吉川前会長ご退任特別企画 2021.03.04

広報部会一同

既に2/12配信のUnicorns Net臨時号にてご連絡しておりますが、吉川理裕さんの会長退任にあたりご本人から三田会会員の皆様へのご挨拶を頂戴しております。

また吉川前会長の長きに渡るUnicornsへのご尽力に対する感謝の意を込めまして、田中部長、渡辺前部長、前田監督、そしてUnicornsファミリーを代表して女子タッチ&フラッグフットボールチームからメッセージを頂戴しておりますので、ここでご紹介させて頂きます。

第67回早慶アメリカンフットボール対校戦での開会宣言

吉川前会長挨拶

前会長 吉川理裕(S55年卒)

この度、2期4年の任期を終えたことを区切りに退任させて頂きました。
会員の皆様には2017年2月以来、一方ならぬご指導ご鞭撻を賜りましたこと厚く御礼申し上げます。

昨年10月ごろ、一度自宅でダウンして以来、検査と治療を続けましたが、心労に起因する体調不良が続き、新年度へ向けて様々な活動と決断が求められる会長職継続は困難と判断し、退任を申し出、ご理解を得た次第です。現在は本業である会社員としての仕事に専念しつつ日々を過ごしております。多くの方々にご心配をお掛けしましたことをお詫び申し上げますとともに、お気遣い頂いた方々に深く感謝申し上げます。

会長に就任以来、前任の神田会長時代から副会長として手掛けた三田会の組織整備(部会制、評議員制度の導入他)に加え、新部室の建設に多くの会員各位、関係各位のご支援を頂きながら、邁進してまいりました。

また、2020年3月の現役の活動再開に際しましては、田中部長の下での現役部活動に対して、先輩団体である三田会として支援するよう塾当局より要請を受け、三田会役員ほか多くの方々のご理解とご支援を得て、最初のシーズンを現役が無事に終えるお手伝いが出来ました。至らぬことも多々あった中、重ねて会員の皆様のご支援に心より御礼申し上げますとともに、薮内会長以下新体制のもとアメリカンフットボール三田会の一層の発展をお祈りいたします。

感謝の言葉

田中部長からのメッセージ

吉川さん、本当にありがとうございました

部長 田中謙二

2019年8月の衝撃的な事件から今日に至るまで、部長である私を常に支え続けて下さったこと、心より感謝いたします。なにより私は2019年4月に渡辺前部長から部長職を引き継いだばかりで、まさに右も左もわからない状況でした。部が消滅する未曾有の危機のなか、部員、ご父兄、OBOG、三田体育会、塾へ、当部の三田会会長として、事細かに、完璧に対応して下さいました。吉川さんとは本当によく電話でお話ししました。吉川さんからの報告もありましたし、こちらからのお願いもありました。無理なお願いもありました。しかし、どんなときも、「田中さん、分かりました。私がすべて受け止め、こちらで預かります。」と引き受けて下さいました。本当に助かりました。

吉川さんは、事件の詳細を決して部外へ漏らさない、という塾の方針を徹底的に守って下さいました。あのような状況下においては、塾にとって、三田会は部外であるという強いメッセージが危機管理を担う塾監局から部へ届いていたからです。これは一般の三田会会員には理解しがたいことと思います。なぜあのような事件を、部の最大の支援者である三田会へ何一つとして公開できないのか、自粛しますという一文だけで、現況を納得できるわけがない。こういった声を、吉川さんがすべて受け止めてくださいました。危機管理の観点から塾があのような方針をたてたのですが、その功罪をここでは述べません。

学生を育てるという観点からは、吉川さんという傘の下で、学生が、自粛期間中に徹底的に自分に向き合うという行為が達成できたと考えています。体育会アメリカンフットボール部は、学生が主役であり、学生が自ら考えて運営する部であり、学生が自ら良くしていく、自らチームを強くしていくという原点に返っていくことができたと思います。大人の知恵で、事態の収拾を急ぐこともできたでしょう。結果としてそのようなことが起こらなかったのは、部と三田会の正しい距離がとられた成果であり、それが前田監督の掲げる、学生主体性へと連続しています。

耐えがたい事件がいつの世にも起こります。あとから振り返れば、生き残ってさえいれば、どんなに耐えがたい苦痛も過去の思い出となりえます。しかし、その渦中にいる本人には、苦悩が永遠に続くように思えてしまいます。吉川さんが日々経験されていた苦悩はいかほどだったのか。私たち部員も三田会会員も、吉川さんの気持ちに今一度寄り添う必要があります。事件後最初の三田体育会総会の壇上で三田体育会会長をはじめ全会員に謝罪をしたときに膝の震えがとまらず魂が吸い取られたと仰っていました。昨年5月のアメリカンフットボール三田会総会が終わったあとに、吉川さんの顔はひどくやつれ、翌日熱発されました。これは本来ならば、当事者(学生と部長)が背負うべき苦痛です。

先日、会長職を継続するか、辞するかで吉川さんから相談を受けました。どうしても体がついていかない、しかし、大森常任理事(体育会会長代行)からは、田中部長を支えてくれと頼まれているので辞めるわけにはいかない、と。私は、寺岡主将(2019年主将)が再生プロジェクトの1年目としては十分な成果を残してくれたこと、前田監督が学生の主体性をなによりも重視して二度とこのようなことが起こらないよう指導してくれていること、私は既に十分に吉川さんから支えてもらったことを伝え、吉川さんの辞意を受け取りました。

アメリカンフットボール部には、2つの絶対に忘れてはならないことがあります。一つは山本周弍さんのこと、もう一つは今回のことです。あの事件で、どれだけ多くの人が悲しんだのか、当時を知るヒトは今も胸が苦しくなることでしょう。今回の事件では、吉川さんが心身ともに痛みながら、まさに体を張って、アメリカンフットボール部を守って下さいました。当時の事件を経験した1年生は2021年度には3年生になります。そんな彼らが、2019年8月を忘れないように、自主的に取り組みを始めました。あの痛みをいつも思い出すこと、その回帰から常にはじめて再生プロジェクトを自分たちの手で完遂させること、その状態を継続維持させる仕組みを作ることが目的です。その振り返りの過程で、この部は吉川会長に救ってもらったんだと都度認識してもらいたいと思います。

吉川さん、本当にありがとうございました。

渡辺前部長からのメッセージ

吉川理裕会長のご退任に際してご挨拶

前部長 渡辺真純

この度、吉川理裕会長がご退任されるとうかがい一言ご挨拶させていただきます。

自分が体育会アメリカンフットボール部長を拝命していたのは、2013年春から2019年春まででした。その前半には吉川さんは副会長として神田克美会長をサポートされ、ともに現役チームを叱咤激励していただきました。会長に就任された2016年以降はOB会として現役を支えていただいただけでなく、義塾そして社会人の先輩である吉川さんから個人的にも大変多くのことを学ばせていただく機会がありました。

本業である一部上場大企業幹部として世界中を飛び回りながら、三田会会長を務められる姿にはいつも畏敬の念を持ちました。そのご功績は枚挙にいとまがありませんが、「OB会は決して属人的にならず組織としてシステムで動かなければいけない」と常におっしゃっていたのが印象的でした。その端的な例が評議員会の設立や部会制度の導入だったと思います。またオールユニコーンズ、ユニコーンズファミリーという考え方にも踏み込まれ、小学校から大学まで各チームの監督が集まる毎月の監督部会には会長とともに自分もオブザーバーとして参加させていただき、時にはビールを飲みながらユニコーンズの将来について意見を交わしたのは大変素晴らしい経験でした。その道のエキスパートが揃う施設部会でも会長が陣頭指揮され、念願であった新部室の完成にこぎ着けた事は記憶に新しいところです。また広報部会の活動にも力を入れられ、イヤーブックを刊行したり、春の早慶戦や秋のリーグ戦に塾長先生をはじめ義塾幹部をご招待していただき、現役部員ともども部長も大いに感激しました。

今回は少々体調を崩されてのご退任と漏れ聞いておりますが、早々にご回復されることと思いますので、また試合会場にご一緒させていただき、熱くユニコーンズを応援する機会が来ることを楽しみにしております。

長きにわたり大変ありがとうございました。

夏合宿での写真(写真提供:渡辺前部長)

前田監督からのメッセージ

監督 前田晃

四年間にわたる会長職、本当にお疲れ様でした。ご在任中はひとかたならぬご厚情とご指導を賜り、深く感謝致します。特に大学ユニコーンズ自粛解除に際しては、陰になり日向になってご尽力下さり、誠にありがとうございました。お蔭さまで、昨シーズンはリーグ戦、及びホワイトボウルを全て勝利で飾り、新生ユニコーンズとして着実な一歩を踏み出すことができました。今シーズンも、先行きが展望し難い状況ですが、更なる成長すべく精進して参ります。ご体調が戻り、お元気な姿でスタンドから観戦して頂ける日を楽しみに待っています。

Unicornsファミリーからのメッセージ(代表:女子タッチ)

ファミリーチーム代表
女子タッチ&フラッグフットボールチーム
監督 井町真琴
助監督 杉浦碧
コーチ 元木彩

吉川さんが三田会会長を務めていらした期間の中で、積極的にファミリーチームとの連携強化をしていくことができ、大変感謝しています。特に2014年から開催している監督部会の中で各チームと情報交換しながら、合同でグラウンド利用や新歓活動をしたり、お互いの試合観戦や納会参加をする中で、各ファミリーチームと交流を深めていくことができました。

また、その中で女子タッチのチーム活動の幅を広げていくことができたことを改めて実感しています。ハドルボウルでフラッグフットボールの試合に参加したり、神戸大学・成城大学と合同でフラッグフットボールのワンデー大会を開催したりし、ファミリーチームと共にフットボールの発展に寄与できたことは感慨深いです。

これからもUNICORNSファミリーチーム同士の連携を大事にしながら、各チームの活動をさらに発展させていきたいと思います。

三田会会長を4年間務めていただき、どうもありがとうございました!

フラッグフットボールワンデー大会の開会式の様子(写真提供:女子タッチ&フラッグフットボールチーム)