秋の見どころ 〜秋リーグ戦に期待を込めて〜 2024.08.15

広報部会 山田健太(H7年卒)

昨年の試合、そして今年の春を踏まえ、私なりの「秋の見どころ」をまとめました。
取材に基づいていませんので、その点は悪しからず。主観のみ、そして期待を込めてのコラムになりますが、前情報があった方が試合も楽しく観戦できると思いますのでご参考ください。

ディフェンス

HC筒井の手腕もあり、ディフェンスはこの10年、常にレベルが高いと思っています。
そして、昨年、かなりの鉄壁ディフェンスを誇りつつ、その11人中9人が残りましたので、今年も安泰と思っていたところ、春は思ったより苦戦。
春総括のレポートにも書きましたが、怪我人がディフェンスの主力に多かったことがあげられます。
そこを立て直してくれる前提で見どころ紹介しますと、キーディフェンダーはLB倉田(3年)とDB横手(3年)。ブリッツを多用し、LB、DBにどんどんLOSを割らせる攻撃的なディフェンスですので、彼ら2人のビッグ・プレーに期待。多少のドライブは気にせず、この2名が強烈なロスタックル、ファンブルフォースなどを決め、「ディフェンスでモメンタムを持ってくる」そんなシーンがしっかり上位校に出来るかが肝になります。

LB#4 倉田直(3年・南山・アメフト)

DB#6 横手謙太朗(3年・慶應義塾高・アメフト)

DBは4年沼田、丹羽、林、3年北田と昨年の盤石ユニットがそのまま残る布陣で、M/M主体で負担は大きいのですがやりきってくれることでしょう!
春に経験を積んだ4年和田、ラフィー、玉川、そして3年小島も絡み、他校が羨むレベルと選手層の厚みになっています。プレッシャーでパスが乱れれば、このメンバーは間違いなく仕留めてくれます。インターセプトの量産も楽しみの一つになるでしょう。

DB#43 林大成(4年・慶應義塾高・アメフト)

DB#48 近野ラフィー順(4年・慶應義塾高・サッカー)

DB#29 玉川雄基(4年・都立駒場・サッカー)

懸案はDL
昨年からスタメンで中核を期待された3年作田、2年山田が春不在でDL陣の仕上がり想定が難しいところ。主将の石塚もいますが、OL主体の起用が予想され、人数的にもパフォーマンス的にも、シーズン始まらないと、どんな仕上がりになるのか未知数です。
強力なLB、DB陣がいても、第一線が押し込まれたらLB、DBは保守的なディフェンスにならざる得なくなり、自慢の攻撃的なディフェンスが難しくなります。

ディフェンスのシステム的にも、DLが機能しないことには始まらないということです。

秋リーグ戦は、DLが機能するのか、DLがシーズンを通じて働ける頭数が揃っているのかにかかっていると思います。
副将の朝比奈、期待の2年天野を筆頭に地力と厚みをしっかりと高めてくれればと期待しています。

DL/OL#57 天野甲明(2年・鎌倉学園・アメフト)

オフェンス

ここ数年の課題はランプレー。
OLの選手層が薄く、パス1本槍の戦いを強いられていました。

今年は、そこに手を打つべく、人数的にも多少増えているように思えるOL陣に加え、春シーズンはランプレーを多用。春に結果が出たとまでは言えませんが、例年より良いランプレーの状態であることは間違いないです。

問題は、それが「上位校に通じるレベルなのか」にかかってきます。
まだまだ成長段階だなと思っていますが、U19に選出された2年岩戸の飛躍、そして主将の石塚、3年大坪あたりに期待。RBは混戦模様ですが、3年猪ノ原がエース格。2年石井は高校時代に素晴らしいRBでしたので期待を込めてご紹介しておきます。

OL/DL#77 岩戸旦和(2年・慶應義塾高・アメフト)

レシーバー陣は、DBを褒めましたが、それを凌駕する超スーパーユニットが構築されています。4年水野、丹羽、3年久保の3人は、昨年の結果も伴っていますが、本当に期待できます。全員185cmを超えるうえ、高身長だけでなくアスリート。1人でも手強い高身長アスリートレシーバーを3枚揃えた贅沢仕様になってます。
インサイドレシーバーには、2年からエース級の活躍の4年黒澤が控え、春に結果を出した4年藤崎、2年生川とこの2人もレベルが高く、レシーバー陣は厚みも十分。3年飯塚、2年若月も、夏の成長次第では試合に絡んできそうです。

WR#7 水野覚太(4年・慶應湘南藤沢・バスケットボール)

WR#9 黒澤世吾(4年・慶應志木・サッカー)

WR#19 生川太一(2年・慶應義塾高・アメフト)

QBは1年生の時から期待され、そして切磋琢磨してきた2枚看板、4年水嶋と松本がラストイヤーを迎えます。春の起用をみると水嶋が一歩リードという印象ですが、どっちが出てもレベルが高いので安心できる強みがあります。この2人、春の総括で少し触れたようにターンオーバーが多かったのですが、基本的にレベル高いQBです。パスもランも状況判断も、高次元でしっかりとバランスされています。

抽象的な表現で申し訳ないのですが、この2人に求める部分、言い換えれば足りない部分は、細かいスキルではなく「勝てるQB」への昇華です。それが何かは分かりませんし、水嶋、松本によって違うのだろうとも思いますが、勝てるQB、勝ちきれるQBになれるかが勝負です。

投げられるQBに、全国レベルと言える豊富なレシーバー陣が居ますので、テコ入れしている、OLを含めたランニングアタックが一定の成果を出せば、久しぶりに高得点が期待できるオフェンスになれますし期待大です。

QB#0 水嶋魁(4年・海陽学園・アメフト)

QB#16 松本和樹(4年・慶應義塾高・アメフト)

キッキング

キッキングは多岐に渡るのですが、まず、特筆すべきはキックオフにせよ、パントにせよ、リターンチームに注目です。昨年、リターナー関東2位の3年久保は見る価値あり。こんなにワクワクさせてくれるリターナーは久しぶりです。
そして、好結果が好循環を生んでいるのか、ブロッキングも良いですし、リターナーに入る藤崎、生川、横手、3年飯塚なども良いリターンをしてくれています。

WR#1 久保宙(3年・慶應義塾高・アメフト)

リターンチームは問題なく合格点どころか、リーグ屈指と言えるでしょう。

問題はカバー系とFG。
4年佐々木がエースキッカーだと思うのですが春は出場なく、復帰を期待したいところ。現時点で、タッチバックに蹴り込めるという基本や、20y地点くらいでのFGにも不安を覚えます。

K/P#11 佐々木雄大(4年・慶應義塾高・アメフト)

パントも、割と多くのパンターを春に起用しており、不安定な感じを受けます。1発の飛距離などはそこそこなのですが、安定した陣地回復という、一番の目的を果たせてはなく、こちらも心配の種です。

キッカーやキッキングは、一発勝負という側面があるので、個々のスキルはあると思いますが、メンタルの占める比重も大きいのかなと思っています。
リターンチームが好循環を生み出せているように、カバーチームも成功事例を積み重ね好循環に入って欲しいと願います。チーム内で出来ていますので。

攻守蹴とは良く言ったもので、昨年はキッキングゲームで勝ちきった試合が多かったですし、今年は昨秋に比べると苦しさが目立ちます。昨年を知っているメンバーですから、キッキングの大事さも知っているはず。リターンチームのみならず、全体的な底上げを期待しましょう。

まとめ

客観的に言うと、DBとWR、QBは他校を凌駕出来ています。
LBも合格点。OL、RB、DLの仕上がりが勝敗を分けそうです。

昨年強かった。春強かった、弱かった。。
関係ないとは言いませんが、秋は秋です。

上位校に圧倒的な勝利なんていうのは有りえません。
上位校と互角に戦える戦力はあると心から思っていますが、勝てるのか、接戦をものに出来るのかは、まさに今行われている日々の練習にかかっているのでしょう。

QB2人に「勝てるQBに」と書きましたが、接戦をものにする責務はQBだけではありません。主将、副将、各リーダーの責務ですし、突き詰めれば部員全員の責務です。

これが出来たチームが勝ち、出来なかったチームが負け、Unicornsはその歴史の積み重ねです。「惜しい」を超えられないチームですし、私もその1人。

ですので、言うこと、書くことは出来ますが、どうすれば良いかは分かりません。無我夢中で頑張ってくれとエールしか送れません。試合会場で死ぬほど応援することしか出来ません。

学生スポーツです。
毎年、1位のチャンスも最下位の怖さもあります。
1位であっても最下位であっても、全力を出し切ることが全てで、その結果は学生たちが受け止めることです。

我々OB・OGは、この「秋の見どころ」をベース情報にするかしないかはお任せしますが、是非、学生時代を思い出し、全力で頑張る学生たちを全力で応援していきましょう!!