【再生PJ活動報告】第7回:部則WG 2021.07.29

4年マネージャー 黒木杏奈

平素より、大学Unicornsに多大なるご支援・ご声援をいただき誠にありがとうございます。

私共、慶應義塾体育会アメリカンフットボール部は、2019年10月15日の活動自粛直後から部員全員を対象にして、当部の抜本的な体質改革を目指す「再生プロジェクト」を田中部長主導のもと行って参りました。2020年3月4日の活動自粛解除後から現在も、部の問題解決に取り組み続けております。再発防止に努めるとともに、寺岡前主将の掲げる「応援されるチーム」の実現の為に、アメリカンフットボールの技術面だけではなく、人間としての成長を目指して参りました。

Unicorns Netを通じて、我々の行ってきた「再生プロジェクト」の活動のご報告を行って参ります。

第7回目となる今回は「部則WG」の紹介をさせて頂きます。
部が絶対に守るべきルールづくりを行なっており、飯田智大(2年OL#79)をリーダーとして、1年生3名、2年生2名、3年生4名、4年生4名の計13名で活動しています。

部則WGリーダーの飯田智大(2年OL#79)

部の規則である部則WGは、体育会生として正しい行動を取ることを目的としています。部員がマナーをもって活動するための、規則などはマナーWGで取り扱っています。この2つのWGの密接な関係性にもご注目ください。

〜「再生プロジェクト」とは〜
活動自粛後に課題抽出を行い、当部の掲げる行動規範に基づいて、大きく13の課題に分類し、解決責任を負うワーキンググループ(WG)を発足させました。全員1つ以上のグループに必ず所属し、課題解決のために議論を重ね、解決のための施策を考え、活動をしております。

  1. 倫理WG
    https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210507-1/(2021.05.07配信)
  2. 部則WG
  3. マナーWG
    https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210729-3/(2021.07.29配信)
  4. 学業WG
  5. リクルーティングWG
    https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210624-2/(2021.06.24配信)
  6. 新入生WG
    https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210618-3/(2021.06.18配信)
  7. ストレングスWG
  8. アメフトテクニックWG
  9. アメフト理解度WG
  10. 選手スタッフ間WG
    https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210408-3/(2021.04.08配信)
  11. 部員間WG
  12. 部員コーチ間WG
  13. 部員数WG 

▼WG発足の経緯・背景はこちらの記事をご覧ください▼
https://keio-unicorns.com/mita-kai/daigaku/210408-2/

1. WGの発足理由と目標

活動自粛以前の当部には、部員が部則を軽視し部則の拘束力が弱まっているという問題がありました。本WGは、部員の主体性を引き出すことのできる部則および運営規則を再考察し、この問題を解決するために発足されました。そして、部則を守る意識を徹底的に根付かせることで、最終的にはルールを守る「道徳的な人間」のみによって構成される「道徳的な組織」を作り上げることを目標としています。

2. 昨年の活動内容

本WGは毎年、新チームの開始に合わせて「運営規則」(部の最低限のルールである部則を補い、部の円滑な運営を行うためのルール)を改訂します。また、2020年度は再生プロジェクトの初年度であったため部則を含めて大規模な刷新を行いました。

(1)全部員が関わることができる仕組みの中での部則の刷新

部則への不満をなくして素直に受け入れ、納得することができるようにするため、作成過程は全部員に逐一報告、共有しました。加えて全員の意見を組み込むことができるよう、アンケートを取ることによって、不満を最小限に抑えることに努めました。これにより、部員の部則への当事者意識が芽生え、より部則を守る意識が高くなったと考えています。

(2)ルールの最小限化

法律を違反するような事項を除いた全ての選択において、体育会部員として最適の選択をすることを求めるという「自主性」に委ねることを重視しました。これに基づき、自粛以前までの膨大な数のルールを最小限化しました。最低限の部則にしたことで、故意の部則違反への対応に酌量の余地がなくなり、もし違反があった際には厳しく対処することが可能になりました。加えて、ルールの数が多い、不適切な違反者への対応、違反をすることに対する軽視などといった問題も解決することができると考えました。ここでの自主性とは体育会部員としてあるべき姿を捉え、それに対して行動できることを指しています。その自主性が当部の軸となる部の基本理念である「日本一の追求」、そして「品性の陶冶」に繋がっていくと考えたのです。

3. 今年の活動内容

昨年の取り組みを踏まえ、今年の本WGは部の規則を改訂するだけでなく、「運用する」ことを重視した活動を行っています。ルールへの違反に厳格に対応することで、部の存続に関わる重大な部則違反を未然に防ぐことに注力しています。

ミーティングの様子

(1)運営規則の改訂と罰則規定の追加

2月には昨年の反省をもとに運営規則の改訂を行いました。主な変更点は、喫煙・飲酒に関する規定、授業抜けルール、罰則規定の追加です。中でも罰則規定に関して、遅刻や指定服装の忘れなどの過失の運営規則違反(以下、粗相)への対応が公平ではなかったという昨年の反省から、より公平な罰の決定を行えるように罰の基準を明確化しました。改訂内容は、部長、監督、コーチをはじめ、OBの弁護士の方にも確認していただきました。

(2)2021年度部則・運営規則のインストール

3月初旬に全部員に対してポジション別にインストールを行いました。また、4月以降に入部してきた新入生に対しては毎週末に担当者を変え、逐次インストールを行い、部員として守るべきルールを迅速に共有しました。

↑インストール資料(抜粋)

(3)粗相者への対応、報告、モニタリング

遅刻等をしてしまった部員(以下、粗相者)は本WGに自ら報告し、奉仕活動を決定します。本WGはその内容を指導陣および全部員に報告し、粗相者リストに追記します。奉仕活動(練習前掃除がメイン)の実施状況は本WGメンバーがモニタリング責任者としてチェックします。粗相の報告は「本人による当日中の報告」を原則としており、これに違反すると追加の罰が下されます。これにより、部員にルールを守る習慣を浸透させるだけでなく、「隠蔽すればいい」という考えを根絶できると考えています。

(4)部則および運営規則に関するテスト

部員の部則に対する理解度を確認すると同時に、部則を見返す機会を設けるためにGoogle Form形式のテストを実施する予定です。

4.WG所属メンバーの思い

WGリーダー飯田智大(2年OL)

「ルールを守るという当たり前の行為の積み重ねによって、はじめて当たり前のようにアメフトをすることができるということを忘れずに今後もWG活動に全力で取り組んでいきます。」

山村健人(4年MGR)

「再生プロジェクトに際し、部の基本理念を記載する部則は部の根幹でありそこに自分も一から携わりたいと考え、当WGに参加しました。全員が納得できる規則体制を考え、施行していきたいと思います。」

黒木杏奈(4年MGR)

「3年前、私が入部を決めた時のUNICORNSとは良い方向に変わったことが非常に多いと思います。私は、マナーWGと兼任をしていますが、部則WGに参加した理由は、最終的に規則がなくても部活の仲間を思った行動ができるようなチームになってほしいからです。全員が部を大切に思うことができるチームづくりを後輩に繋げていきたいです。」