田中部長檄文と前田監督挨拶 2022.09.01

三田会会員の皆様

以下<再生プロジェクト最終年度の緒戦を迎えて>を部員に送りました。皆様にも共有します。これから始まるトップシーズンもどうかサポートをよろしくお願いします。

慶應義塾体育会アメリカンフットボール部

部長 田中謙二

再生プロジェクト最終年度の緒戦を迎えて

学生の皆さん、アメリカンフットボール部Unicornsが3年かけてTOP8に戻ってきました。私は2019年シーズン途中でTOP8を離脱したことを昨日の様に思い出します。多くの人が傷つき、多くの涙が流れました。それでも部を存続させようとした当時の現役諸君、影でじっと支えたOBOG諸氏、大学関係者の尋常ならざる努力が、今を作っていることを忘れないで欲しい。

君たちの晴れの舞台はTOP8のオングラウンドです。

関東の選ばれた大学だけがこの舞台に上がることができる。その舞台の主役は選手スタッフ全員です。この舞台に立てる喜びに震えて欲しい。君たちが戦ったこともないレベルの選手を相手にするでしょう。

そんな相手に、うちの冨田は通用するのか、うちの久保は、田窪は、藤シュウは通用するのか。大丈夫。期待と不安はグラウンドですべて解消される。勝敗として白黒決着するからだ。こんなにも清々しく、潔く、素晴らしい舞台、そして大学という看板を背負う誇らしい舞台はおそらく人生で最後だろう。

君たちは応援されるチームになれているだろうか。160人の一人ひとりに応援される資格があるだろうか。

これまでのUnicornsは幼稚だった。幼稚ゆえの明るさや派手さがあったが、傍若無人な多くのリスクを抱えていて、それを成熟した部員と大人が影で対処してきた。これからのUnicornsは成熟した部員だけで運用していく。

いまだに「部員が部員を裁くのはおかしい」などという意見をレポートに見るが、君は、人間が人間を裁くこの社会が尋常ではなく、社員が社員を裁く会社も尋常ではないというのか。正課である学業は教員が裁くが、課外活動は学生自治が原則だ。君たちが自治の辛苦、困難を乗り越えようと努力するからこそ応援されるのではなかろうか。自治の先にある自由を享受している君たちが尊敬され、応援されるのではなかろうか。それがUnicornsが先導せんとする慶應スポーツ・インテグリティーではなかろうか。

成熟したチームは個が確立している。個人が確立しているからこそ、160人という大所帯で多様性が発揮される。多様だから華やかで、多様だから隙が無い。成熟したチームへの褒め言葉だ。1・2年生も、今や成人であり、10代という年齢が、幼いことの理由にはならない。

チームの一員として、体育会生として、塾生として自覚をもった行動をし、下級生であっても「さすが慶應」だといわれてほしい。TOP8公式戦のサイドラインでお客さんとして振る舞う部員は、観客席に行け。

サイドラインに残ることを選択するなら、声が枯れるまで出し、あらゆるチーム運営に体で貢献してほしい。あらゆる役割の部員がそれぞれの役割を果たし、しかるべき場で価値を発揮する。100人の1歩をTOP8の晴れ舞台で実現しよう。

私は緒戦を勝利して欲しいと願う。しかしそれ以上に願うことは、部員とスタッフが一丸となって試合に挑むこと、準備したことをやりきること、試合から学ぶことだ。

人生における最も贅沢な時間の一つを存分に味わって欲しい。その時間と場所を作り上げたのは(君たちのサポーターのおかげであったとしても)自分自身だと胸を張って主張して欲しい。TOP8というあこがれの舞台で、主役である君たちが躍動することを心より期待しています。毎日を濃密に過ごして下さい。

以上


シーズンインを迎えるにあたって

慶應義塾体育会アメリカンフットボール部

監督 前田 晃

日頃からUNICORNSに対し熱いご声援・ご支援を頂き、誠にありがとうございます。

シーズンインを迎えるにあたり、改めて会員の皆さまにご挨拶と応援のお願いをさせて頂きます。

昨年2021年は、再びBIG8からの出発、引続きコロナ禍による活動制限、リーグ戦の開幕延期とリーグ分割による試合数減少等々、モチベーションをコントロールすることが非常に困難な一年でありました。

その様な環境下、春シーズンに、明治大学、中央大学 同志社大学、法政大学との対戦が実現し、強豪校相手に貴重な実戦経験を積むことが出来た事もあり、秋のリーグ戦を全勝で終えて1部TOPリーグへの昇格を果たしました。

また、連盟主催の「第1回KCFA FLAGBOWL 2021」では、UNICORNS FAMILYのサポートもあり優勝することが出来ました。

そして迎えた2022年、新チーム始動のタイミングである年始から、新型コロナウイルス感染症の陽性者が多数名発生、またその発生経緯から部活動の自粛を続けておりました。

その間、義塾より「応援されるチームに値しない」との厳しい評価も受けました。

また早慶戦の他、春のオープン戦も当部の事情により中止することになりました。

関係者の皆さまにはご迷惑とご心配をお掛け致しましたこと深くお詫び申し上げます。

チームは主将の近藤を筆頭に、真に応援されるチームを目指して各種の取組を進め、5月下旬、義塾より段階的な活動再開が認められました。

その後、秋のリーグ戦に向けてチームスローガン「BE THE ONE」を掲げ、日頃からご支援を頂いている皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、精進して参りました。

秋のリーグ戦は3年振りにTOPリーグでの出発となります。

今シーズンよりヘッドコーチに就任した筒井康裕氏の指導の下、挑戦者として胸を借りるつもりで、全力を尽くして勝利を目指す所存です。

引き続き変わらぬご支援、ご声援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。