【再生PJ活動報告】第4回:倫理WG 2021.05.07

4年マネージャー 黒木 杏奈

平素より、大学Unicornsに多大なるご支援・ご声援をいただき誠にありがとうございます。

私共、慶應義塾体育会アメリカンフットボール部は、2019年10月15日の活動自粛直後から部員全員を対象にして、当部の抜本的な体質改革を目指す「再生プロジェクト」を田中部長主導のもと行って参りました。2020年3月4日の活動自粛解除後から現在も、部の問題解決に取り組み続けており、再発防止に努めるとともに、寺岡前主将の掲げた「応援されるチーム」の実現に向けてアメリカンフットボールの技術面だけではなく、人間としての成長を目指して日々活動をしております。

本連載企画では、日頃から応援してくださるOBOGの皆様方に、私共が昨年度から取り組んでいる「再生プロジェクト」について少しでもご理解頂けるよう、活動状況について詳しくご報告して参ります。

ワーキンググループ(以降、WG)紹介の2回目になる今回は「倫理WG」です。

当WGでは、“部員の自律的な行動を促し、それを発揮できる環境づくり”を行なっており、新城塁斗(3年WR#18)をリーダーとして、2年生3名、3年生6名、4年生3名の計12名で活動しています。

倫理WGリーダーの新城塁斗(3年WR#18)

〜「再生プロジェクト」とは〜
活動自粛後に課題抽出を行い、当部の掲げる行動規範に基づいて、大きく13の課題に分類し、解決責任を負うワーキンググループ(WG)を発足させました。全員1つ以上のグループに必ず所属し、課題解決のために議論を重ね、解決のための施策を考え、活動をしております。

1.倫理WG
2.部則WG
3.マナーWG
4.学業WG
5.リクルーティングWG
6.新入生WG
7.ストレングスWG
8.アメフトテクニックWG
9.アメフト理解度WG
10.選手スタッフ間WG
11.部員間WG
12.部員コーチ間WG
13.部員数WG

▼WG発足の経緯・背景はこちらの記事をご覧ください▼
https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210408-2/

▼その他のWG紹介記事はこちら(過去掲載記事)▼
・選手スタッフ間WG
https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210408-3/

1.WGの発足理由

当部は「健全で人間性豊かな人材を社会へ輩出する」、「学生日本一の座を継続的に追求する」という2つの基本理念を掲げてきました。しかし、2019年の活動自粛以前の私たちは後者の理念ばかり追求してしまい、人間性の側面が意識されていませんでした。

そこで、倫理WGではアメフトそのものの実力向上はもちろんのこと、部活動を通して人間としても成長できるようにという思いのもと発足しました。今年度のスローガンである「I DO」を体現する自発的に善い行いが出来る部員を理想とし、チーム全体が自主性を持って考えて行動できる状態を目指し日々活動しています。

2.昨年の活動内容

(a)コンプライアンスMTGの実施

学生主導で行うコンプライアンスミーティングでは部員のコンプライアンス意識を向上させ、部としての倫理観の向上に繋げる目的で、大学教授などの有識者の方を招き、コンプライアンスなどについての講習会を行いました。

一例を挙げますと、SFCの金杉朋子講師をお招きして「弱さの共有」というテーマでオンラインでの講演をしていただきました。具体的には「弱さを共有」することにより、強い組織や、強い信頼関係が作られるという研究データをご紹介頂き、それを踏まえて部員が数人単位のグループで「弱さを共有」するという経験の場を設けていただきました。

(b)備品管理の見直し

練習で用いる備品はグラウンドの倉庫とトレーナールームに収納しているのですが、それに関連して下記の問題が挙げられました。

  1. 紛失が多発し、道具を買い替えることが多い。
  2. 各部員が道具の価値や値段を理解していない。
  3. 道具の状態を把握していなく、状態の悪いまま練習に使用してしまう。

したがって、以下の解決策を講じました。

(1)トレーナールームに片づける練習道具の配置場所の例を写真によって提示する。片付けの時に起こるミスによる紛失を防ぎ、毎練習での片づけを円滑にする目的である。

(2)倉庫に片づける道具の配置場所の例を写真により共有する。①と同様にミスによる紛失を防ぐ目的である。

(3)練習に使う道具に対して購入時の値段を明記する。

3.今年の活動内容

(a)ボランティア

昨年はコロナ禍の影響でボランティア活動を実施することが難しかったという課題がありました。今年は倫理WGのメンバーに加えて新たにボランティアリーダーを有志で部員から募り、感染対策を徹底しつつ、ボランティア活動や部員主体の町内(三田、日吉等)清掃を実施していきます。

写真一枚目は認定NPO法人 グリーンバード様主催の川崎市清掃に二枚目は駒沢オリンピック公園清掃に参加した時のものです。

(b)コンプライアンスMTGの実施

昨年同様、部としての倫理観向上のため、今年もコンプライアンスMTGを実施しております。3月には日本大学アメフト部元副将でありXleagueでもご活躍されてなさる松尾佳郎様をお招きし、チームスポーツにおいてのリーダーシップなどについてオンラインでの講演をしていただきました。4月には株式会社電通 法務マネジメント局 部長 安藤勉様をお招きし、SNSの正しい使い方、潜むリスクについてオンラインでの講演をしていただきました。

また、5月には新入生を対象に再生プロジェクトの経緯、具体的な活動を伝える機会を倫理WGで設ける予定であります。

(c)他団体訪問

昨年から引き続き、今年度はオンラインで他団体に訪問しました。塾内の他部、他大学のアメフト部をはじめとして他大学の他競技、審判部、学生連盟などにも話を伺う機会を頂きました。他団体訪問を行う目的としては、他団体のチーム方針、チームビルディング、取り組みなどを知り、学ぶことで弊部との違い、弊部に足りないものなどを考え、今後のチーム作りに活かすことであります。また、弊部が外部からどのような見られ方をしているかを知れる機会ともなりました。

特に今年度はコロナ禍ということで、思うように活動ができない中でどうチームビルディングを行っていくかという点ではどのチームも同じく課題として挙げられていました。コロナ禍であるからこそチームの強み、弱みも可視化され、他団体訪問により他部から刺激を受けることができました。また、活動ができない状況下でも部員全員がチームビルディングに大きく関わるきっかけになりました。

(d)Unicorns NetでのWG活動報告

この記事は再生プロジェクトの取り組みを対外に発信する目的でWGの活動報告をするためにあります。そして、その企画、管理については倫理WGとMGRの共同で行なっております。各WGが書いた当該記事の原稿を倫理WGがその内容の校閲、添削を行い、Unicorns Netに載せ、現役部員のチームビルディングを身近に感じていただきたく思っております。

以上のような活動を行なっていく中で、本WGのメンバーはどのような思いでこのWGに参加しているのか、2名紹介します。

3年 WR 新城塁斗(倫理WGリーダー)

「ただアメフトの力のみを強くするだけでは日本一のチームになれないと思い、倫理WGを選びました。また、部活動を通じて人間としても成長し、人として正しい行いを続けていれば僕達を応援してくれる人も増えてくれる。そう信じて誇りを持って活動しています。」

3年 WR 町田穣次

「大学という教育機関の体育会に所属している以上、アメフトというスポーツでの成長だけでなく、人間性という面でも成長しなくてはならないと考えています。それを踏まえ、倫理WGに所属することで自分を含めた部員とチームの成長に携わりたいと考え、このWGを選びました。」