックで高いスタンダードの持ち主といえる。基本に忠実なプレーで経験豊富な大坪は未経験者も多いOLユニットの下級生にとっては目標となる先輩の一人だ。練習外の時間もプレー内外に関する後輩に対する指導に多くの時間を充てている。
そんな大坪をOLユニットの父親的存在とすると長男にあたるのが今若航汰(3政・鎌倉学園)だ。

オフグラウンドではとにかくうるさく、大坪の指導の対象になりがちな今若だが、練習に関しては真剣だ。消耗の激しいOLながら、怪我をすることもほとんどなく毎回の練習で体を張る鉄人だ。サイズは決して恵まれているとは言えないが、根強い努力が功をなし、近頃ではユニコーンズ内でもっともヒット力の強い選手と囁かれている。また、アサイメントミスをすることも滅多になく安定したパフォーマンスを発揮しているのも特徴だ。
大坪の次男にあたるのは加藤凪(3経・仙台二華)だろうか。

加藤の最大の特徴はサイズだ。115㎏の体重を生かした強力なドライブ力で相手DLを埋めてしまう。その姿からついた異名は”横綱”だ。また、大学からアメフトを始め経験にも乏しいが圧倒的なセンスで補っているのも特徴だ。そのセンスは石塚大揮前主将にも認められたほどである。
OLユニットの末っ子にあたるのは間違いなく小林吾慈(2商・攻玉社)だろう。

小林も加藤と同じく大学からアメフトを始めた選手だが、昨シーズンからすでに試合への出場経験がある。最大の特徴はヒット力の強さだ。また、相手を吹き飛ばして終えるだけでなくプレーが終わるまでは決して相手を離すことはなく地の果てまでドライブし続ける粘り強さも特徴の一つだ。フィールド外ではその破天荒な性格から周囲に迷惑をかける場面も多々ある小林だが、プレーで償うのが小林の流儀だ。良くも悪くも目を離せない存在である。
次に紹介するのは丹羽駿平(3商・慶應義塾)だ。

丹羽の特徴はファンダメンタルを徹底した、OLとしての完成度の高さだ。低く鋭い刺すようなヒット、押し寄せてくるようなドライブ、俊敏なフットワークを活かしたパスプロテクション。どれをとっても高度なプレーをすることができる。OLの完成形のような選手だ。
また慶應のOLを語るうえで欠かせない存在が岩戸旦和(3経・慶應義塾)だ。

その圧倒的なサイズを武器に1年生からOLとしての出場経験を積んでいる岩戸だが、昨年にはU20の日本代表にも選出された。世界大会では本場アメリカ代表を撃破し準優勝に輝いた ”世界級OL”の岩戸は更なる成長を遂げて戻った。今後の更なる飛躍に注目だ。
最後に慶應OLユニットの特徴としては下級生の層の厚さがあげられる。先ほど紹介した小林だけでなく、渡利礼音(2商・慶應義塾)、海老谷諒(2経・慶應義塾)、栗原一透(2文・南山)はいずれも180㎝以上の長身で、アメフトの経験者でもある。また、崔航准(2商・多摩大学目黒)は110㎏、清水優汰(2経・慶應義塾湘南藤沢)は103㎏と両者ともアメフトは大学からのスタートだが、2年生にしてすでに高体重で、OLとして活躍するための下地はすでに整っているといえるだろう。