【イヤーブック抜粋企画】主将・副将・主務対談取材「“WE DO”ではなく“I DO”」 2021.10.14

アメリカンフットボール三田会
会員親睦部会 情報発信担当
髙木 慶太(H7年卒)

先般発行しました「2021オールユニコーンズ オフィシャルイヤーブック」において、TOP8昇格に向けてチーム全体を力強く牽引し続けている幹部(主将・副将・主務)の対談取材を行いましたが、一人でも多くの方に幹部たちの熱い想いを知っていただきたく、Unicorns Netにおいても抜粋投稿させていただきます。
先週よりリーグ戦が開幕しましたが、更なる熱い応援に繋げるべく是非ご一読いただけると幸いです。


左から、主務 山村健人、主将 DL#9佐藤理貴、副将 LB#33橋本拓哉、副将 OL#77簗瀬真史

【主将 佐藤】自分の物差しだけで見ない。
【副将 橋本】学生主体のチーム運営が自信になっている。
【副将 簗瀬】OFFENSEのレベルアップはまず自分から。
【主務 山村】スタッフこそ全員が一本目を目指す。

それぞれ個性も雰囲気もバラバラ ながら、数々の試練を乗り越えた者 同士の一体感がこの4人にはある。 リーダーがチームの本質を映す鏡な ら ば 、今シーズンのUNICORNSは一つの覚悟で固く結ばれた逞しき個 性派集団と言えそうだ。

――主将から見た3人は?

佐藤:橋本は再生プロジェクトの統括でもあり、先回りして物事を考え、足りないものを常に提案してくれる、僕の右腕的存在です。部員たちの非常に良いロールモデルになっていると思います。
簗瀬の魅力は、やはり圧倒的なその強さ。チームで一番強い人間が副将として運営に携わることで、その頼もしさゆえに他のメンバーを引っ張ることができる、そういう存在です。普段はおちゃらけていることもありますが、やる時はやるからこそいざという時の影響力は大きいです。
山村の武器はチームに対する発信力や影響力ですね。マネージャーとしてのキャリアの浅さを心配する声もありましたが関係者や体育会とのやり取りにおいてもしっかりと活躍していて、僕らが今こうして部活動ができているのも彼のおかげです。

――3人から見たキャプテン評は?

簗瀬:高校1年生の時点で既に圧倒的なリーダーシップがありました。リーダーの中には結果的に嫌われ役になってしまう人もいますが、佐藤の場合は面倒なことを言っても全員から慕われていて、そこが凄いなと。

橋本:感情のコントロールが上手いです。僕も彼とは高校生の時からチームメイトですが、感情に左右されずリーダーとして何をすべきなのかをぶれずに見据えているところはずっと変わりません。

山村:僕がマネージャーに転向する時にもしっかりと向き合ってくれて、きっと他の部員にも同じように接するのだろうということがわかるので、信頼されるのだと思います。大学3年生の時点でも臆することなくハドルで言うべきことは言っていましたね。

――キャプテンシーを発揮するにあたって心がけていることはありますか?

佐藤:大学生と言えども様々なバックボーンを持った人間の集まりなので、「自分の物差しだけで見ない。人の立場に立って物事を考える」ことを大切にしています。それぞれの正しさがあるので、一つに固執しないようにすることも意識しています。

――それぞれの“I DO”を教えてください。

山村:部員全員とたくさんコミュニケーションを取ることです。学年に関係なく全員が同じレベルでスタッフの仕事を遂行できるように「スタッフは全員が1本目を目指そう」ということも心掛けています。

佐藤:グラウンドで守るべき5原則を着実に浸透させることです。それに加え、「UNICORNSはTOP8で優勝争いをするべきチーム」であることをチーム全員に意識させるようにしています。

橋本:「自発的に行動させるための働きかけ」を常に考えています。慶應が日本一を狙える常勝チームであるためには部員全員が自発的、能動的にアクションを起こせることが重要なので、その土台作りに注力しています。

簗瀬:自分自身が高みを目指してレベルアップし、その結果OFFENSE力を上げることに集中して取り組んでいます。

――春の試合を振り返ってください。

山村:春先に決めたことをまだやり切れていませんでした。秋に向けてむしろ選手よりスタッフの方がチームの決め事に対して率先して動くことを徹底したいです。

佐藤:タイトなスケジュールの中、しっかり準備をして明治、中央、同志社に勝てたこと。チームにとって自信になりました。一方、反省点はOFFENSE、DEFENSE、KICKINGが噛み合って勝った試合がなかったことです。

橋本:スコアだけを見れば圧勝した試合は一つもありませんが、点差以上に自信を持ってプレーできたことは大きな収穫です。学生が主体性を持ってチーム運営をしているという自信が精神的な拠り所になっているのかもしれません。

簗瀬:勝てたこと自体は収穫ですが、OFFENSEが機能して気持ちよく勝てた試合がなく、DEFENSEとKICKINGに助けてもらった印象です。OFFENSEの全ポジションに課題と伸び代があります。

――法政に勝っていたら?

佐藤:それはそれで雰囲気よく練習できていたかもしれませんが(笑)、個人的には一生忘れられない悔しい敗戦でした。

――活躍が目立った下級生は?

佐藤:2年DL#92鎌田です。元々能力が高く、取り組みもストイックでストレングスもチームトップクラス。これからのUNICORNSを背負う選手です。もう一人は、キックオフリターンチームのリーダーの3年LB#4小村を挙げたいです。怪我で試合になかなか出られず悔しかったと思いますが、精度の高いスカウティングと綿密な準備でチームに大きく貢献してくれました。

橋本:2年LB#8松尾です。普段は全く感情を表に出さないのですが、本人も「メットかぶると変わっちゃうんですよ」と公言していて、フィールドに立つと豹変します。KICKINGでもDEFENSEでも熱いプレーで存在感をアピールしていました。

佐藤:豹変する以外のところもコメントしておきます(笑)。KICKINGの全てに出ていて、貢献度が高い選手です。

簗瀬:OLで挙げるなら、3年OL#78田窪、2年OL#79飯田です。来年以降を見据えた時にキーマンになるであろう二人です。OLは5人の一体感が大事なので、個の能力を上げるだけでなくコミュニケーションの重要性も理解してもらえたら、さらにレベルアップすると思います。

山村:2年MGR小杉です。どんな業務に対しても自主性の塊です。新しいことへのチャレンジ精神も旺盛。かつ人が嫌がることも率先して対応し、キャラクターも良い。下級生からマネージャーを押し上げてくれる存在です。

――秋の対戦相手で要警戒は?

佐藤:正直なところ、情報が少なくて特定のチームを挙げるのは難しいですね。一戦必勝が基本ですが、対戦相手がどこかということよりも初戦の戦い方が大事だと思っています。いかに自分たちのフットボールをやりきるが鍵です。

――試合日程が変更されたことの他に何か懸念点はありますか?

佐藤:慢心。地に足の着いた試合ができるか。それから、怪我ですね。主力が抜けた時に穴を埋める下級生が育っているか。もちろんコロナの感染状況も気になりますし、計算しておかなければならないリスクは少なくないです。楽に戦えるシーズンだとは全く思いません。

――今年のチームの推しポイントを教えてください。

佐藤:KICKINGです。自分自身が昨年KICKINGリーダーをやっていたこともあって、KICKINGには特別な思い入れがあります。各KICKINGリーダーが自分たちでスカウティングをし、サインをコーチに提案して何度もダメ出しをされながらも必死に食らい付いて準備をしてきました。単なる攻守の繋ぎ役ではなく、ゲームチェンジャーとしてKICKINGにプライドを持っていることがしっかり伝わるプレーをしたいです。

橋本:DEFENSEスローガン“HARD”を体現する「集まり」と「ボールアタック」に注目してください。これまでUNICORNSにはない泥臭さも持ち味だと思っています。フットボール未経験ながら既に頭角を現している1年SB/K黒澤に続く下級生の活躍にも期待してください。

簗瀬:最後までやりきる姿を見てもらいたいです。3年WR/P#13山下はその象徴的存在で、ランブロックにも決して手を抜かず、個人的に推したい選手です。関学のようなチームに近付くためにもWRのブロックをはじめ細かなところを徹底することの重要性を強く感じています。

山村:無観客開催ではありますが、フットボールの魅力やおもしろさをぜひライブ配信やEngateで体感していただきたいです。