【再生PJ活動報告】第3回:選手スタッフ間WG 2021.04.08

4年マネージャー 黒木 杏奈

平素より、大学Unicornsに多大なるご支援・ご声援をいただき誠にありがとうございます。

私共、慶應義塾体育会アメリカンフットボール部は、2019年10月15日の活動自粛直後から部員全員を対象にして、当部の抜本的な体質改革を目指す「再生プロジェクト」を田中部長主導のもと行って参りました。2020年3月4日の活動自粛解除後から現在も、部の問題解決に取り組み続けており、再発防止に努めるとともに、寺岡前主将の掲げた「応援されるチーム」の実現に向けてアメリカンフットボールの技術面だけではなく、人間としての成長を目指して日々活動をしております。

本連載企画では、日頃から応援してくださるOBOGの皆様方に、私共が昨年度から取り組んでいる「再生プロジェクト」について少しでもご理解頂けるよう、活動状況について詳しくご報告して参ります。

3回目となる本記事からは、13のワーキンググループ(以降、WG)について回を分けてご紹介いたします。初めは「選手スタッフ間WG」です。

当WGでは、選手・スタッフ間で関心・敬意を持つための取り組みを行なっており、谷脇大聖(2年DB#38)をリーダーとして、2年:5名・3年:2名・4年:2名の計9名で活動しています。

13あるWGのうち、2年生をリーダーとしているのは2つあります。谷脇のような2年生リーダーを注目した記事もございますので、是非ご一読ください。(2021.03.26投稿記事)
https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210326-2/

〜「再生プロジェクト」とは〜
活動自粛後に課題抽出を行い、当部の掲げる行動規範に基づいて、大きく13の課題に分類し、解決責任を負うワーキンググループ(WG)を発足させました。全員1つ以上のグループに必ず所属し、課題解決のために議論を重ね、解決のための施策を考え、活動をしております。

1.倫理WG
2.部則WG
3.マナーWG
4.学業WG
5.リクルーティングWG
6.新入生WG
7.ストレングスWG
8.アメフトテクニックWG
9.アメフト理解度WG
10.選手スタッフ間WG
11.部員間WG
12.部員コーチ間WG
13.部員数WG

▼WG発足の経緯・背景はこちらの記事をご覧ください▼
https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210408-2/

選手スタッフ間WGリーダー:谷脇 大聖(2年DB#38)

1.WGの発足理由

自粛以前のチームの問題である「スタッフに対する敬意の欠如」と「スタッフ選手間における関心の欠如」。この二つの問題を解決し、スタッフと選手が信頼で強く結ばれたチームとして生まれ変わる為に、本WGが発足しました。

 

2.昨年の活動内容

前項目で述べたチームを作り上げるために、本WGは「スタッフに対する敬意の欠如」、「期限を守らない」、「よく知らない人がいる(偏った仲間意識)」の3つのことを解決すべき課題として提示し、これらの課題を解決するために以下の3点に基づいて解決策を考えました。

(a) スタッフ業務の見える化
(b) スタッフの気持ちの見える化
(c) 選手の気持ちの見える化

ここからは上記の3点に基づいて、昨年行われた施策をご紹介します。昨年行われた施策は以下の4つです。

(1)報告会 

報告会はマネージャー(MGR)・トレーナー(TR)・アシスタントコーチ(AC)・ストレングスコーチ(SC)の業務内容を発表する機会で、普段目に見えない各スタッフの業務の内容や思いを、選手に発信することで選手が普段どれだけ恵まれた環境でアメフトができているかを実感することを目的として実施しました。本来は対面ミーティングで行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で各スタッフが動画を公開しました。

〈報告会スライドMGR内容〉

(2)試合に向けた思いの発信

試合に対するスタッフと選手の思いを互いに知ることで関心と敬意の向上を図れると考え、毎試合前にスタッフと選手のランダムで人を選び、意気込みを発信する場を設けました。かなり読み応えのある内容で部員の士気が高まりました。

〈田窪慎(3年OL#78)の意気込み〉

<随念佳祐(4年AC)の意気込み>

(3)リマインドリストの作成

書類などの提出物の期限を守らない人を減らし、スタッフの負担を減らすために毎提出物で期限に間に合わなかった人を「リマインドリスト」として全体に公表し、当たり前のことができるチームへの第一歩を目指しました。

 

3.今年の活動内容

昨年の施策を経て、今年度以下のような課題に注力します。

・スタッフ選手間の関係のさらなる向上
・期限を徹底して守る
・SNS情報ツールでのリアクション率の低さ
・将来的なスタッフの業務負担の多さ

これらの課題を解決するために昨年の施策を強化する形で以下のような施策を考えています。

①スタッフ選手に対する質問

関係をよくする前提としてお互いがどのような思いを抱いているのかという現状を把握することから始め、アンケートをとりました。また、そのアンケート結果をこれから本WGが施策を考えていく上でも参考にしていきます。

②リマインドリストの強化

期限の遅延をすべてにおいて減らすために昨年実施していたリマインドリストの範囲を「期限のついているもの全て」に設定し、よりスタッフの業務負担を減らします。

③新入生に対する説明会

今後新しくスタッフの業務の理解不足や軽視などの問題を増やさないように新入生として入ってきた部員に対しスタッフの業務や思いについての説明会を実施します。

④スタッフの仕事体験

選手がスタッフの仕事を体験する日を設けます。選手には普通に練習しつつ、練習前後に専門性のないスタッフの仕事を行います。これは将来スタッフがもしいなくなってしまった時も、選手にスタッフの仕事を回すための準備としても機能すると考えています。

 

4.WG所属メンバーの思い

このような活動を行なっていく中で、本WGのメンバーはどのような思いでこのWGに参加しているのか、3名についてご紹介致します。

・小杉優(2年MGR)

「様々なWGがある中で、当事者意識を持って関わっていけると思い、このWGを志望しました。また、選手・スタッフ間の現状を知らずにこの部活に入部したため、新鮮な気持ちを役に立てたいと思います!」

・広中雄匡(4年OL#69)

「自分が一番力を発揮できるところだと思ってこのWGに入りました。コミュニケーションを男女間で取る必要性をこの3年間で感じてきました。人とうまく関わっていく上で相手のことを考える必要性を周囲の人に感じ取って欲しかったこともあり、このWGで自分がその関係性の構築を体現していきたいと思っています!」

・谷藤明拓(4年AC)

「まず前提として共に切磋琢磨しているスタッフが軽視されているのが、許せなかった部分がありました。私は塾高Unicornsで選手を経験してきたことや、ACというポジション柄、スタッフのなかでも選手に近い存在だと認識してきました。選手スタッフ、双方の思いが分かる私だからこそ、双方の思いを汲み取り信頼関係を生むことが出来ると思います!」

今年はスタッフ選手間の関係改善の土台となった昨年の施策を強化するとともに、自粛以前の状況を知る代が卒業してしまったあとの将来のことも考える年にしたいと考えています。