【清水利彦コラム】関学と対戦することの意義 2024.11.14

昭和52年(1977年)卒 清水利彦
shimizu.toshihiko2@gmail.com

ユニコーンズの全日本大学選手権出場が決まりました。

今年度から選手権の制度が大幅に変更となり、関東TOP8の3位まで出場できることになって、最初の恩恵を受けたのが我々慶應という事になります。ここまで来られたのは、部員諸君、そして指導陣の方々の大変な努力があってのことと受け止めております。

選手権出場は大変うれしいことですが、私にとってそれ以上の驚きは、準々決勝の対戦相手が関西学院大学となったことでした。もし出場できるならば、相手は立命館か関大のいずれかであろうと考えていたので、全く予想していなかった組み合わせとなりました。そこで今回は、「関学と対戦できることの歴史的な意義」について臨時のコラムを書くこととします。

慶應はこれまで春シーズンに、「東西大学交流戦」などの名目で関学とは何度も対戦しており、勝利を収めた経験もあります。しかしこれらの試合は東西の連盟が主催する公式戦ではなく、連盟から見ると「オープン戦」の扱いとなります。

公式戦での関学との対戦となると、過去の甲子園ボウルでの対戦に遡ります。

慶應は過去2回大学日本一になっています。

第1回甲子園ボウル(1947年4月13日 慶應45-0同志社)

第3回甲子園ボウル(1949年1月9日 慶應14-7関大)

しかしながら

第4回甲子園ボウル(1949年12月18日 関学25-7慶應)

第5回甲子園ボウル(1950年12月10日 関学20-6慶應)

と続けて関学に敗れ、それ以来75年間日本一から遠ざかり、甲子園ボウル出場も果たすことが出来ずに今日に至っています。

第1回~第3回甲子園ボウルの頃は、明らかに関学より慶應の方が立場が上のチームでした。
しかし第4回甲子園ボウルを境にして、両者の立場は逆転し、関学は甲子園ボウル、そして日本一の常連校となり、一方、慶應は第5回を最後に甲子園ボウルに届くことが出来ないチームとなりました。

第4回甲子園ボウルは関学にとって初めての出場であり、その時の相手が慶應義塾大学だったことになります。当時、慶應は関東では無敵でした。第1回、第3回大会に勝利した慶應は、「戦前・戦後を合わせて、創部以来、関西への遠征試合では一度も負けたことがない」ことを誇りにしていました。
第4回大会は、試合前の予想でも、慶應が圧倒的有利でしたが、想定外の試合展開となります。
第3Qまで、関学が4本のTDを続けて奪い、関学25-0慶應と大きくリード。慶應はエースQB服部(日系二世選手)のランで1TDを返すにとどまり、関学の初出場・初優勝となりました。

1949第4回甲子園ボウル 関学の突進にタックルを試みる慶應選手(選手名不明) 出典:「毎日甲子園ボウル 70回の軌跡」毎日新聞社

部史上初めて関西で敗れた慶應の選手達は、東京で待つ先輩や仲間に合わせる顔がないと、大阪駅近くの散髪屋で全員丸坊主になって帰京した、と当時の新聞に記述が残されています。

当時の模様について詳しくは下記のコラムをご覧ください。

【清水利彦コラム】関学・慶應高校定期戦誕生秘話 2019.8.23 | アメリカンフットボール三田会

関学との公式戦での対戦は、今回が1950年12月の第5回甲子園ボウル以来、74年ぶり3回目のこととなるわけです。この事実を知ったうえで、現役チームは関学と戦ってほしいと願います。

また、関学が75年前から今日に至るまで、常に慶應に対し、温かい友情の手をさしのべ続けて下さっている、という事実も踏まえた上で試合に臨んでほしいと願います。

この数年間、関学の関西学生一部リーグでの試合を何度も観ました。明らかに慶應よりは一回り格上のチームであると感じています。また、小手先の奇襲作戦などが通用する相手でもないと考えます。

今回の対戦で私が観たい慶應の姿とは、「強敵に対し、ひたむきに、必死に戦い、全力を出し切る姿」です。

 

関東から応援に駆けつけて下さる方々へ

慶應(関東3位)は準々決勝において、関西学院大学と
11月23日土曜 13時より神戸ユニバー記念競技場において対戦します。

神戸ユニバー記念競技場は、神戸市営地下鉄西神・山手線、総合運動公園駅より徒歩約400m。
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 – Wikipedia

45000人収容の立派なスタジアムです。

当日朝、東京から新幹線で来られる方は、必ず新神戸駅で降りてください。(新大阪で降りてはダメです)新神戸から地下鉄、乗り換えなしで総合運動公園駅まで11駅、25分ほど。

東京駅朝9:12発の博多行のぞみ19号に乗りますと、11:53新神戸駅着ですが、これだとスタジアム着がキックオフの間際になるでしょう。もう少し早い列車に乗る方がベターです。新神戸駅新幹線のホームから地下鉄改札口までが結構遠いのです。

では、スタジアムで皆様をお待ちしております。共に一生懸命応援いたしましょう!

 

「清水利彦のアメフト名言・迷言集」
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