清水 利彦(S52年卒)
shimizu.toshihiko2@gmail.com
全米カレッジフットボール速報
ランク上位校に大きな変動はありません。①ジョージア大、②オハイオ州立大、同率②テネシー大、④ミシガン大、⑤クレムソン大、⑥アラバマ大、⑦テキサスクリスチャン大
今週11/5に、テネシー大atジョージア大という、1位と2位の激突があります。
前回のコラムで、ユタ大の特製ヘルメットについて紹介し、「1試合だけしか使わないのは勿体ない」などと書いてしまいましたが、10/29のワシントン州立大(アウェーで勝利)でも使用していました。ユタ大は6勝2敗ですが、このままレギュラーシーズンを勝ち続ける公算大です。(11/19オレゴン大戦が天王山)USCを破って一気に上昇したモメンタムを、特製ヘルメットを使い続けて維持しようということでしょうね。昨年に続いてPac12連覇の可能性も残しています。
関東学生リーグ TOP8の現状
「二次リーグでは、一次リーグの勝ち点を引き継いで順位を争う」とのことです。慶應が横国に勝ち、日大が桜美林に勝ったので、現在の下位グループ順位は一次リーグの勝敗結果を含めて考えますと次のようになり、現時点では慶應・日大・桜美林の3校が同じ勝ち点で並んだことになります。3校が同じ勝ち点で並ぶケースも可能性有りで、(その場合は3校間の得失点差)最後まで気が抜けません。
※3校が三つ巴となり同じ勝ち点で得失点差の争いになるのは、「桜美林が横国に負け、慶應が日大に勝ち桜美林に負け」という条件に当てはまる場合のみです。3チームとも横国に勝ち、3校が三つ巴の場合は、「桜美林が4勝で1位通過。2位は当該校対戦結果により慶應」となります。
(残る対戦相手)
(1)慶應 2勝3敗 日大、桜美林
(1)日大 2勝3敗 慶應、横国
(1)桜美林 2勝3敗 横国、慶應
(4)横国 0勝5敗 桜美林、日大
同様に上位グループを眺めますと、次の通りです。
(1)早稲田 5勝0敗 明治、法政
(1)法政 5勝0敗 中央、早稲田
(3)明治 3勝2敗 早稲田、東大
(4)中央 2勝3敗 法政、立教
(4)立教 2勝3敗 東大、中央
(4)東大 2勝3敗 立教、明治
こちらは1敗のチームがなくなりましたので、すでに首位争いは早稲田と法政に限られています。第6節の試合結果にかかわらず、最終節の直接対決の勝者がTOP8優勝となり、東日本選手権に進出します。
関大vs立命戦観戦記、そして関大の歴史
私は2019年12月に東京での単身赴任生活を終え、兵庫県の自宅に戻りましたが、コロナ禍発生のためそれ以降、関西学生リーグの試合も一切観ておりませんでした。このたび10月30日、同期仲間のO君、T君とともに久しぶりの関西学生リーグ戦を楽しみましたので、その内容を報告します。
結果は大接戦の末、関大26-21立命となりました。最後までハラハラドキドキ、本当に面白い試合を堪能させていただきました。この結果により、11/13の関学vs関大戦が天下分け目の戦いとなります。
関西大学というチームをちょっとご紹介しましょう。
日本アメリカンフットボール協会資料によりますと、日本のアメリカンフットボールの歴史は、1934年に明治・立教・早稲田の3校にて創部されたのが起源となります。翌1935年に慶應・法政・関大の3校が誕生しましたので、慶應と関大は同い年生まれということになります。
ただし、関西における次の創部は、1940年の同志社、1941年の関学ですので、1935-39年の5年間、関西には関大1校だけが存在したことになります。1935年の12月1日に法政が関西遠征し、法政43-0関大、12月15日には慶應が遠征し、慶應23-0関大という記録が残っています。
1941年から関大・同志社・関学で開始された関西学生リーグに参加。1947年関西リーグ優勝とともに、第2回甲子園ボウルに初出場し、関大6-0明治で日本一となりました。以後約30年間、関西リーグで2位または3位となることが多く、常に関学が「超えられぬ壁」として立ちはだかっていました。
その後、次第に関西で勝てなくなり、1974年初めて二部との入替戦出場。1982年(昭和57年)初の二部降格。5年後に一部に戻るも、1987年2度目の二部降格。1993年3度目の二部降格、1999年4度目の降格と、入替戦の常連となった時期もありました。
しかし、2003年に一部復帰していきなり4勝3敗と勝ち越し。ここからは「関学・立命には勝てず、3位~6位が定位置」となる時期が6年間続きます。
そして2009年、前年5位であった関大はリーグ戦前半から関学・立命と対戦。関学に17-13、立命に14-7で勝利すると、もう関大を倒せるチームはおらず、7勝0敗で突っ走り62年ぶりのリーグ優勝、そして甲子園ボウル出場を果たし、50-38で法政を粉砕。1947年以来、62シーズンぶりの日本一復帰となりました。
実は、2008年までは「甲子園ボウル優勝から最も長く遠ざかっているチーム」は関西大学だったのですが、2009年からは慶應(第1回、第3回優勝校)がその汚名を背負うことになったわけです。(現在74年遠ざかっている)
関大は2009年以後「万年3位」のような戦績に甘んじていましたが、今年13年ぶりに甲子園出場をうかがう地位まで昇ってきたことになります。
さて、関大vs立命館戦の話に戻りましょう。両校とも非常にレベルの高いプレーを展開しています。関西の代表と言えば常に関学ですが、立命も関大も、関東の強いチームが対戦しても果たして勝てるのだろうかと思うような強さです。負けた立命館も、#4QB庭山(立命館宇治出身、3年)が素晴らしいです。「小柄だが頑丈。俊足・俊敏」で、運動能力の高さをひしひしと感じます。昔のオクラホマ大QBスティーブ・デービスを思い出しました。(比喩が古過ぎて、全く共感を得られませんね)
以前、コラムに書きましたが、試合場のヨドコウ桜スタジアムが素晴らしかったです。天然芝の球技専用スタジアムで、収容人数が多い(24,500名)ですし、どこからでもプレーが本当に良く見えます。こんなスタジアムが東京にも有ったらな、とつくづく思います。(Jリーグ・セレッソ大阪の球技場なので、フットボールでは極くわずかしか使用できないのが残念)
【清水利彦コラム】1800号記念「清水のスタジアム論」 2021.12.23 | アメリカンフットボール三田会 (keio-unicorns.com)
関西学生リーグでは、どの試合でも開始前に両校の応援団による校歌の斉唱とエールの交換がおこなわれます。これはとても良い習慣だと感じています。普段、校歌(慶應の塾歌)を歌える機会が非常に減ってきていると危惧しています。ユニコーンズ卒業生の皆さん、歌詞カードを見ずに、塾歌をちゃんと歌えますか?
卒業生の皆さんには、入社後の数年間を関西勤務で過ごす方も多いと認識しています。「関東を離れて寂しい」と嘆くよりも、「関西に来たのだから、関西強豪校の試合を観られるチャンス」と受け止め、試合場に足を運んでみられたらいかがでしょうか。
「清水利彦のアメフト名言・迷言集」
https://footballquotes.fc2.net/
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