【結果】2019リーグ戦第3節 明治大学戦

強敵・明治大を撃破!

試合結果

2019年9月28日(土) 明治大学 対 慶應義塾大学
13:30 Kick Off @駒沢第二球技場
天候 曇り/晴れ 第1Q
第1Q 第2Q 第3Q 第4Q FINAL
慶應義塾 0 0 20 0 20
明治大学 7 3 0 0 10
↓スタッツはこちらをご覧ください↓

ゲームレポート

山澤 真樹(S58年卒)

(写真提供:斎藤力丸さん)
9/28(土)ユニコーンズ 関東一部Top8リーグ戦第3節は、今季関東優勝候補筆頭との呼び声の高い明治大学グリフィンズとの対戦を迎えた。ここまで全勝の明治は、卓越したオフェンス力を持つチーム。前節で法政のランニングアタックにずるずると後退を強いられて敗戦を喫したユニコーンズにとっては、非常にやり辛い相手と言える。ただしここで明治の軍門に下れば、関東制覇への道は限りなく閉ざされる事となる。試合前、チームの課題として個人的に考えていたのは以下の3項目。
①    強力明治オフェンスをいかに食い止めるか
②    慶應が徹底したボールコントロールオフェンスを展開し、得点に結びつける事ができるか
③    キッキングゲームでビッグプレイを生み出せるか
 試合会場は、ユニコーンズにとっては6年ぶりとなる駒沢第二競技場。筆者のような昭和のフットボールプレイヤーにとっては、関東地区のリーグ戦のメッカであったグランドだ。さて13:30にいよいよキックオフ!

【試合経過】

 明治リターンでキックオフ。前節は最初のキックオフで法政にビッグリターンを許していきなり先制されただけに、確実なカバーを実行して欲しいところ。幸いにも慶應カバーチームの好ラッシュで明治は自陣18ydsから最初の攻撃シリーズとなる。
 明治はまずはランで慶應ディフェンスの反応を見るスタートだったが、慶應はゲインを許さない。しかし3rd downでミドルゾーンへのWRのポストパスを決め、慶應陣へ。その後もコントロールよいパスをヒットして、慶應陣20ydsでダウン更新。絶好のフィールドポジションからはいかにも明治らしい粘っこいランプレイを重ね、最後はIフォーメーションからのTBブラストで先制TDを挙げた。(1Q 6:59 K0-7M)
 続く慶應のキックオフリターンは、背後からのブロックの反則で、自陣10ydsからのファーストシリーズを強いられる。それでもQB西澤のスクランブル、WR原田へのパスで自陣40ydsまで前進。ここで早くもスペシャルプレイのフリーフリッカーを見せるも、フリーとなったWRへのスローイングタイミングが遅く、失敗。パントとなる。
ボールキャリーするQB西澤 (写真提供:浅田哲生さん)
 慶應P大河原のナイスパントで自陣5ydsから始まった明治オフェンスは、TBの中央ラン、WRのストリークパス、QBのハンドオフフェイクのラン等多彩なプレイを織り交ぜたドライブで、あっという間に慶應陣15yds付近へ。ところがここで慶應DB山本が自陣ゴール内で明治のパスをインターセプトし、明治の追加点を阻止。
 しかし攻守交代なった直後の慶應オフェンスは全く前進できず、3&Out。明治はこのパントを敵陣40ydsまでリターン。そして中央ハンドオフ、オープンへのピッチアウトで慶應陣10ydsまで進む。しかしここで明治はフォルススタートを犯し、慶應ディフェンスの踏ん張りにより、FGによる加点に留まる。(2Q 11:49 K0-10M)ここで前半終了。
 後半は慶應のリターンから。なんとか後半最初のシリーズで得点を上げたい慶應だがファーストシリーズはあっけなく3&Out。慶應のパントが飛距離が出ず、自陣45ydsから明治のオフェンスとなったが、慶應DB山本が今日2本目となるナイスインターセプトを見せ、敵陣30ydsまでリターン。慶應ディフェンスが絶好のフィールドポジションを奪取した。
 インターセプトリターンするDB山本 (写真提供:岡見清隆さん)
  慶應は西澤からWR工藤へのポストパスで敵陣15ydsでダウン更新。更にRB大河原の好走でゴール前5ydsへ。そして最後はTB根岸のブラストでついに1本返す。(3Q 4:58 K7-10M)
 そして反す明治攻撃は自陣17ydsから始まったが、いきなりRBがファンブル。これを慶應ディフェンスがリカバーし、またもや敵陣20ydsという絶好のポジションで攻撃権を得る。ここで2度の反則で罰退を強いられた慶應は、やむなくFG成功で同点に追い付く。(3Q 6:58 K10-10M)
 更に続く攻撃で、明治がまたもファンブルで慶應リカバー。敵陣12ydsからの好機だが、またもゴールラインを割るまで至らずFGトライで成功。しかしながら本日初めてスコア上で明治をリードした。(3Q 7:41 K13-10M)
パントブロック後、ボールをゴールラインまで運ぶLB富田 (写真提供:斎藤力丸さん)
 続く明治オフェンスだが、度重なるファンブルの影響か、チョップブロックの反則で後退するなど、明らかにリズムが狂ってくる。そして3&Outとなったパントを慶應のリターンチームがブロックし、そのままボールを1年生LB富田がエンドゾーンに持ち込み、2本目のTDを奪った。(3Q 9:16 K20-10M)
 そしてついに最終クォーターに突入。両チーム共にパントを繰り返し、時間はあっという間に過ぎていく。残り5分を切って明治のギャンブルを抑えて敵陣24ydsからの慶應オフェンスは、FGによる追加点を狙うも失敗。その後は双方共に得点を狙えるフィールドポジションまでは進めずこのまま20vs10のダブルスコアで慶應が下馬評を覆して明治に勝利を果たした。
【Look Back】
 圧倒的に劣勢が予想されたこのゲームで白星を挙げた意義は非常に大きい。
 試合経過を見て頂けると分かる通り、試合前に私が思い浮かべた3つの項目の内、①と③が見事に具現化されたゲームだった。法政戦のような一発ロングランを奪われることなく、地上戦については対処ができていた。そして慶應の弱点と云われていた不確実なタックリングもその影を潜め、ハードにしっかり一発で仕留めるタックルが繰り返された。
 キッキングゲームも総じてカバーチームは健闘し、パントブロックによる得点という収穫があったのは大きい。
 明治からすると「魔の第3Q」であっただろう。自陣ゴールを背にしての不利なポジションからの攻撃を強いられ、ファンブルロスを2シリーズ連続で犯すという信じられない狼狽ぶりがスタンドからも感じられた。もちろん慶應ディフェンスの強力なプレッシャーに起因したのは明らかであったが。
明治戦で2本のインターセプションを記録したDB山本(写真提供:斎藤力丸さん)
 ただしダブルスコアで勝利したのが事実であるにせよ、②の課題である慶應オフェンスは課題山積である。
 何といっても3Qの敵陣ゴール前の2度の好機をTDに結びつけられず、FGのみの得点に終わった脆弱性は否定できない。スタッツを見ると驚愕するのだが、明治のオフェンス獲得ヤード(R107yds P172yds 計279yds)に対し、慶應はその1/3程度(R31yds P72yds 計103yds)という結果である。更にボール所有時間も明治28分·慶應20分と差をつけられ、スタッツだけでは明治が勝ったと思われても仕方ない状況である。
 「勝利」はスポーツにおいてはなにものにも変えがたい最高の結果だ。慶應の勝利にケチをつけるつもりはないし、慶應ディフェンスの頑張りがあってこその結果である事にも疑いはない。敵失だけで勝利できるようなレベルの関東一部トップ8リーグではない。
 しかしながら、他のチームが今回の明治と同様のミスを繰り返す事に期待する事などできない。今の慶應オフェンスのパフォーマンスで果たして関東の頂点にたどり着く事ができるのか?チームはこの勝利を糧としつつも、攻撃力の向上に心血を注いで欲しい。
 ともあれ、この勝利で優勝戦線に留まる事が出来たのは間違いない。そしてほぼ100%近い回答は、次節の早慶戦で明らかになるだろう。明治と並ぶ関東の優勝候補で、今春の定期戦でも惨敗を喫している。そつのないゲーム運びをするチームなので、明治同様に崩れる事は想像しがたい。
 それでもホームグラウンドの日吉で早稲田を迎え撃てる優位性は決して低くはない。圧倒的な声援を背に、自分達の信じるユニコーンズフットボールを全うして欲しい。その先には勝利のチャンスも必ずあると信じる。
 よってこの場をお借りし、ユニコーンズのOB・OG、ご父兄、関係者、ファンの皆様には、ぜひ10/13(日)は日吉陸上競技場に足を運んで頂き、熱い声援を送って頂きたいと思います。
「12人目のユニコーン」として、共に“Beat Waseda !”を成し遂げましょう!
 宜しくお願い申し上げます。
(写真提供:斎藤力丸さん)