試合結果
2025年4月20日(日) 慶應義塾大学 対 関西大学
14:00 Kick Off @関西大学千里山キャンパス 中央グラウンド
天候 晴
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
慶應義塾 | 0 | 7 | 0 | 14 | 21 |
関大 | 28 | 7 | 14 | 10 | 59 |
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はじめに
清水利彦(S52卒)
今回急遽、関西大学戦のゲームレポートを書くことになりました。
下準備(チーム状況の確認等)を何もしないままレポートを書きますので、全て「多分こういうことなのだろう」という私の推測・憶測で書いておりますことを何卒ご容赦ください。また試合のスタッツに関する記述は、私が個人的につけたスコアブックに基づいていますので、正確なものではありません。
さて「慶應は甲子園ボウルで関大と対戦したことがある」と書きますと、ご存じではなく驚かれる若手卒業生の方も多いのではないでしょうか。
第1回から第5回までの甲子園ボウルの対戦結果は次の通りです。
第1回 1946年度(1947.4.13) 慶應 45-0 同志社
第2回 1947年度(1948.1.1) 関大 6-0 明治
第3回 1948年度(1949.1.9) 慶應 14-7 関大
第4回 1949年度(1949.12.18) 関学 25-7 慶應
第5回 1950年度(1950.12.10) 関学 20-6 慶應
関大の創部は慶應と同じく1935年です。関西で最も古いチームとなります。
関大の歴史については2022年11月に掲載したコラムを読んでください。
【清水利彦コラム】関大vs立命戦観戦記、そして関大の歴史 2022.11.04 | アメリカンフットボール三田会 (keio-unicorns.com)
春の試合スケジュールが発表され、「今年は春に2回、関西遠征をおこなう。同志社定期戦と、あと一つは関大戦」と聞いて、驚くと共に、今秋に賭けるチームの意気込みを感じました。

秋シーズンを見据え関西の地に乗り込んだ慶應UNICORNS。(写真提供:海老谷成臣)
関大は昨年、関西一部リーグ3位となり、新制度になった大学選手権に出場しましたが、準々決勝で早稲田と大接戦(31-28)の末に敗れています。慶應は関東3位でしたから、今回は「昨年の東西3位同士」の試合が組まれたわけです。
選手権が新制度になって、「関西のチームを一つか二つ倒さないと日本一にはなれない」わけですから、春の段階から「関西強豪チームのレベル」と「ユニコーンズのレベル」を確認し、比較しておくことは非常に意義があります。
なお、2年前にも慶應は関大と春のオープン戦を組んでおり、13-27で敗れています。
この試合が「15分クォーターでおこなわれる」と聞いて、本当にびっくりしました。大学選手権の準決勝・決勝は15分クォーターですから、試合時間が長い分、その辛さや体力的負担を今のうちに経験しておこうと両校が考えた結果の取り決めでしょう。このことにも大変意義があると感じました。
試合場が「関大千里山中央グラウンド」と聞いて、法政武蔵小杉や早稲田東伏見などと同様な練習グラウンドを想像される方が多いと思いますが、全く違います。観客3000人を収容できる、陸上競技兼球技用の本格的な人工芝スタジアムです。スタンドが片面だけでビジター校側に観客が入れないのが唯一の残念な点ですが、慶應日吉陸上競技場をはるかに収容能力で上回る立派なスタンドがあります。中央グラウンドと呼ばずに、「カイザー(関大の愛称)・スタジアム」などと名付けた方が良いのではと感じました。
フィールドを見ると、5ヤード毎の白線が引かれていないので不思議に思っていましたが、なんと人工芝が5ヤード毎に、濃い緑色の芝と、明るい緑色の芝に分けて敷設されており、白線がなくてもわかるようになっているのです。このスタジアムは「アメリカンフットボールの試合をおこなうことを想定して作られている」わけで、関西大学自体がアメリカンフットボール部を重要視していることが痛切に感じられます。
また試合当日は、「カイザー・ボウル」と名付けられ、「春のホームカミングデー」のような位置づけで、関大ファンが集うイベントとして開催されています。試合前には両校の校歌・塾歌斉唱があり、コイントスには、子供たちが主将・副将に手をつながれてフィールド中央に登場します。食べ物を売るワゴン車まで用意されており、場内アナウンスで「本日の入場者が1300人を超えました!」と発表され、盛大な拍手が沸き起こりました。素晴らしいイベントをなさっているなと感じました。
ゲームレポート
前置きが長くなりましたが、試合の内容をお知らせしなければなりません。大変つらいゲームレポート作成となりました。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
関大 | 28 | 7 | 14 | 10 | 59 |
慶應 | 0 | 7 | 0 | 14 | 21 |
第1Qの攻撃権結果が全てを物語っていると思いますので掲載します。
15:00慶應キックオフ 関大53ydのロングリターンで慶應陣37ydへ
14:47関大 ファーストプレーで37ydパス成功 TD 関大7-0慶應
14:15慶應 自陣33ydにてファンブル喪失
12:18関大 パスを慶應にインターセプトされる
10:37慶應 3&outでパント
9:04関大 ランで62yd独走 TD 関大14-0慶應
8:57関大のキックオフを慶應ファンブル喪失
6:03関大 25ydドライブ TD 関大21-0慶應
4:01慶應 3&outでパント
0:57関大 50ydドライブ TD 関大28-0慶應
2年前の関大戦の時には、私は「個々の選手の力量は慶應も決して劣っていないが、プレーの熟練度、ボールコントロール、試合運びにおいては関大が上」であるという印象を持っていました。
しかし、今回は残念ながら「ブロック力、タックル力、走力、パス力等において、総じて関大が上回っている」と認めざるをえないと考えます。ファーストダウン数は関大24、慶應8でした。
慶應の主力選手数名がケガのため出場できず、「角落ち将棋」のような状態であるとは聞いていましたが、チーム全体がファンダメンタルで負けていると感じました。しかも関西には関大と同等、あるいはそれ以上に強いチームがあと二つ(関学・立命館)あるのです。
敗戦の中で光明と思われたのがパンターの加藤雄大(2年、本郷高)です。蹴った後、グーンと伸びていくような滞空時間の長いパントで、しばしば窮地を救っていました。また、昨年のイヤーブックには大量56名の部員が入部したと紹介されていましたが、この日も多くの2年生が出場しており、将来が楽しみと感じました。

活躍から目を話せない2年DB/P#32加藤雄大(理・本郷)(写真提供:海老谷成臣)
4月19日のアメリカンフットボール三田会総会で、ユニコーンズの今年の目標が「日本一」であることが発表・確認されました。その翌日にこの敗北を味わったわけで、非常に厳しい現実となりました。
横手主将をはじめとする新チームにとって初めての、そして大きな試練・逆境を迎えることになると考えています。

多くの下級生・未経験者が出場。実戦を積んで経験値をあげている。(写真提供:海老谷成臣)
私から現役諸君達に言えることは何もありませんが、次の偉人たちの名言が彼らにとって少しでも励ましになれば嬉しく思いますので紹介します。
「逆境を経験すればするほど、君は精神的にタフになる。
そして逆境を乗り越えれば乗り越えるほど、君は強くなり
逆境が訪れても何ら動じることはなくなる。
だから逆境を味わうことは、自分が大きく強くなるための
チャンスだと考えればよいのだ。」
ジョン・ウッデン UCLAバスケットボール部伝説の名コーチ
「自分たちが逆境に立たされていても何も悲しむことはない。
『逆境に立つ』ことがチャンピオンへ向かう道のりの
最初の一歩なのだから。」
ビンス・ロンバルディ グリーンベイ・パッカーズ・コーチ
「敗北とは何だろう?
敗北とは教訓であり、改善のための第一歩である。
敗北が自らの骨を火打ち石のように硬くし、
たくましい筋肉を作り上げ、無敵の人間を育てる。
だから敗北を恐れてはならないのだ。」
ビンス・ロンバルディ
「人が敗北者となるには、たった一つの方法しかない。
それは『あきらめる』ことだ。
君が、『そんなことは私には出来ない。無理だ。』と
あきらめた瞬間に、君は敗北者となるのだ。
しかし、もし君が『自分は絶対にあきらめない』と心に誓い、
渾身の努力を続けるのならば、
君はいつか、必ず勝利者になれる。」
エドワード・エグレストン 19世紀米国の歴史家、小説家
「倒されたことなど、少しも気にすることは無い。
大切なのは、君たちに
『再び立ち上がる気があるかどうか』なのだ。」
ビンス・ロンバルディ
「勝った時は謙虚にならねばならないし、
負けた時も謙虚にならねばならない。
そして、負けた時に謙虚になる人間は、
いつか必ず勝つ。」
ポール・ベア・ブライアント アラバマ大コーチ
「清水利彦のアメフト名言・迷言集」
https://footballquotes.fc2.net/
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