【三田会コラム】2022シーズン総括 2023.01.12

アメリカンフットボール三田会
広報部会
山田 健太(H7年卒)

ユニコーンズネットで情報をしっかりと追われている方には十分承知のことですが、1シーズンが終わりましたので、私なりの総括をお届けしたいと思います。
(チーム関係者ではないので、推測や想像を交えて書くことをご了承ください)

定期的に大学の情報をお届けしておりますが、秋シーズンが始まるまで、少し大袈裟に言えば、不安と絶望しかないという感じでした。
書いていて悲しくなるばかり。
練習すらできず、早慶戦含め、春の定期戦、OPEN戦が全て中止。力になりたくてもなれず、私の絶望の1000倍は辛かったであろう部員たちがただただ可愛そうでした。
ディビッドHCの退任と続き、とにかく日本一云々ではなく、そもそも戦えるのかの心配ばかりでした。

法政戦で始まったリーグ戦。
1Qだけ見ると素晴らしい出来でしたが、やはり、地力の差を見せられ敗退。
立教戦も良い試合でしたが、やはり試合慣れしてないなぁという敗退。
明治戦は良いところなく敗退。ゲームレポートを書くことが本当に辛い日々でした。

今年のUnicornsの特徴を思い出すと、まず、攻守ともに前年まで多用していた選手のローテーションを控えたことが挙げられます。
今までは、1つのポジションに3名〜4名くらいローテーションで出場していまして、絶対的なレギュラーも頻繁にサイドラインにいました。この主眼は、常にフレッシュな選手をフィールドに置き全力でプレーをさせることです。実際、過去を思い出すと4Qに強いという印象があります。今年は、多少の選手交代はあるものの、例年に比べれば主軸がフィールドに立ち続けていました。
これは大きな変更点だと思います。

また、ディフェンスは過去数年と大きな違いは感じませんでしたが(ディフェンスは筒井HC継続ですので当然ですが)、オフェンスは大きく変更。オフェンスラインのスプリットが尋常ではないレベルで広くセットするフォーメーションです。C、G、Tの間隔が、それぞれ3yはあったと思います。(正確には知りません)
仮にスプリットが3yあり、選手のお尻が1yあるとすれば、タックルからタックルまで17y、4yあったら21yという異次元の体型です。最初見たときは、法政戦に備えた奇襲かと思ったのですが、ずっと使い続けていたので、これがスタンダード体型かと驚いた記憶が鮮明に残っています。
大外のラッシュが間に合わなくなる、DL、LBの1人あたりの守備範囲が広くなり、タックルミスを誘発しやすいというメリットはありそうですが、ブリッツのピックアップが非常に難しそうですし、広いスプリットの間にアサインされたDLの処理も大変そうな、実にハイリスク・ハイリターンな体型と言えるのではないでしょうか。

この2つが例年と決定的に違う特徴。
指導陣、コーチ陣の方々が、春シーズンを棒に振ったことの解決として、この2つを採用したのか分かりませんが、この2つの思い切った変更が、シーズン深まるにつれ、どんどんと機能していったことが興味深い展開でした。

ある程度、出場メンバーが絞られ、また、主軸が多用されたことにより、経験や試合勘がどんどん良くなりました。
主軸とは言え、経験や試合勘がなければ・・という部分はありますし、昨年まではBIGにいましたので、TOPとの差もあります。
選手たちが、本来の姿を試合ごとに取り戻す姿を見ることが出来ました。

ワイド・スプリットの体型も、OB・OG方々の賛否の分かれそうなところですが、終わってみればQB相馬の高い脚力と、精度の高いショート・ミドルのタイミング・パスとフィットし終盤は見事に機能していました。
1次リーグ最終戦の日大に感動的な勝利。
2次リーグでは日大に破れたものの、しっかりと互角に戦い、横国、桜美林に勝利。
入替戦の明学はハラハラでしたが勝利しTOP残留。
この結果に満足しては駄目でしょうか。
忸怩たる思いはあります。
部員たちもそうだと思います。

ここ数年の苦難。いろいろなご意見はあろうかと思います。
自業自得、身から出た錆、とばっちり、可愛そう、もう許してくれ、まだまだ足りない・・
全部受け止め、それでも夢を信じて戦った部員達は立派だと思いますし、立派な結果も出したと思います。
素晴らしい戦績かは分かりませんが、プレースタイルも含め素晴らしい戦いであり、素晴らしいシーズンだったと心から思っています。

外からみているだけですので、2つの変更の理由も知りませんし、実際のところの部員達の気持ちも分かりません。
ただ、この1年を振り返ると、リーグ戦が始まり、日々成長していく部員達の姿に感動を覚えた2022年シーズンだったなと、このコラムを書きながら振り返っています。

私の総括が絶対とは思っていませんが、1シーズン、レポートをお届けした特権と思い、勝手に総括させて頂きました。

主軸が多く残る2023シーズンも楽しみですし、2023展望もお届けしたいと思いますが、まずは近藤主将以下、難しいシーズンを戦い抜いた4年生にありがとうを伝え、今シーズンの締めとしたいと思います。