関西の強豪校を軒並み撃破し、5度目の優勝！

ゲームレポート

グランドユニコーンズ前副将　川村育太郎（S62年卒）

勝利の後、大西主将を胴上げ（写真提供：岡見清隆さん）

グランドユニコーンズ（GU）は7月6、7日の週末に大阪・エキスポフラッシュフィールドで行われたフラッグフットボールのチャリティー大会「New Era Huddle Bowl（NEHB）2019」のレギュラーカテゴリー（参加資格：35歳以上）で2014年以来5年ぶり2度目の優勝。シニア、一般カテゴリーを含めてハドルボウル5度目のタイトル獲得を果たした。

2013年以来毎年1月末に川崎球場で開催されている「The Huddle Bowl」では過去4度の優勝を果たしているGUも、大阪遠征は大の苦手。これまでは最高で2回戦進出止まり。しかも今大会は初戦の相手は、NEHB第1回？第3回まで3連覇を達成した強豪で今回も優勝候補の神戸大。しかし攻守に若手の活躍があり早々に14-0とリードすると攻撃的な守備で試合の主導権を握り21-6で快勝。

続くフィジカルアスリート集団・大阪体育大戦との2回戦にも、後半に逆転勝ちで目標の2回戦突破を達成。大会2日目につなぐ。初日の夜恒例の懇親会では辻先輩（S47卒）をはじめ、高島君（S63卒）、西君(H3卒)、加藤君(H7卒)らが合流。翌日に向けて激励をいただいた。

2日目は昨年2回戦で敗れた立命館大との3回戦。

この試合も序盤リードを許す苦しい展開ながらも後半にしぶとく逆転勝ちで昨年の敵討ちを果たし、ついに大会4連覇を目指す同志社大との準決勝に進出。同大戦は先行されるも前半終了間際に逆転。しかし後半になって逆転されてしまう。試合終盤、19-20からのドライブ。相手の反則にも助けられ、試合時間残り1分あまりで25-20と逆転。その後、最後の同志社ドライブを「秘策」ダブルラッシュでストップ。同志社大4連覇の夢を打ち砕き、ついに決勝進出を果たした。

決勝では年末の甲子園ボウルでユニコーンズが戦う可能性が高い前年度学生チャンピオン・関西学院大学(KG)。（KG QBは有馬隼人さん）

この試合ではGU守備陣がプレッシャーをかけまくり、KGオフェンスを痛めつける。前半を14-0で終えたGUは後半無得点ながら守備陣がKGの必死の反撃を1TDに抑え込み、ファイナルスコアは14-7。アウェーの関西大会、しかも最も条件の厳しいレギュラーカテゴリーで頂点に立った。

シニアカテゴリーMVP山田健二郎さんのラッシュ（写真提供：岡見清隆さん）

GUは4月30日の一般カテゴリー「平成最後の日スペシャル」大会でも優勝しており、これで約2か月で2度目の「日本一」達成となった。この快進撃の裏には何と言っても守備力の充実がある。もともと守備選手の能力は高かったが、昨年秋に着任した深山（靖）（S60卒）副将の綿密なスカウティングと個々の能力を見極めた采配が効果を挙げており、今大会でも抜擢された小林、菅（ともにH7卒）益田（H9卒）らが要所でビッグプレーを見せた。

攻撃面で言えば昨秋から参戦した須田（H12卒）、黒田（H19卒）の活躍が大きい。黒田は大会エントリー基準下限ギリギリの35歳。若さを爆発させ、今大会７TDの大活躍。30後半・40代のニューフェース選手が優勝に大きく貢献してくれたことが嬉しい。

長くなってしまったが、最後にどうしても以下のエピソードを紹介させてほしい。大会翌日の月曜日、あるKGのOBがこんなことをSNSで発信していた。『昨日、最後までエキスポにいたのですが、便所に行った際、慶應の#17番の方が一人残って便所掃除をされていて、さすが優勝したチームは凄いなと、感動していました。慶應の方はスタンドの雑巾掛けも綺麗にされていて、ウチはやってないと聞いたので、慌てて最後やりましたが、勝ち負けだけでなく、そういったことも大切にしていきたいなと思った次第です。』

「＃17番」とはGU大西謙一郎主将(H6卒)のことである。彼は準決勝と決勝の間の休み時間にわざわざ片道10分以上歩いてスーパーに行き、トイレ掃除の道具を購入してきたのだそうだ。そしてスタンドの雑巾がけを率先してやっていたのが、大会MVPの山田健二郎（S63卒）であった。

筆者は、年功序列に関係なく気が付いた者が率先して行動を起こす、このような素晴らしい男たちと共にプレーできることを心から誇りに思う。

「New Era Huddle Bowl 2019」グランドユニコーンズ戦績

（レギュラーカテゴリー）
1回戦　21-6神戸大
2回戦　22-18大阪体育大学
3回戦　29-12立命館大学
準決勝　25-20同志社大学
決勝14-7 関西学院大学
大会MVP 山田健二郎（H1卒）

（シニアカテゴリー）
1回戦19-20 FIVE STAR
交流戦32-12信州大学

なお、インターネットTV「rtv」のアーカイブ放送で下記3試合が視聴可となっています。

「New Era Huddle Bowl 2019 Day2」
シニア交流戦　VS信州大学　開始から1時間16分経過くらいから
レギュラー準決勝戦　VS同志社大学　開始から3時間15分くらいから
レギュラー決勝戦　VS関西学院大学　開始から5時間58分くらいから