【結果】2024春季オープン戦 vs関西学院大学

絶対王者「関西学院」に挑んだUnicorns

試合結果

2024年4月20日(土) 慶應義塾大学 対 関西学院大学
14:00 Kick Off @王子スタジアム

1Q 2Q 3Q 4Q
慶應 7 0 0 0 7
関西学院 10 6 7 7 30

▼試合詳細は下記リンクをご覧ください▼
http://www.keio-unicorns.com/magazine_photo/2024/20240427-1.pdf

ゲームレポート

広報部会 山田健太(H7卒)

結果は完敗です。
残念な結果ではありますが、絶望的ではありません。

試合のレビューと共に、せっかくの王者との試合でしたので、王者にありUnicornsに足りなかったこと、王者に通じた部分など対比しながらレポートしたいと思います。

ゲームは関学のオフェンスでスタート。
Unicornsのディフェンスは、様子見というかスタンダードな入り方をしましたが、強靭なフィジカル、すでに完成されたタイミングで繰り出すランプレー。
そして、そのボールキャリアが軒並み代表クラスであり、歯が立たないという感じで先制TDを奪われます。

続くUnicornsオフェンス。
先発QBは、頼もしい成長を見せてくれている水嶋(0番・4年)
リズム良いパスでダウンを更新するも、3rdDown Longシチュエーションでプレッシャーを受け、苦しまぎれのパスをインターセプトされる。

【今年も成長を遂げる4年QB#0 水嶋魁(海陽学園) 写真提供:森川智之・徳子】

ロングパスのインターセプトなので、個人的にはパントと大差なしと思う部分もあり、一か八か投げることを否定はしない派ですが、かなりビッグリターンを決められてしまい自陣からのディフェンスを強いられ、最終的にはFGを決められ0-10。

このまま一方的な試合も覚悟したが、続くシリーズで、QB水嶋が落ち込むことなくオフェンスを率い、エースWR水野(7番・4年)へTDパスを決め7-10。

【結果しか出さない安定のエース 4年WR#7 水野覚太(慶應義塾湘南藤沢) 写真提供:岡見清隆】

厳しいプレッシャーを受けながらも、ブレイクから水野への正確なロングパスをヒットさせ、見事なオフェンス。水嶋・水野の個人技が光りました。

後半は期待のQB山岡(8番・3年)を起用。
期待されているとはいえ、負けているシチュエーションで関学戦のオフェンスをリードするという、精神的に相当タフな状況で今シーズンのデビュー。

【熾烈なQBスターター争いに名乗りを上げる 3年QB #8 山岡葵竜(佼成学園) 写真提供:森川智之・徳子】

光るプレーをたくさん魅せてくれましたが得点には至らず、ディフェンスも要所要所で良いプレーは見せつつも、全体的に力及ばずでファイナルスコア7-30で完敗となった。

関学とUnicorns
むろん、かなり多くの部分で劣っていることは事実だが、フィジカルの差、個々の能力の差は決して絶望的ではないと感じた。
ただ、ラインズのフィジカル差は大きい。
この時期に、最強レベルのラインズ戦を経験出来たことは本当に大きいので、攻守のラインズは目指すべきTOPラインを意識してトレーニングして欲しい。

そして、最も関学との差を感じた部分はオフェンスの完成度。
特にランプレー。
完璧なブロッキング、完璧なタイミングで繰り出され、実に美しいランプレー。
「さすが」の一言に尽きる。
これは、個々人の努力だけではなく、チームやオフェンスの強く高い意識レベルだと思うし、積み重ねられたプレータイミングの結果であろうし、膨大な選手間のコミュニケーションが行われているのだろうと思う。
個々が個々で努力していては辿り着けないチームとしての強さ、完成度を感じた。
王者・関学から学ぶのはここかなと。
別にランプレーを磨けという話ではなく、チームとしての完成度ということで、その完成度を高めるためのプロセスを学んで欲しいし、足りないことを感じて欲しい。

ディフェンスは、ファースト・シリーズこそ為すすべなしという感じで得点を奪われたが、徐々に対応力の高さを見せてくれた。
ただ、いつも通り、LBやDBがロスを割り、ハードタックルをするシーンまでは良かったのだが、いかんせんフィジカルが強く、ファーストタックルを外されロングゲインされるシーンが多かった。
今までは、ハードヒットそのもので仕留めることが出来ていたのだろうが、関学レベルはハードヒットだけでは止められないという現実を学べたのではないか。
ハードヒットと共に、しっかりとパックを回しセカンドエフォートさせない。
フィジカルアップやハードさだけではない、パックを回すという基本の大切さを痛感したのではないかと思う。

総じて言えば力及ばない部分が多かったと思うが、自慢のレシーバー陣は遜色なく頑張っていた。
ただ、イージーな落球もあり、今シーズンは豊富でレベルの高いレシーバー陣の力で勝利するイメージを持っているのであれば、より一段上の、全員が代表レベルと言えるところまで成長して欲しい。

最後に触れておきたいのは、QB山岡。
この大一番に抜擢されたことから、かなり期待をされているのではないだろうか。
オフェンスのテンポというかリズムというか、全体的なまとまりでは、やはり経験ある水嶋オフェンスの方が良かったが、確かに光るものは感じた。
堂々とプレーしていたことが何よりも素晴らしいし、言葉で伝わらないかもしれないが、ブレイクし、後ろからタックルをされながら優しいタッチで投げ、ロングゲインに繋げたプレーはマホームズのような凄さで久しぶりに驚かされたビッグプレー。

関学との試合ということで、書きたいことは山程ありますが、あまり長くなってもですのでこのあたりで終わりにしましょう。

今週もあまり個人名をあげないレポートになりましたが、名前を出した選手以外で光っていた選手をあげるとDB小島(20番・3年)とDL作田(55番・3年)がいいプレーをしていました。
DB小島は、キッキングで素晴らしいタックルを決めてくれ、その後注目して見ていました。
DBとしても良い動きが多く、注目選手の1人なのではないでしょうか?

【強烈なヒットが持ち味の3年DB #20 小島陽生(慶應義塾) 写真提供:森川智之・徳子】

DL作田は1年生から出場していて、今シーズンのDLキープレイヤーでしょう。
昨年は怪我で泣きましたが、関学のトラップ・ブロックを、ブロッカーごと押し込みランプレーを潰すプレーはなかなか見事!
関学のOL相手にあれが出来るのは頼もしい選手です。

【Next・鎌田 3年DL #55 作田太一(慶應義塾) 写真提供:森川智之・徳子】

次節は4月29日。
待ちに待った「早慶戦」です!!
この10数年、早稲田に苦杯が多いことは事実。
早稲田に何歩も先を行かれたことも事実ですが、今年はやってくれそうです!!
大声援を送り、Unicorns復活の狼煙を、駒沢競技場で、早稲田を相手に、現役・OB・OG一体となり、盛大にあげちゃいましょう!!