ベストゲームなるものの
僅かに及ばず早慶戦敗れる
試合結果
10月11日(月祝) 慶應義塾大学 対 早稲田大学
15:00 Kick Off @富士通スタジアム川崎
天候:晴れ
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
慶應義塾 | 7 | 6 | 0 | 0 | 13 |
早稲田 | 0 | 7 | 0 | 21 | 28 |
試合レポート
広報部会 山田健太(H7年卒)
惜しかった。
実に惜しい試合で選手たちも口惜しさしかないと思う。
大混戦の中、唯一全勝をキープする現在リーグ最強の早稲田に対し、3Qまでリードする堂々の戦い方。
タラレバがあるとしたら、好機を逃した3Qのシリーズ。
徐々に早稲田がペースを取り戻し、反撃ムードが漂いつつも、ディフェンスが脅威的な粘りを見せ均衡を維持。
リーグ屈指のパンターに育ったP#32加藤(2年・本郷)の飛距離あるパントでフィールドポジションを回復させるなど、Unicornsも渾身の踏ん張りを見せていた。
そんな中、敵陣でディフェンスがビッグプレー。DB#0千葉(4年・鎌倉学園)のハードタックルでボールが浮き、LB#13赤木(4年・鎌倉学園)がキャッチ。
願ってもない敵陣30yというフィールドポジションでオフェンスを得た。
この時点で6点リード。
TDなら言うことなしだが、すでにフィールドゴール圏内であり、3点の追加であっても2ポゼション差が作れ勝利に大きく前進できるシチュエーション。
ここで、反則などがあり痛感の無得点。
タラレバではあるし、このドライブだけが敗因ではないが、象徴的なドライブになってしまった。

4.5タックル、1ファンブルフォースを記録したこの試合のキーマン、DB#0千葉(4年・鎌倉学園)
試合を振り返ると、まず、信じられない位にディフェンスが復活。
何があったのか?
何が選手たちを変えたのか??
僅か1週間でここまで変われるのだと感嘆するレベルで成長。
前節から回復の兆しはあったが、この試合は全盛期を思い出させてくれるナイスディフェンス。
関東最強レベルで、ここ数年、縦横無尽に走られてきた早稲田RBを幾度となくロスタックルでしとめ、また、1発目が外されても2発目、3発目、4発目のタックルが入りロングゲインを許さない。課題であった運動量も素晴らしく、プレー終了時点でUnicornsディフェンダーが何人も集まっているシーンが何度もあった。

急成長を遂げ、関東屈指の早稲田RBを再三ロスタックルに仕留めたディフェンス陣
圧巻はフォースダウンのギャンブル。
自陣40y付近でフォースダウンを迎えるケースが多く早稲田は3、4回ギャンブルを敢行。
最強RBがいるフォースダウンショートほど厄介なものはないが、これをことごとくストップ。
信じられない集中力であった。
オフェンスも、早稲田相手に大量得点が取れる訳でもない中、工夫を凝らしながら前半は素晴らしいパフォーマンス。
ファーストシリーズから、ブロッカーを多く入れ、力強くランプレーで押し込み試合の主導権を握る。RB#92石井(3年・塾高)の力強いランプレー、QB#8山岡(4年・佼成学園)の立て続けのナイスランで先制TDを奪う!!
その後も随所にスペシャルプレーや変則的なフォーメーションを織り交ぜ早稲田に的を絞らせず懸命なドライブを続けた。
圧巻はフィールドゴール2本成功させたK#39北村(2年・宇都宮短大附属)。
1つ目は、49yの長い距離を沈めるビッグキック!!
前のゲームレポートで長距離の精度がもう少しと書いてしまった事を謝らないといけない素晴らしい仕事をしてくれた。
2つ目は、前半ラストプレーでのトライ。
前のプレーで、QB#8山岡が渾身のQBダイブで5yをもぎ取る。
TDを狙うロングパスという選択肢もあったかもしれないが、K北村の負担を減らす5y前進を選んだクレバーなプレーコールであり、山岡のガッツプレーであり、そして、その期待に応える、決して易しくない40y超えを決めてくれた!
得点チャンスをしっかりと得点で終わる。
強敵相手に、攻守がやるべきをやり13 対 7とリードして前半を終えた。
後半もディフェンスは耐えに耐えたが、オフェンスが完全に圧倒されだし追加点が遠い。
もう1つのターニングポイントを上げるとすればパントミス。
スナップが乱れ、蹴ることが出来ない手痛いターンオーバー。
このミスを早稲田が見逃すはずもなく遂に逆転を許してしまう。
突き詰めれば、最初の早稲田のターンオーバーを得点できず、こちらのミスは得点に繋げられた。
この勝負勘の違いが敗因かなとも思う。
しかしながら、脅威的なディフェンスの復調は本当に心強いし、何よりも「変われる」事を証明してくれたと思う。
復調のディフェンスは、DLの安定感が増してから見違えるようになったが、オフェンスも、この試合はラインズが早稲田DLを押し込むシーンも多々あり、シーズン当初に比べ力強く成長をしてきたと思う。

早稲田の強力DLを相手に安定したパフォーマンスを披露した#73大坪(4年・佼成学園)

#79丹羽(3年・塾高)らOL陣は最後まで高い集中力を見せた
あまりオフェンスラインに触れてこなかったが、この試合のスターティングラインナップは#53上口(4年・鎌倉学園)、#65松江(1年・塾高)、#73大坪(4年・佼成学園)、#77岩戸(3年・塾高)、#79丹羽(3年・塾高)という布陣。
オフェンスも、まだまだ成長余力があるはずだし、要のラインズが良くなってきているので期待したい。
日本一になることは出来ないが、リーグ戦が終わる時に1番強いチームにはなれると思う。
リーグを通じ、1番成長し、1番強く終わる。
最初は弱かったけど、最後は1番強く終わる。
これは諦めなければ出来る。
しかも出来たらカッコ良い!
そんな姿を楽しみに、次節は昨年チャンプの法政へ全力チャレンジして欲しい!